
まるで本革!?〔le cocon〕がつくる◯◯製の純白バッグが凄い
真っ白で革のような風合いが特徴的なこのバッグ。なんと、ある材料だけでつくられたプロダクトなのです! 福祉事業所内で立ち上がったブランド〔le cocon〕による製品で、すべて手作業で行っています。今回は〔le cocon〕デザイナー・桃原章子さんに、美しい製品の秘密とものづくりのあり方についてうかがいました。
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福祉事業所から生まれた「繭」のようなバッグ
革のように味のある風合いですが、持つと羽のように軽く、声を上げて驚く人も少なくないのだとか。上品な表情が際立つ純白のバッグ。
ある材料を開いてよく揉み、縫製しています。これらの工程をすべて手作業で行っているのは、沖縄県那覇市の〔le cocon(ル・ココン)〕。障がい者の就労を支援する事業所から生まれたブランドで、デザイナーの桃原章子さんと福祉事業所や特別支援学級に通う方々が日々製作に取り組んでいます。
すべての製品に見られる革のシボのような表面のシワ。そのテクスチャーが蚕の繭にも見えたため、フランス語で繭を意味する〔le cocon〕と名付けられました。また、「福祉事業所で頑張る皆さんが、羽ばたく瞬間に向かって成長していく蚕の様子と重なった」という由来や、「いつの日か繭(殻)を破って社会へ出ていく背中をそっと押したい」という願いも込められているそうです。
世界にひとつの引き算デザイン
〔le cocon〕のバッグは極めてシンプルな見た目をしています。真っ白なボディに、あっさりとしていて落ち着く輪郭。外側にポケットなどはついていませんが、マチがありしっかり物が入る大きさがあります。〔le cocon〕デザイナーの桃原さんはこれを「引き算で成り立つデザイン」と称しています。どんなファッションに持っても違和感のない、今まであるようでなかったデザインです。
ある材料を使って手作業で作るため、同じものがふたつとないという点もすてきなポイントですね。
色とりどりな裏地がキュート
このバックの裏面で何の材料かわかるかもしれません。実は、紙パックを使って作られているのです。地元で販売されているローカルな飲料品の紙パックを利用しており、ひとつひとつが微妙に違う柄となっています。
特徴的なのは、紙パックの容量が「1,000ml」ではなく「946ml(4分の1ガロン)」である点。米軍統治下だったころの名残で、沖縄の紙パック飲料の多くはガロン単位での販売となっています。さりげないながらも、沖縄らしさを感じます。
そんな裏地を見て思わず「かわいい!」とつぶやいてしまった方にはこちら。柄のある面を表にしてつくった製品も販売されています。
使う人もつくる人も幸せであること
そんな〔le cocon〕がプロダクトの開発時に気を配っているのが「デザインすべてに尊敬の念を持って向き合うこと」なのだそうです。デザインの二次利用になってしまわないように、慎重にそして丁寧につくりあげられてきたプロダクトなのです。
使用する紙パックひとつひとつに関して商標使用許可をとった上で製作するなど、〔le cocon〕に関わるすべての方々へ敬意がこめられています。紙パックという身近なアイテムを活用した〔le cocon〕の製品ですが、安易にデザインを真似た類似品が出回ってしまうと価格破壊にもつながるという懸念も。福祉事業所での取り組みは、知的財産が保障されづらいという難しい課題があります。
だからこそ、他デザインへ最大の敬意を払いながらプロジェクトは進んでいきます。
こうして世に生み出されていく〔le cocon〕の製品。はじめは耐久性の弱さなどに悩まされた時期もありましたが、今では丈夫に進化しました。
また、有料にて修理のサービスも行っており、持ち手と角の補強は1,500円、持ち手のみでは1,000円で行えます。長く使うことで「使う人もつくる人もしあわせ」なものづくりの循環が生まれています。
東京でも購入も可能
沖縄で製作されている〔le cocon〕のプロダクトですが、東京のギャラリー〔Gallery Hasu no hana〕でも取り扱いがあります。年に一度、企画展として〔le cocon〕の販売とお直しの受付を開催。その際、ギャラリーとのコラボやお客様からのカスタムオーダーから、新商品が生まれることも。毎回目が離せないイベントです。(期間外でもサンプルから注文・購入も可能です。)
また、遠方の方は〔le cocon〕代表メールアドレス(末尾に記載)への連絡で、通販および郵送でのお直しも可能です。
毎日に優しく寄り添う〔le cocon〕プロダクト
〔le cocon〕で紡がれた繭により、少しずつ世の中が明るく変わり始めています。プロダクトのやわらかな白は、まるで天使の羽のようにも見えます。見ているだけで優しい気持ちになれる、〔le cocon〕のプロダクト。忙しい日々のかたわらに、そっと携えてみませんか?
また、〔le cocon〕は文庫カバーやペンケースなど、ステーショナリー類も充実しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
※記事内の写真は沖縄写真デザイン工芸学校のご協力のもと撮影されています。
【店舗情報】
〔le cocon〕
●メールアドレス lecocon.okinawa@gmail.com
〔Gallery Hasu no hana〕
●住所 〒146-0091 東京都大田区 鵜の木1-11-7
●電話 03-3759-8470
●営業時間 展覧会の時間により異なります。詳しくは公式サイトをご覧ください
●定休日 木曜日
●URL http://www.hasunohana.net/
●Facebook:https://www.facebook.com/lecocon.okinawa/
●Instagram:https://www.instagram.com/lecocon_okinawa.1224/
●メールアドレス hasucafe@sw.sub.jp
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