
確定申告前にチェック!マンションの売却では青色申告できないワケとは
不動産を売却して利益を得た場合、その売却益は所得として確定申告が必要です。確定申告には白色申告と青色申告の2種類があり、後者の方が税制面でお得です。しかし残念ながら、マンションを売って得た利益の場合は青色申告を利用することができません。そもそも青色申告とはどういうものなのか、なぜマンションの売却益に対しては青色申告ができないのかをご説明します。
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複雑な分メリットがたくさん! 青色申告とは
毎年2月16日から3月15日にかけて、確定申告が行われます。確定申告の方法には白色申告と青色申告があり、青色申告は手続きがやや複雑な分、さまざまなメリットを享受できるようになっています。
青色申告の主な特徴は次の通りです。
【100,000円または650,000円の控除を受けられる】
白色申告では特に税制上のメリットがないのに対して、青色申告をすると100,000円、または650,000円の控除を受けることが可能です。どちらの控除を受けられるかは、記帳方法に依拠します。単式簿記の場合は100,000円の控除を、複式簿記で帳簿をつけ、損益計算書及び貸借対照表を提出した場合は650,000円の控除を受けることができるのです。
【赤字を繰り越すことができる】
青色申告を利用すると、赤字が出ても最大3年間繰り越せます。そのため、仮に事業を興した直後で黒字を出せなかったとしても、将来かかる税金の額を抑えることができるのです。
【家族への給与を経費にすることが可能】
青色申告では、「青色事業専従者給与」として、家族分の給与を経費として計上することが可能です。一方、白色申告ではあらかじめ給与額が定められており、配偶者に対しては860,000円、配偶者以外の親族に対しては500,000円が控除されます。
【貸倒引当金を経費として計上できる】
事業者にとって重要な貸倒引当金を経費として計上できるのも、青色申告のメリットの1つです。貸倒引当金とは、掛け売りをする際、貸倒れによる損失に備えて積み立てておくお金を指します。
白色申告でも経費として扱うことは可能ですが、「取引先に支払い能力がないことが判明している」など、貸倒れがほとんど確定しているシチュエーションに限定されています。
【減価償却の特例を受けられる】
本来、100,000円以上の備品(パソコンや車両など)は、耐用年数で購入価格を割り、数年分の経費に分ける「減価償却」を行います。しかし青色申告をしていると、取得価格が300,000円未満のものについては、一括でその年の経費として計上することができるのです。
そのため、「今年は予想以上に稼いだ」と年末に高額な機器を購入したとしても、普通の減価償却ではわずかな額しか経費扱いにすることができないのに対して、この特例の恩恵にあずかれば全額を経費とすることができます。
【事前に届け出が必要】
このように数々のメリットがある青色申告ですが、思い立ってすぐにできるものではありません。申告するには事前に「開業届」と「青色申告承認申請書」の届け出が必要です。
提出期限があらかじめ定められている上、新規開業する場合と、既に開業していて白色申告から青色申告へ移行する場合で期限が異なるため、注意が必要です。
マンションの売却で青色申告できない理由とは?
青色申告の対象となるのは、所得のうち以下の3種類です。
・不動産所得(土地や建物といった不動産、借地権などを他人に貸し付けて得た所得)
・事業所得(農業や漁業、製造業、サービス業などの事業から得た所得)
・山林所得(山林を伐採した木材、または立木を他人に譲渡して得た所得)
しかし、マンションを売却して手に入れた所得は「譲渡所得」(土地や建物、ゴルフ会員権といった資産を他人に譲り渡すことによって得た所得)に該当するため、青色申告の対象から外れてしまうのです。したがって、普段青色申告をしている人でも、マンションを売却した場合には、売却益について改めて白色申告を行う必要があります。
なお、譲渡所得とマンションの売却額は異なります。売却額は会計上売上という扱いになるため、所得ではなく収入とみなされます。所得は「収入-経費」で表されることから、譲渡所得の場合は「譲渡価額-取得費(不動産の購入額)-譲渡費用=譲渡所得」と計算することが可能です。
青色申告をすることができないとはいえ、節税の手段が全くないかというと答えはNOです。その1つが「損益通算」です。居住用の不動産を売って譲渡損失が出た場合、その他の所得から損益を差し引き、課税所得を抑えることができます。
しかし、この措置は居住用の不動産のみです。アパートやマンションの大家として貸していた不動産や事業用の不動産を売って損失が出た場合は、損益通算をすることができないので注意してください。
まとめ
「青色申告で節税しようと考えていたのに、マンションを売ったときには使えないなんて!」と驚かれる方も少なくないかもしれません。ただし、居住用のマンションを売却した場合は、条件に応じて減税することもできます。申告の前にしっかりと確認してみるといいでしょう。
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