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 壁から突き出るような階段の段板です。建築の用語では「片持ち」と言います。それぞれの段ごとに突き出しを作り、隙間を設けることで目線が通り、開放的な空間が生まれます。この階段は1枚の四角い板ではなく、手前を斜めにカットした形してより目線が通りやすい形状にし、そのコンクリートに玄関の床と同じロールカーペットを巻き込み踏み板のデザインにしました。
 コンクリートでこの階段を作るのはとても大変で、工事いただいた建設会社の技術の高さが求められる作業です。施工上で技術力が求められるのは、一つは階段の付け根の壁が斜めに傾いている点、もう一つは前述の階段形状に合わせて鉄筋を配筋し、型枠を1段1段作り、水平を保ったままコンクリートを流し込むという施工作業です。我々建築家がつくる建築物はハウスメーカーのようにあらかじめ工場で量産された部材を現場で組み立てて行く作業ではなく、1つ1つ手作りで作り、そのプロセスや人の手作業の積み重ねが空間全体に集積されて、量産品では味わえない「質」が味わえるのです。この階段もコンクリートを流し込む際に型枠の傾きや圧力による変形を現場で修正しながら、丁寧に造られたものです。

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モリモトアトリエは、神宮の杜近くにある一級建築士事務所です。「ものづくり」の原点を大切にし、一つ一つの建築を丁寧に設計しています。敷地の持つ自然の力を活用しなが…