家の傾きが気になる……どこまでが許容範囲?修理のベストタイミングを教えます!
ご自宅の傾きが気になるとき、修理すべきか許容範囲がわからないという方は多いのではないでしょうか。どの業者に依頼したらいいのか、修理のタイミングはいつがいいのかなど、判断が難しい問題です。今回は家の傾きの調べ方、傾きの許容範囲、許容範囲を超えた場合の対処法などをお伝えしていきたいと思います。
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家の傾き度チェック!調べ方はこちら
家の傾きは内部と外部の両方を確認する必要があります。セルフチェックする方法を3つ紹介していきましょう。
【セルフチェックの方法1】目視でチェック
家の傾きを自分の目で簡単に確認できる方法があります。家の内部と外部をそれぞれチェックしてみましょう。
家の内部のチェックポイントは以下の8つです。該当するポイントがある場合、家が傾いている可能性があります。
1.ドアがひとりでに開閉する状態になっていないか
2.窓の鍵が固くかけにくいことはないか
3.床とドアの間に隙間はないか
4.床と柱は垂直か
5.床を歩くとたわむところがあるか
6.ビー玉など球形のものが床を転がるか
7.雨漏りしていないか
8.隙間風がないか
ビー玉を転がす方法は一般的にもよく知られていると思いますが、どこに置いたときも同じ方向へ転がる場合、家全体がその方向に傾いている可能性があります。摩擦が少ない床だとわずかな傾きでも転がるため、少し転がる程度なら大丈夫です。しかし、加速して長く転がっていく場合は要注意と言えます。
家の外部のチェックポイントは以下の5つです。
1.外壁や基礎に亀裂がないか
2.ブロック塀が傾いていないか
3.隣家の外壁と平行か
4.庭に陥没しているところはないか
5.地面にひび割れはないか
傾きがある家の基礎には、ほとんどの場合ひび割れが見られます。特にひび割れしやすいのは、床下換気口の角から地面にかけての箇所です。ここにクラック(ひび割れ)の本数が多かったり、隙間が大きかったりする場合は基礎が傾いている可能性があります。
ブロック塀の傾きや地面のひび割れは、液状化したエリアで多く見られる現象です。地盤が軟弱化し、地面がひび割れたりブロック塀が傾いたりします。もしブロック塀が傾いていたら、地盤に悪影響が出たサインです。
【セルフチェックの方法2】透明なホースを使ったチェック
透明なホース(4m以上のもの)、テープ、ペン、水、糸、5円玉があれば簡単にできるチェックです。床、壁、柱の傾きを確認できます。
・床
部屋のこちら側の端から向こう側の端までの距離が3m以上の壁を使って傾斜を測定する方法です。ホースに水を入れておき、片方の先端を壁にテープで固定します。次にそれを床まで垂直に下ろし、反対側の壁まで床にホースを渡します。もう一方のホースの先端も同じように反対側の壁に固定していきます。そして床からホース両端の水面までの高さを測りましょう。
両端の水面の高さの差が1000分の3(床面の長さ1mに対し3mmの傾斜)以上ある場合、業者に相談した方がよいでしょう。床面の長さが3mの場合だと、両端の差が9mmあると危険サインということです。
・柱、壁
糸に5円玉を結んだものを垂らし、柱や壁の傾斜をおおまかに確認できます。こちらも、傾斜が1000分の3以上ある場合は業者に相談した方がよいでしょう。
【セルフチェックの方法3】アプリでチェック
最近はスマホアプリを使って家の傾きをチェックすることができます。いわゆる水平器の役割を果たす「家傾きアプリ」です。アプリの指示どおりに進めると、数値で傾き度を示してくれます。
家の傾きの許容範囲はどこまで?
床の傾きの許容範囲は明確化されていませんが、一般的に1000分の3未満の傾斜は問題なし、1000分の3以上1000分の6未満の傾斜は構造にある程度の問題があるとされています。1000分の6以上の傾斜がある場合は、構造体に瑕疵がある可能性が高いです。ちなみに1000分の6は1mにつき6mmの傾斜という意味で、10mの場合は6cmを指します。
この許容範囲は、長さが3m程度以上(壁、柱などの垂直面は2m程度以上)の2点間における傾斜の目安です。3m未満の2点間の場合、この基準で許容範囲を決めることはできないため注意しましょう。
家の傾きの許容範囲はあくまでも目安であり、さまざまな要因が重なった場合に許容範囲を超えていると判断することができます。確実に許容範囲かどうかを知るためには、業者に依頼した方が正確にチェックできます。
傾きが許容範囲を超えた場合、どうすべき?
家の傾きが許容範囲を超えた場合は、業者に住宅診断をしてもらい、適宜修理しましょう。信頼できる専門家(工務店、住宅メーカー、リフォーム会社など)に依頼し、修理が必要な場合は見積もりをとって実行してもらいます。実際の修理方法をいくつか紹介しましょう。
【修理方法1】ジャッキアップ
家の傾きが地盤沈下などで基礎ごと傾いた場合、ジャッキアップで修理する方法です。家を支える基礎が頑丈な状態で住宅周辺に十分なスペースが確保できれば、基礎の外回りを掘って基礎の部分から傾きを修正することも可能です。
【修理方法2】ダブルロック
家の傾いている部分に薬液を注入することで、圧力を用いて傾きを修正する工法です。元どおり水平に近い家にすることができます。
【修理方法3】土台、床下の補強
水まわりの床下は腐朽している場合が多く、土台を新しいものと交換する方法です。構造用合板や金物で補強するケースもあります。柱は腐朽部分を切断して根をつなぐか、柱ごと交換します。
まとめ
家の傾きが許容範囲かどうかを自分で確認することは可能です。身近な道具を使えば傾斜を目で確認することができます。しかし、セルフチェックだけでは許容範囲を超えているかどうかを判断するのが難しいため、優良な業者に診断してもらい、修理の必要性を見極めることが大切です。
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