太陽光発電をスレート系の屋根に設置する!気を付けるのはどんなこと?
太陽光発電を導入する際は、屋根の形状や設置する方角などに注目しがちですが、実は屋根材によっても施工方法に若干の違いが生まれます。今回は屋根材の中でも、もっともメジャーな素材といわれるスレート材に注目しました。スレート屋根の特性から、スレート系の屋根に太陽光発電を設置する際のメリット、注意点までたっぷり紹介します。
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「スレート」ってなに? スレート系屋根の特徴
「スレート」とは、粘板岩などを薄く伸ばした板のことで「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類があります。瓦に比べると軽量で加工がしやすく、ある程度の耐久性もあり、色やデザインも豊富なところが人気です。比較的安価である一方、定期的な塗装などのメンテナンスにコストがかかる一面があります。
【天然スレート】
天然スレートは本来の材料である粘板岩を原料とした屋根材です。自然な黒や艶があり、重厚感ある見た目になっています。中でも宮城県石巻市で作られている「雄勝スレート」は良質な天然スレートとして有名で、京都府庁旧本館や北海道庁旧本庁舎のほか、東京駅の屋根にも使用されています。
【化粧スレート】
化粧スレートはセメントと繊維を混ぜて加工した屋根材です。平らなものは「平板化粧スレート」、波型のものは「波板化粧スレート」と呼ばれます。さまざまなカラーバリエーションやデザインがあり、自分の好きなタイプを選びやすいのが特徴です。また平板化粧スレートはおもに一般住宅用、波板化粧スレートは工場や施設用として使用されます。
スレート材は強度こそ粘度系やセメント系、ガルバリウム鋼板などには劣るものの、機能面やコスト面を総合的に見ると非常に扱いやすい屋根材です。そのため多くの住宅で採用されています。
スレート系の屋根はソーラーパネルが設置しやすい!
スレート系の屋根は、比較的太陽光発電の設置に適している屋根材といわれます。その理由は「軽量であること」「施工性が高いこと」の2つです。
【理由1:軽量】
瓦などの重い屋根材の場合、その上にさらに太陽光パネルを乗せることで、耐震性に影響する場合があります。一般的に瓦屋根は1㎡あたりの重さが40~50kgといわれているのに対し、スレート系は約半分の25kgほどです。
このようにスレート系は瓦に比べると半分程度の重量しかないため、屋根全体の重量や耐震性をそれほど気にせずにパネルを乗せることができます。
【理由2:施工性の高さ】
スレート系の場合は基本的な設置方法が決まっており、どの工法でも問題なく施工をおこなうことができます。一般的な施工方法は以下のとおりです。
・架台の位置を決めて金具を配置
・スレートに下穴を開ける
・下穴の中へ防水用のブチルゴムを入れる
・アンカーを取り付ける
・フレームを取り付ける
・ケーブルを固定する
・パネルを設置する
施工費用も瓦屋根と比べると15~20%程度に抑えられ、比較的安価で済むのが大きなポイントです。こうした施工性の高さから、各社でおこなっている設置シミュレーションも、スレート系の屋根を標準としている場合が多いです。
定期メンテナンスが必要!スレート系の注意点
ある程度の耐久性があり、太陽光パネルを設置しやすいスレート系の屋根ですが、注意したい点もあります。おもに注意すべき2点を以下にまとめました。
【注意点1】定期メンテナンスでは取り外しが必要
スレート系は退色や劣化によって10~15年程度で塗装が必要です。そのため塗り直そうと思ったタイミングで太陽光パネルを取り外さなければなりません。取り外しにも再度取り付ける工事にもそれなりの費用がかかってしまうため、太陽光発電設置の際には屋根の状態に注意するようにしましょう。業者の中にはあらかじめ屋根の状態を見て「先に塗装しておいた方が良い」と塗装工事を勧めてくれる場合もあります。
ただしスレート系の塗装自体は応急処置的なもので、耐用年数が近くなった屋根材を塗装しても、高い修繕効果は期待できません。そのため塗装ではなく葺き替えをおこなった方が良い場合もあります。目安として、築20年程度でこれまで塗り替えをおこなっていない場合は、塗装ではなく葺き替えを検討しましょう。
【注意点2】パネルを取り外す前に確認を
屋根のメンテナンスで太陽光パネルを取り外す際も、気を付けるべき点があります。それは、パネルを取り外す前に本当にメンテナンスが必要かを確認することです。
太陽光パネル搭載によって日差しで屋根が遮られている部分は、日に当たっている部分に比べると劣化が少ない場合があります。「パネルを取り外してみたら思ったより劣化していなかった」というケースも充分考えられるので、再塗装の時期に差し掛かってきたら、取り外す前に屋根の状態を見てもらうようにしましょう。
まとめ
スレート系はバリエーション豊富で軽く、太陽光発電に最適な屋根材です。しかしその一方で、定期的なメンテナンスが必要などのデメリットも存在するため、常に屋根の状況を把握しておくことが大切です。場合によっては葺き替えが必要になることも覚えておきましょう。
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