
太陽光発電を設置したせいで雨漏り?施工業者によるコーキングの重要性
環境に優しいエネルギーとして注目されている太陽光発電。しかし太陽光発電を設置したせいで雨漏りするようになったという事例がいくつか報告されています。これは業者による「コーキング」という作業の甘さが原因です。そこで今回は、太陽光発電におけるコーキングの重要性を説明します。設置業者を選ぶ際の参考にしてください。
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太陽光発電の設置では屋根にたくさん穴を開ける?
太陽光発電を既存の屋根に設置する場合、一般的には屋根に直接金具を取り付けて設置します。金具を屋根に設置するためには、そのための穴が必要です。パネルの種類にもよりますが、1枚のパネルを取り付けるのに金具が2~4つほど必要で、さらにその金具を屋根に取り付けるのに4~10個ほどの穴を開けなければなりません。つまり1枚のパネルを設置するためにかなりの穴が必要で、場合によっては屋根に100個以上の穴を開けることになります。
金具を固定するためのネジ穴はさほど大きくないですが、それでも屋根に穴を開けることは変わりません。さらに太陽光発電をしっかりと設置するためには、屋根のもっとも下にある垂木と野地板にネジが達していなければなりません。そのため屋根材はもちろん、防水シートにも穴が開きます。
このように屋根にたくさんの穴を開けなければならないことは、太陽光発電の設置において大きなリスクの1つです。
雨漏りをしないためには「コーキング」が重要
前述したように太陽光の設置では、屋根に多くの穴を開けます。こうしたことから、太陽光発電設置のトラブルで多いものが「雨漏り」です。公益財団法人住宅リフォーム・紛争開発センターの調査によると、太陽光発電の設置が一般的になってから、雨漏り被害の相談が3倍以上に増えているそうです。
太陽光発電の設置ではこうした雨漏りを防ぐために、設置業者による「コーキング」がおこなわれます。
【コーキングとは?】
コーキングとはコーキング剤と呼ばれる樹脂を使って、隙間を埋めていく処理のことです。太陽光発電では屋根に開けた穴の隙間を埋めるために使用されますが、外壁塗装での密閉やひび割れの補修などにも使用されます。
基本的には空けた穴にコーキング剤を注入するためのノズルを挿入し、そこからコーキング剤を注入していきます。太陽光発電の場合、ビスと金具の隙間はもちろん、設置金具の周囲、屋根材と屋根材の間、屋根材とルーフィング剤の間など、少しでも隙間ができる場所にコーキング処理をします。
【コーキング処理が甘いと雨漏りが発生する】
太陽光発電の設置において雨漏りが発生する原因は、このコーキング処理が甘いためです。本来であれば徹底しておこなうはずのコーキング処理ですが、業者の認識が甘く安易な作業をしてしまうと、コーキングがしっかりされず、雨漏りが発生してしまいます。
またコーキング剤の寿命は太陽光発電に比べて短いため、コーキング剤の方が先に寿命が来てしまい、雨漏りにつながることもあります。基本的に雨漏りが起こった場合は施工業者に責任を問うことができますが、修理のためには太陽光発電を一時ストップしなければならないなど、さまざまなデメリットが生じます。
不安な場合は穴を開けずに設置する方法で対処
コーキングに不安がある場合には、穴を開けずに太陽光発電を設置する方法もあります。穴を開けずに済む金具や工法は各メーカー、施工業者で開発されており、こうしたものを使用することで雨漏りの心配を減らすことが可能です。
例えば「シンプル・レイ」という工法では、屋根に合わせて組んだ格子状の架台を、軒下に開けた穴を使って固定します。またこの工法ではパネルを乗せる架台が可動式になっており、サイズの違うパネルでも乗せられるため、将来違うタイプのパネルに付け替える際にも便利です。
太陽光発電を設置するための金具も、穴を開けずに済むものが出てきています。屋根材に穴を開けるのではなく、屋根材をつかんで設置する金具です。「つかむだけだと耐久性が心配」と思う方もいるかもしれませんが、雪の降る地域や風にも耐えられるような強度もきちんと備えています。
ただしこうした施工や金具の設置をおこなうためには、屋根そのものの強度が大切です。屋根が老朽化していて不安定な状態だと、こうした工法や金具の設置ができません。そのためまず屋根の葺き替えや塗装が必要になる場合があります。
またこうした金具や工法は基本的に穴を開ける設置よりも割高です。「雨漏りの心配がないから」と安易に穴を開けない工法を選ぶよりも、しっかりしたコーキングをおこなう業者を見つけた方が良い場合もあります。予算や屋根の状態を見極めて、穴を開ける工法と開けない工法、どちらが自分に向いているのかをきちんと判断しましょう。
まとめ
コーキングは雨漏りをしないために重要な役割を果たす作業です。雨漏りが心配であれば、コーキングをしっかりおこなってくれる業者を探しましょう。また屋根に穴を開けずに設置できる場合もあります。どちらにしても信頼できる業者を探し、依頼することが重要です。
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