湿式工法と乾式工法ってどう違うの?それぞれが持つ特徴や傾向を徹底比較!
外壁の工事には「湿式工法」と「乾式工法」の2つの施工方法があります。それぞれ工事の仕方や適した住宅が違い、同じ外壁の施工法ですがまったく異なる特性を持っています。しかし「正直、どんな違いがあるかよく分からない」という方も多いはずです。そこでこちらの記事では、湿式工法と乾式工法の違いを具体的に説明しながら、どのような住宅にどちらの工法が合うかなどについてご紹介します。
本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています
- 82554
- 7
- 0
-
いいね
-
クリップ
工法や工事期間で違いを比較
まずは、湿式工法と乾式工法の工事内容の違いから見ていきましょう。湿式工法とは、モルタルや漆喰・土壁材などの塗り壁材を施工現場で水と混ぜて練り、それを刷毛やコテなどで下地材の上から塗って仕上げていく工法です。「材料が水を含んでいる=湿式」と覚えておくとわかりやすいでしょう。
乾式工法とは、あらかじめ工場で規格に基づいて生産された建材を必要な分だけ施工現場に持ち込み、それらを組み立てて貼り付けたり引っ掛けたりする手法で壁面の下地材の上から取り付けていく工法です。こちらも、「材料が乾いている=乾式」と覚えるとわかりやすいでしょう。
湿式工法と乾式工法の大きな違いとして、まず「工事期間の長さ」が挙げられます。一般的に、湿式工法のほうが工期は長くかかり、乾式工法は工期が短く済むとされています。
外壁の乾式工法における代表的な施工法「サイディング取り付け」を例にとると、着工から完成まではいくつかの工程に分かれますが、それぞれの工程ごとにかかる日数の目安を見ていきましょう。
【新築住宅の場合】
1.透湿シートの施工:約1~2日
2.通気層を設ける工事:約2~3日
3.サイディング材の取り付け工事:約6~10日
4.継ぎ目のシーリング工事:約1~3日
トータル日数の目安:約10~18日
【既存住宅の外壁にカバー工法で施工する場合】
1.既存の外壁材を木材で覆う工事:約2~4日
2.サイディング材の取り付け工事:約5~12日
3.継ぎ目のシーリング工事:約1~3日
トータル日数の目安:約8~19日
一方、湿式工法の場合は工期の目安が特定しにくいのですが、この理由は塗り壁材の乾燥・効果にかかる期間が天候や気温などの影響を受けやすいことにあり、一般的には乾式工法よりも多くの日数がかかるとされています。
湿式工法の代表的な施工法「漆喰の塗り壁」を例にとると、実際の施工期間は「1か月程度」としている実例が多くなっています。しかしこれらも目安とすることは難しく、季節やそのときの外的環境などが工期に影響するため一口に「○日程度を見ておけばよい」とは言い切れないのが現状です。
湿式工法と乾式工法は、それぞれどのような住宅で使われやすいか
こちらでは、湿式工法と乾式工法のそれぞれが、どのような住宅で用いられるかについて見ていきましょう。
【湿式工法の外壁が用いられる主な住宅】
・ファッション性や個性を重視する都市部の住宅
・天然素材にこだわる自然派の住宅
・伝統工法で建築されているなど、工業製品である乾式外壁材を使用しにくい住宅
【乾式工法の外壁が用いられる主な住宅】
・低価格で安定した品質が要求されるローコスト住宅
・シンプルで無難な外観が求められやすい地方部の住宅
・推奨する工法がある程度指定されている大手ハウスメーカーの住宅
数十年前までは主流だった湿式工法ですが、現在ではオリジナリティやおしゃれ度を重視する住宅で多く採用される傾向にあります。また、乾式工法はマニュアル通りの組み立てを行えば作業者の技量の影響をあまり受けず均等な品質で施工できるため、現代の住宅では主流の工法となりつつあります。
とはいっても、今後湿式工法の外壁が減少の一途を辿ってしまうということはないでしょう。湿式工法で欠かせない左官作業は今では伝統工芸に近い要素を持ちつつあり、湿式の壁材が持つ防火性や調湿性能や仕上げの自由度などを好む人は一定数いるからです。
湿式工法は乾式工法より高くつくって本当? それぞれの費用を比較
湿式工法の外壁と乾式工法の外壁では、工事にかかる費用も異なります。一般的には湿式工法はコストが高くなり、乾式工法は比較的コストを抑えられると言われています。
【湿式工法(塗り壁)の施工費用の相場】
・新築の場合:約1,500,000円
・既存の外壁の上に塗り壁を施工する場合:約2,000,00円
【乾式工法(サイディング)の施工費用の相場】
・新築の場合:約1,000,000円
・既存の外壁の上からサイディングを貼る場合:約1,500,000円
上記はあくまで目安となり、詳細な工事内容や外壁の面積などで費用は前後します。しかし、乾式工法は工事そのものも簡素で手掛けられる業者の数も湿式工法と比較してかなり多いため、業者間の競争などもあって低価格で施工できる傾向があります。ただし、乾式工法の外壁は15~20年ほどの経過を目安にいずれは大がかりな補修が必要となりますが、湿式工法の外壁は適正なメンテナンスさえ行えば塗り替えなしで100年以上持つこともあると言われています。
まとめ
こちらの記事では、外壁の湿式工法と乾式工法の工法・費用などの違いや、各工法が適した住宅などについてご紹介しました。ご予算やお好み、外壁に求める性能などさまざまな要素との兼ね合いを考慮し、ご自宅に合った外壁工事を選択することが大切になります。今後何十年と暮らしていくマイホームですから、長い目で見たお得さ・快適さをしっかり比較しながら新築・リフォームの計画を立てましょう。
- 82554
- 7
-
いいね
-
クリップ
あなたにおすすめ
関連キーワード
関連アイデア
-
"漆喰の壁に外壁塗装したい。かかる費用や気をつけたいポイント・注意点は? "LIMIA 住まい部
-
外壁サイディングのリフォーム費用・相場はどれくらい?材料もご紹介LIMIA 住まい部
-
外壁の工事における乾式工法ってどんな工法?メリット・デメリットまで詳しくご紹介LIMIA 住まい部
-
外壁の断熱リフォームにかかる費用・相場はどのくらい?〜工法別にご紹介〜LIMIA 住まい部
-
【専門家監修】屋根のリフォームの費用相場は?リフォーム内容やタミングもご紹介!LIMIA 住まい部
-
外壁材の種類8つの特徴を徹底解説!安い価格ランキングも公開LIMIA編集部
-
築5年での外壁塗装は早すぎる?新築5年で考える条件と塗装時の注意点LIMIA 住まい部
-
費用がかかるイメージがある?RC外断熱リフォームにかかる費用と相場とはLIMIA 住まい部
-
2回目以降の外壁塗装には注意が必要!押さえておきたいチェックポイントをご紹介LIMIA 住まい部
-
硬質ウレタン注入工法とは?施工にかかる費用や注意点LIMIA 住まい部
-
50坪の住宅で外壁塗装を頼むと、費用はどのくらい?相場の目安を知っておこうLIMIA 住まい部
-
【徹底比較】和室の壁をリフォーム!費用・相場を種類・方法別にまとめてみましたLIMIA 住まい部
-
外壁を施工する際の湿式工法とは?基礎知識やメリット・デメリットを解説LIMIA 住まい部