家庭の電気は太陽光発電だけで十分?消費電力と発電量の目安を紹介
太陽光発電について調べていると「自家発電でエネルギー収支0」や「余った電気を売ることができる」といったものを見かけます。しかし家庭用の太陽光発電システムは比較的小規模です。本当にそんなことが可能なのか、売電はどのくらいできるのかと考える方も多いでしょう。今回は太陽光発電の発電量の目安と、発電量が減ってしまう原因について解説しましょう。
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家で必要とされる電気の量の目安
まずは家庭で消費する電力の目安を知っておきましょう。
電気事業連合会の調べによると、2013年の1世帯あたり電力消費量は、1ヶ月271.2kWhでした。2013年前後の消費量を見ても、目安としては1ヶ月およそ300kWh、年間では3,600kWhほどと考えておくと良いでしょう。
もちろん家族の人数や使い方、季節や地域よって電力量は変わるため、あくまで目安です。
特に冬場はどの家庭でも電気の消費量が増えるといわれています。これはエアコンを多用するほか、日が短いため電気を点ける時間が長くなること、外に出かける時間が少なくなり、自宅で過ごすことが多くなることなどが理由として挙げられます。中でも2月は電力の消費量が増えるため、こうした部分も加味して使用する電力を考えてみましょう。
太陽光発電でまかなえる電気量
次に太陽光発電でまかなえる電気量について、説明します。
【太陽光発電の発電量】
太陽光発電は導入時に、発電量を決めることができます。太陽光発電ではパネルの発電量が決まっているため、必要な電力をまかなえるパネルを選ぶと良いでしょう。
現在太陽光発電で使用されているパネルは、4kWが標準です。1kWで年間およそ1,000kWhの電気を作れるとされているため、標準の4kWを導入すれば、年間で4,000kWhの電力を生み出せます。
前述したように、一般的な家庭の年間電力消費量は、3,600kWhです。つまり標準的な4kWの太陽光発電システムを導入していれば、十分必要な電力をまかなえるといえます。
【余った電力を販売すればさらに得に】
3,600kWhの電力をまかなうために、4kWのパネルを導入すると、年間で400kWhの余剰電力が生まれます。こうした電力を売る(売電)することで、まかなうだけでなく利益を生み出すことも可能です。
2017年度の価格は1kWhあたり28円(10kW未満・出力制御対応機器の設置義務なし)です。もし目安どおりに電力を作り消費したとすれば、400kWh×28円で、年間11,200円の利益が生まれます。微々たる金額ではありますが、電気料金が0円になった上での金額と考えると、かなり得といえます。
ただし太陽光発電の買取価格は、今後下がっていくことになっています。2018年度には26円、2019年度には24円と2円ずつ下がっていく予定です。買取価格が26円になると10,400円、24円になると9,600円と、生まれる利益も1,000円から2,000円ほど変わります。太陽光発電の導入を考えている場合は、早めの導入がおすすめです。
発電量が減ってしまう原因とは?
家庭で使用する電力は、太陽光発電だけで十分まかなうことができます。しかしこれは、あくまで目安の発電量が確保できている場合の話です。発電量が確保できていなければ、利益を生み出すどころか太陽光発電で家庭の消費電力をまかなえなくなる可能性もあります。ここからは発電量が減ってしまう原因を紹介します。
【太陽光発電が故障している】
大幅に発電量が減っている場合、太陽光発電システムそのものが故障している可能性があります。特にパワーコンディショナーの故障とバスバー電極の断線は、発電量の低下に繋がる故障です。
パワーコンディショナーは、パネルで生み出した電気を直流から交流に換えるための装置です。これがなければ太陽光発電は機能しません。パワーコンディショナーは経年劣化やフィルターの目詰まりなどで故障することがあり、寿命は10年前後といわれています。10年保証を付けてくれるところも多いですが、定期点検をきちんとしてもらって状態を保ったり、保証期間を延ばせる場合は延ばしたりして対策を講じておきましょう。
一方バスバー電極とは、パネルのセルとセルを繋いでいる電極のことをいいます。バスバー電極は電気の通り道のため、これが断線すると電気が通らなくなってしまい、発電量に影響を与えます。バスバー電極は1枚のパネルに何本か通っていますが、1本でも断線が発生すると、ほかの線の負担となり、新たな断線を招く可能性があります。バスバー電極の断線は目視で確認できないため、業者によるメンテナンスでしっかり確認してもらいましょう。
【影がかかっている】
太陽光発電は太陽の光によって発電をするシステムです。当然ですが、太陽光がパネルにあたらないと発電量も下がってしまいます。
太陽光発電は前述したバスバー電極によって、全てのパネルが繋がっています。そのため影になっている場所の面積にかかわらず、どこか一部でも影になっていれば、太陽光発電全体に影響があります。実際にある会社がおこなった実験では、影になったパネルの枚数と発電量は比例しませんでした。効率的に発電をおこなうなら、影が一切かからない場所に設置するのが無難です。
まとめ
家庭の消費電力は、太陽光発電だけで十分まかなうことが可能です。実際にどれくらいの電力を消費しているのかを意識しつつ、エネルギー収支を0、もしくは売電が上回る方向で考えてみてください。導入にはコストがかかるため、このコストを超えるリターンを目指したいところです。
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