
多様化する賃貸ニーズへの対応 ペット可物件の運用リスクとポイントとは?
犬や猫を室内で飼いたい方は年々増えている状況です。今後、ペット可物件は増えると予想されていますが、この「ペット可」の物件を運営していくうえで、オーナーは何に注意するべきなのでしょうか。
そこで今回は、ペット可物件の運営リスクと、その対策についてお伝えします。
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ペット可の物件を運営するリスク
ペット可の物件を運営する上でのリスクには、どんなものがあるのでしょうか?
● 原状回復費用が高額になりやすい
やはり一番のリスクは、原状回復費用が高額になりやすい点でしょう。物件の床や柱、壁紙に、引っかき傷や汚れが付きやすいからです。
また、バルコニーの排水溝には、ペットの毛が詰まりやすく、お風呂でブラッシングをしたり、体を洗ったりするとお風呂の配管も詰まりやすくなります。
壁紙にはペットの臭いが付きやすく、一度付いた臭いは、清掃だけではなかなか落とせません。
あまりに劣化がひどいと床や柱の補修が必要になり、最悪の場合は床の張り替え工事などが必要です。壁紙も傷や臭いが著しいと、すべて張り替えることになるでしょう。
● 近隣とのトラブルやクレーム
犬や猫の鳴き声は隣戸にも響きます。マンションはRC(鉄筋コンクリート)造が主流ですので、戸境壁はコンクリートですがそれでも鳴き声は響きます。木造アパートであれば、なおさら響くでしょう。
入居者の中には、鳴き声だけではなくペットの臭いに敏感な方もいます。エントランスや外部廊下、特にエレベーターは密室空間なので、どうしても臭いがこもってしまいます。さらには、ペットに対してアレルギー体質の方もいます。
「ペット可」の物件であっても、入居者のペットの飼い方によっては、近隣住民とのトラブルのもとになります。そのクレームは管理会社を通じて、所有者にまで飛び火するケースもあります。
ペット可の物件運営での対策
こうしたリスクには、いったいどのように対処するべきなのでしょうか
● ペットの種類を制限
一般的にペットといえば犬や猫になりますが、その他にもウサギ、子ザル、爬虫類など、意外と種類は多いものです。
ペット可物件の入居者の中には、「動物はあまり好きではないけれども、探しているエリアにはペット可の物件しかなかった」という方もいます。そんな方々が想定しているペットは、一般的に犬や猫などでしょう。ですので、少しでもトラブルを回避するためには、ペットの種類を制限しておくことを勧めます。
● ペットの大きさ、個体数を制限
ペットの大きさや個体数も大きな問題です。エレベーターに同乗する犬がチワワなのか、ゴールデン・レトリバーなのかでは、動物嫌いの方の心象は大きく違います。
動物の大きさも制限しておくと良いでしょう。「成犬時の体長が、頭から尻尾まで○○センチメートルが目安」などと定めるとともに、種類もある程度ピックアップしておくのです。
さらに個体数も「2匹まで」などと定めておきましょう。入居者の中に小型犬を10匹も飼うような人がいると、鳴き声のトラブルや、共用部分で動物嫌いの方に出会った時のトラブルリスクは格段に高まります。価値観には個人差があるのです。入居者の「モラルに任せる」というスタンスは危険です。
● 原状回復の条件を厳格に
上述したように、ペット可物件は原状回復費用が高額になるケースがあります。退去時の補修費用が、通常よりも高くなる可能性があるので、「敷金0円」は避けたほうが賢明です。
また、退去時の原状回復工事の要件を明確にしておきましょう。退去時に無条件に壁紙の張り替えを行う念書を作成し、入居者と取り交わすオーナーもいるくらいです。
● 家賃設定は少し高めに
今、運営している物件を、入居率を上げるために突然ペット可物件にしても、ペットを飼う準備が整っていない物件になってしまいます。物件内での取り決めや設備など、ペットを飼う方への配慮が必要になってきます。
例えば、ゴミ置き場は外部に臭いが漏れないよう防臭性、気密性を高めたり、ペットの足洗い場を設けたりすることです。ペットを飼いたい方の入居率を高めるのはもちろん、動物が嫌いな人でもペット対策をすることによって退去率を下げられます。
まとめ
まだまだ日本では、ペットの飼育が前提で建築される物件は少ないです。設備や取り決めが何もなく、単純に「ペットの飼育可」とだけ提示している物件もあります。しかし、それらの物件はペットに対する配慮が欠けているため、どうしてもトラブルが起きやすくなってしまうのです。
冒頭で指摘したように、今後「ペット可」物件が増えれば、飼育に配慮した物件も数多く登場して、ペットを飼う人にも飼わない人にも、支持されるようになるのではないのでしょうか。
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