盛土して住宅を建てる場合のメリットや注意点を徹底解説!
豊洲市場移転問題でも話題になった「盛土(もりど)」は、土壌汚染対策の手法のひとつであるとともに、住宅を建てる際にも使われる方法です。住宅を建てる際には、盛土はどのように用いられるのでしょうか。今回は、盛土の特徴や、盛土して住宅を建てた場合のメリット、その際に注意すべきことをまとめてご紹介しましょう。
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盛土とは?
盛土とは、斜面や低地を住宅地として造成する際に、土を盛って平坦にすることです。盛土と反対に、土地を削って造成する「切土」(きりど)という方法もあり、一定規模の宅地造成では、切土で出た土を盛土に使う場合が多くなっています。
斜面に対して盛土および切土を行うことで、階段のように水平な敷地を造成可能です。これにより、山間部や丘陵地など、傾斜のある土地でも住宅を建てられるようになります。
盛土をするメリット
盛土した土地に住宅を建てる場合、以下のようなメリットがあります。
【1.浸水被害を避けられる】
盛土をすると地盤が高くなるため、高さによる利点が得られます。
河川や海岸の近くに家を建てる場合、水害による浸水の対策が必要です。たとえば、50㎝の基礎となる土地の上に50㎝の盛土をすれば、1mの高さになります。これは道路上だと膝上あたりの高さです。大災害の場合を除き、大雨などで膝上まで浸水することはほとんどありません。したがって、盛土して建てた住宅は、床上浸水の被害はないと考えられます。
また、勾配ができることによって、雨水や下水の排水もしやすくなります。
【2.住宅を高くして道路から覗かれるのを防ぐ】
人通りがある場所に住宅を建てる場合、外からの視線が気になることがあるでしょう。盛土で地盤を高くすることによって、歩行者の視線、特に上から覗かれるような視線を遮る効果があります。「大きな窓を作って日当たりをよくしたいけれど、敷地が狭くて視線を外から遮られるような塀を作るスペースがない」といった問題は、盛土によって解決することがあります。新築住宅を建てる際などに、周辺環境を見ながら検討してみましょう。
盛土をする場合の注意点
上述したとおり、メリットも多い盛土ですが、行う場合は以下のことに注意する必要があります。なかには地盤沈下など安全性にかかわる点もありますので、よくチェックしてください。
【1.切土と盛土がどのように行われたかを知る】
一つの宅地の中に盛土部分と切土部分が混在している場合、地盤の強度が異なるため、沈下の原因となることがあります。切土と盛土がどのように行われたかを知るためには、施工業者が作成する造成計画図などを確認するとよいでしょう。
【2.盛土中に異物がないかどうか確かめる】
新しく盛土された地盤が落ち着き、沈下や圧縮が起こらなくなるためには、3~5年かかるとされています。ただし、盛土の内部に大きな石や木の根などの瓦礫がある場合、空洞ができてしまったり木の腐植が進んだりすることがあり、それによって10年近く経たないと安定しないこともあるようです。盛土する場合は、瓦礫などの異物が混入しないように施工されるか、施工業者に念押ししておくのがよいでしょう。
【3.盛土をする前の地盤に地下排水工を設ける】
盛土した土地の安定性を左右するのは、水です。雨水や地下水などの水処理の良し悪しが重要となります。自然の山間部においても、台風による集中豪雨や突然のゲリラ豪雨によって土砂崩れや地滑りが発生しますが、盛土した土地は土を切り崩し、敷き詰め、転圧(締め固め)することによって作り上げるので、自然の山々よりも水に弱い点に注意が必要です。
反対に、盛土内への水の浸入を防げれば、土地は安定します。盛土をする前の地盤に地下排水工を設けることで、水の浸入を防ぐことが可能です。田や畑地などの跡地に住宅を建てる場合、水路は水が浸入する経路になってしまうので、必ず地下排水工を設置して、盛土への水の浸入を防止することが重要です。
【4.建物の配置はできるだけ盛土部分を避ける】
盛土をした土地は強度がなく、地盤が非常に軟弱です。通常は転圧や地盤改良工事を行って強度を補いますが、可能であれば建物はできるだけ盛土部分を避けて配置するようにしましょう。もし、盛土部分に建物を建造することを避けられない場合は、地盤を強固にする改良も検討したほうがよいかもしれません。施工業者と十分相談のうえ、安全性の高い建物配置を考えるのがおすすめです。
まとめ
盛土の目的は、土壌汚染物質を押さえ込むことだけでなく、住宅を建てる際の地盤を高くすることにもあります。盛土は、浸水被害が心配される場合などに効果的ですが、地盤が弱い点には注意が必要です。盛土された地盤を強固にするためには、費用もかかるさまざまな対策が必要となります。盛土をするかどうかは、要件を踏まえて慎重に判断するようにしましょう。
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