外壁の種類ってどんなものがあるの?それぞれの外壁塗装方法・費用の目安を解説

家を新築するときやリフォームするときには、壁の種類や外壁の塗装について必ず決めるもの。そのために、それぞれの壁の特徴や、どんな塗装があるか事前に知っておくことは大切です。今回は壁の種類や外壁塗装方法の違いと、それぞれにかかる費用の目安についてご紹介します。

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住宅に使われている外壁の種類とは

【1.窯業系サイディング】
セメントに、繊維などを混ぜて板状に形成したものです。今や新築戸建ての7割を占めるという外壁材で、耐震性、防耐火性、遮音性などの機能性に優れ、工期も短いので人気です。窯業系サイディングの特徴は、なによりデザインが豊富に選べる点でしょう。その数、3,000種類以上もあるそうです。さまざまなコーディネートを楽しめ、価格帯の幅が広い点も、人気のポイントです。

窯業系サイディングの難点は、水を吸収しやすいことです。サイディングボードはパネルを張り合わせて構成されますが、継ぎ目のコーキング材が劣化すると内部に水が浸入し、ひび割れが起こってしまいます。そのため、定期的なメンテナンスが必要です。

【2.金属系サイディング】
表面はアルミやスチールの金属板ですが、裏面には断熱材が貼られている外壁材です。軽量で取り付けが簡単なため工期も短く、耐震性・防水性・耐熱性に優れています。施工コストは窯業系サイディングに比べると少し高価ですが、サイディング自体に断熱材が組み込まれている点は魅力。断熱性に優れていれば省エネにもなりますから、長い目で見るとお得かもしれません。

デザインのバリエーションは、窯業系サイディングと同様に豊富です。そのため、金属系サイディングも最近人気を集めつつあります。ただし、やはり金属でできているためサビの発生は気になる点でしょう。1年に1度は柔らかいスポンジを用いてお掃除するなど、定期的なメンテナンスは大切です。

【3.モルタル材】
セメントと砂と水を練り合わせて作られた外壁材です。仕上げの方法にはいくつか種類があり、主に「リシン仕上げ」、「スタッコ仕上げ」、「吹き付けタイル仕上げ」の3つがあります。このほかにも数多くの仕上げ方法がありますが、これらは熟練の職人さんが創意工夫を凝らして、さまざまな模様を作り出したと言われています。そのため、資材の価格よりも仕上げの施工費用が全体の工事費に影響してきます。

少し前の住宅においてはこの工法が主流でしたが、施工に時間がかかるため現在はあまり見かけなくなりました。また、モルタル自体の防水性能が低いことから、劣化するとひび割れによる塗装剥がれが起きやすいのが難点です。

【4.ALC】
ALCとは「軽量気泡コンクリート」の略で、特殊なコンクリートの一種です。通常のコンクリートの約4分の1という軽量さが最大の特色ですが、人体に無害でリサイクルも可能という、環境に配慮された現代的な建築資材です。強度も高く、耐火性・防火性・断熱性に優れています。

ALCの欠点は、防水性能があまり高くない点です。そのため、塗装の剥がれを起こすと劣化を早める恐れがあります。また、サイディングと同じく継ぎ目の部分があるため、コーキング材による補修は必須となります。

【5.タイル】
粘土、陶土、長石などの鉱物を砕き、成型して約1,300度の高温で焼いて固めた外壁材です。耐火性が高く、傷や汚れ・水にも強いという特長があります。また、日頃のメンテナンスも洗浄程度と楽に済み、デザインや色も豊富です。欠点を挙げるとすれば、材料費・施工費用ともに高めになる点でしょう。

外壁の種類による外壁塗装の手順の違い

【1.サイディングの塗装作業】
サイディングの外壁を塗装する際の作業の流れは、「下地調整→下塗り→中塗り・上塗り」と、一般的な外壁塗装の手順とほぼ変わりません。ただし、外壁材のつなぎ目部分に施されたコーキング剤が劣化していれば、それを補修してから塗り直すことになります。

窯業系サイディングを塗装する方法は、大きく分けて以下の3種類となります。

・塗り潰し塗装…1色のみで塗り潰す方法です。
・多彩色塗装…単色ではなく、複数の色で塗装する方法です。サイディングの形状によって、多くの塗装方法があります。
・クリアー塗装…透明の塗料を塗り、元の外壁材のデザインを残す方法です。外壁の表面が劣化してしまうと施工できなくなるため、傷みなどが出ないうちに施工する必要があります。

各サイディングに使用する塗料は、一般的なアクリル系・ウレタン系・フッ素系・シリコン系などとなります。

【2.モルタルの塗装作業】
基本的に、サイディングと作業の流れは同じです。ただし、モルタル下地の外壁はひび割れやすいため、下塗り作業がより大切です。モルタル外壁の下塗り剤には「微弾性フィラー」という、粘度の高い下塗り材を用いることが多くなります。これで、微細なひび割れなら埋めることができますから、クラックが発生しやすいモルタル外壁には最適です。上塗り用の塗料は、アクリル系、ピュアアクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系塗料などが用いられます。

【3.ALCの塗装作業】
作業の流れは、サイディングやモルタルと同じです。ただ、ALCパネルには小さな気泡が多くあるため、塗装する前にこの穴をしっかりと埋めておく必要があります。穴が開いたままだと雨水が入り込んでサビが発生し、劣化を早める原因になってしまいます。気泡の処理を怠ると塗装の仕上がりもムラになりやすく、見栄えにも影響します。

そのため、ALC外壁材の下塗りには、モルタルと同様に「微弾性フィラー」を用いることが多くなります。また、仕上げの塗料にはアクリル系、ウレタン系、フッ素系、シリコン系が用いられますが、できるだけ防水性が高いものを選ぶのがよいでしょう。

【4.タイル】
基本的には、塗装の必要はありません。ただし、タイルの一部にもしクラックや剥がれが発生したら、早めに貼り替えなどのメンテナンスを行いましょう。

外壁の種類で、外壁塗装の費用はどのくらい変わる?

ここでは、外壁材ごとの外壁メンテナンス費用についてご紹介します。なお、ここでの価格には足場・諸経費等の費用は含んでいません。

【1.窯業系サイディングの塗装費用】
塗料の塗り替え、コーキングの打ち替えなどの作業が主になります。メンテナンス期間の目安が7~8年と短めになるため、工程が増えると費用がかさむ場合があります。

・費用:1㎡あたり3,000円~15,000円

【2.金属系サイディングの塗装費用】
表面が薄い素材のため傷がつきやすくサビに弱いため、約10~15年で表面の塗り替えが必要になる場合があります。

・費用:1㎡あたり4,000円~8,000円

【3.モルタルの塗装費用】
モルタル材はひび割れを起こしやすいため、約8~10年でメンテナンスが必要になることが一般的です。

・費用:1㎡あたり2,000円~7,000円

【4.ALCの塗装費用】
吸水性が高く耐候性が低いため、塗装は約8~10年で塗り替えの必要が出てきます。

・費用:1㎡あたり7,500円~20,000円

まとめ

こちらの記事では、外壁材ごとの塗装方法や、塗装にかかる費用の目安についてご紹介しました。塗装に用いる塗料にはさまざまな種類がありますが、外壁材と塗料の相性もありますので、塗装業者とよく相談して塗料の選定をするとよいでしょう。外壁の種類もさまざまですが、塗料の種類やグレードも多彩にわたるため迷ってしまうかもしれませんね。費用の検討はもちろんのこと、好みやライフスタイルなども考慮しながら、納得のいく外壁塗装につなげましょう。

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