外壁の工事における乾式工法ってどんな工法?メリット・デメリットまで詳しくご紹介
外壁の工事は「乾式工法」で行われる場合と「湿式工法」で行われる場合の2つに大別されます。こちらの記事では「乾式工法」を取りあげ、メリット・デメリットや施工の方法について詳しくご紹介しましょう。ご自宅の外壁がどちらの工法で行われているかや、家の新築を検討中でどちらの工法を選択すべきか考えている方は、ぜひご参考にしてください。
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乾式工法とはどんな工法か
乾式工法とは、工場で生産された完成品の建材を現場に持ち込み、その場で取り付け作業を行って施工する方法です。湿式工法と異なる主な点は、現場作業において材料を水で練るなどの工程が省けることです。
乾式工法の代表的な工事内容としては、外壁のサイディング取り付け作業やタイル貼りにおける「乾式タイル」の取り付け作業などが挙げられます。ちなみに乾式タイルとは、ベースとなるサイディング材をあらかじめ施工してから、その上にタイルを引っ掛けたりボンド様の接着剤などで張り付けたりしていく方法を指します。タイルを貼る作業の際に、モルタルなど湿式の建材を使用しない点が特徴です。
乾式工法のメリット・デメリットを説明します
こちらでは、乾式工法の4つのメリットと2つのデメリットについてご説明します。ご自宅で希望する仕上がりや工期、ご予算などに合わせて適切な選択をするための検討材料となれば幸いです。
【メリット1:工期を短く済ませられ、軽量に仕上がる】
乾式工法のメリットとして真っ先に挙げられる点が「工期の短縮」です。水で練った材料を用いる湿式工法では、作業後の乾燥・養生期間が長くなるため全体の工期も長期間にわたる特徴がありますが、乾式工法の場合は乾燥の手間が省けて短期間で作業を済ませられます。また、サイディング材は塗り壁と比較して軽量なため、家全体の重量を省いて耐震性の向上にも役立ちます。
【メリット2:作業者の技量やセンスに左右されない仕上がりが望める】
湿式工法での外壁工事、いわゆる「左官作業」では職人さんの腕前に出来栄えが左右される傾向があります。もし複数の職人さんが同じ家の壁を一斉に施工した場合、よく見ると各所で別の職人さんが作業したとわかってしまうことも。その点、乾式工法は工場で生産された均一な仕上がりの材料を使用して作業するため、部位ごとで出来栄えが異なってしまうこともありません。
【メリット3:住宅建築のスタンダードとなりつつあり、依頼できる業者が多い】
数十年前までは外壁工事と言えばモルタルなどの塗り壁が主流でしたが、現在ではサイディングに代表される乾式工法が住宅建築のスタンダードとなりつつあります。そのため、塗り壁など湿式工法の作業ができる職人さんは減少する傾向にありますが、サイディングなど乾式の施工を依頼できる業者は安定して多い点が特長です。
【メリット4:費用が比較的安い】
湿式工法は作業できる業者の絶対数が減っており、現場での手間も多く工期も長いため全体にかかる費用が高くつきがちです。一方、乾式工法の場合は材料も工業製品を納入するだけで済みますし、工期も短く業者間の競争も多いため費用は比較的安く済む傾向にあります。
【デメリット1:仕上がりが画一的になる】
乾式工法では、大量生産されたサイディング材などを用いるため「職人さんのセンスが生きた質感」や「独特の風合い」などは望めません。わかりやすく言うと「周りと同じような外壁」になりがちです。流行のテイストや無難な外観を望む場合には乾式工法の採用が適していますが、ご自宅の外壁にオリジナリティや特徴的な味わいを求めるとなるとデザインの選択が難しくなることがあります。
【デメリット2:継ぎ目が必ずできるため、重厚感・高級感に乏しい】
塗り壁は壁面全体を継ぎ目なく均等に仕上げられるため、独特の重厚感があります。一方、サイディング材などを用いる乾式工法では必ず壁面に継ぎ目ができ、どうしてもカジュアルな印象になってしまいます。
乾式工法を選択する際の注意点は?
多くのメリットがある乾式工法の外壁ですが、施工に際して気を付ける点や施工後の注意点などももちろんあります。こちらでは、外壁において乾式工法を選ぶ際の注意点についてご紹介します。
【1.継ぎ目のひび割れなどに注意】
サイディング材などを用いた乾式壁では、必ず壁面に継ぎ目ができてしまいます。一般的に乾式壁の継ぎ目にはシーリングを施して防水処置を行いますが、施工後年数が経過すればシーリング材が劣化してひび割れるなどし、雨漏りや内部の腐食を招くことがあります。継ぎ目の状態には気を配り、劣化が見られればその都度メンテナンスを行う必要があるでしょう。
【2.金属製サイディングを使用する場合は錆に注意】
サイディング材には複数の原料があり、金属系サイディングの中でも安価なスチール製のサイディング材を使用した外壁は、錆びやすいため注意が必要です。施工後10年から15年程度の経過を目安に、錆を防ぐため塗装の塗り替えが必須となります。
まとめ
こちらの記事では、外壁の乾式工法を詳しくご説明しながらそのメリット・デメリットに触れ、施工時の注意点についてもご紹介しました。乾式工法の外壁には、均一でカタログ通りの仕上がりが得られ工期も短く済む反面、仕上がり時のオリジナリティやデザインの自由度・高級感には欠けるという特徴があります。
ご自宅をどのような外壁にしたいのかというご希望や、どのくらいの予算や工期を見込んでいるかなどと照らし合わせ、じっくり検討の上で適切な工法を選択しましょう。
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