ALC壁ってどういうもの?特徴や弱点、外壁塗装にかかる費用を知っておこう

住宅の外壁は、サイディングをはじめモルタル、タイルなど、数多くの種類があります。その中でも、最近注目されているのが「ALC」という外壁材です。外壁材の選択で住宅そのものの機能性が左右されるともいわれますから、その選択には慎重になるのも当然でしょう。一戸建て住宅の新築をご検討中であれば、ALCの外壁も候補に入っているかもしれませんね。今回は、ALCの外壁が持つ特徴や、施工にかかる費用についてご紹介します。

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ALCが持つ弱点ってなんだろう?

ALCとは、「Autoclaved Light weight aerated Concrete 」の頭文字を取った呼称です。つまり「軽量で気泡が入ったコンクリート」のことで、外壁に使われるものは主に金属網(ラス網)によって補強された「外壁用ALCパネル」になります。ALC外壁には、以下の特徴が挙げられます。

・普通のコンクリートの約1/4の軽さなので、施工期間が短い
・内部に空気の気泡が入っているので断熱性が高い。夏は涼しく、冬は暖かい
・同じく発泡性の素材なので、遮音性が高く防音壁として使用される場合もある
・主成分がコンクリートのため耐火性が高く、国土交通省による耐火構造の認定を取得している
・多孔の構造なので湿気を透過させ、湿度の調整機能がある
・アスベストを含まない上、リサイクルも可能で環境に優しい

とても素晴らしい機能を多数兼ね備えているため、外壁は是非ALCにしようと考えている方も多いでしょう。しかし、そんなALCにも、意外な弱点があることをご存じでしょうか。ALCの欠点には、第一に「水に弱い」ことが挙げられます。

ALCの内部には多くの気泡が入っているため、それがもたらすメリットも多いものです。しかし、水分が浸透しやすくそれが耐久性を下げる原因となります。また、水を吸い込んでしまうことで断熱性も落ちてしまいます。水分が浸透した状態のまま寒さで凍結するとひび割れが発生し、さらに耐久性が落ちてしまうということにもなりかねません。

また、ALC建材は幅が600mmと決まっているため、外壁材として用いる際にはパネルの継ぎ目がとても多くなります。継ぎ目に施したシーリング材が劣化すると、防水性が失われてしまうため雨漏りなどを引き起こしてしまいます。継ぎ目を減らすためにもっと幅を拡大すればいいのでは?と思うものですが、規格外のサイズを発注するとコストが高くついてしまいます。ALCはもともと他の外壁材と比較して高価ですし、それをさらに別注サイズで注文する場合は、それなりの金額を覚悟しなければなりません。

また、パネルの継ぎ目に施すシーリング材の選定にも注意が必要です。塗膜があるものと無いものがあり、塗膜があるものより無いものの方が早く劣化する傾向があります。また、シーリングの施工品質でも寿命が変わって来ることが多いため、一概に何年経てば劣化するとはいえないものの、長く紫外線の影響を受け続ければいずれは劣化してしまいます。

耐水性が低いALCですが、継ぎ目のシーリング材が水の侵入を防ぐ役割を持っているともいえます。したがって、まずシーリング材を点検して少しでも割れなど劣化の兆候がみられるようなら、なるべく早い段階で補修を行う必要があるでしょう。

ALCには外壁塗装が大切になる理由とは?

先の項目ではALCの意外な弱点をご紹介しましたが、その弱点に対してどう対処すればよいのでしょうか。新築時には、樹脂系のALC用フィラーで目止めを行って下地の調整をしていますが、年月が経って表面の塗料が剥がれてくると、再度防水処理をしなければなりません。ALCの弱点である防水性を高めるためは、表面に防水性の高い塗装を施すことが最も有用な対策となるのです。

また、継ぎ目のシーリング材の補修も大切になります。シーリング材は、外壁に関連する材料の中でも最も劣化が早いものといえますから、できるだけ防水性の高いシーリング材を選択することで防水性能を長く保つことができます。また、湿度を調節する機能はALCの長所であり弱点でもありますが、塗料にも同様の機能性を持つものを選定すれば、効果的に住宅そのものの調湿性能を高めることができます。

ALCへの外壁塗装の費用は?

ALCに使用できる塗料には、いくつかの種類があります。ここでは、塗料の種類とその特徴、1㎡当たりの施工費用の目安をご紹介しましょう。

【ウレタン系塗料】
低汚染性・耐紫外線・耐アルカリ性・防カビ性・防藻性に優れている
耐用年数 8~10年
費用 1,500~2,000円/㎡

【シリコン系塗料】
耐熱性・耐水性・対候性・耐アルカリ性・低汚染性・防カビ性・防藻性に優れている
耐用年数 10~13年
費用 1,800~3,000円/㎡

【フッ素系塗料】
超低汚染性・耐アルカリ性・防カビ性・防藻性・対候性に優れ、質感も高いエコ素材
耐用年数 15~20年
費用 2,700~4,800円/㎡

【光触媒塗料】
防汚性・遮熱性・防カビ性・防藻性に優れている。
耐用年数 15~20年
費用 2,500~5,500円/㎡

上記の費用に塗装面積(㎡)を掛け、足場設置、養生、高圧洗浄などの目安工事費用を足すと総費用の目安が分かります。試しに、一般的にポピュラーなシリコン塗料で計算してみましょう。塗装面積は30坪の一戸建てとして算出します。

足場設置 150,000円
養生 40,000円
高圧洗浄 15,000円
付帯塗装 100,000円
シーリング工事 200,000円
諸経費 30,000円

これらの費用に塗装費用を足した合計は、約900,000円となります。

ALCはタイルの幅が狭く、継ぎ目のシーリング工程も多いため、シーリング補修にかかる工事の費用がほかの外壁材と比較した場合に若干高くなります。

まとめ

今回は、ALCの特徴や欠点をご紹介し、塗装時の塗料選定や費用の目安についてご紹介しました。ALCはとても良質な建材で、多くのメリットを備えています。弱点である防水性、耐候性さえ塗装によってクリアできれば、長持ちさせることができるでしょう。また、ALCのメリットを存分に引き出すためにはメンテナンスが欠かせません。定期的に塗り替えを行い、美しい外壁を長く保ちましょう。

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