庭を楽しむ和モダンの家-古い平屋のリノベーション-
親子2人と犬2匹が暮らす築40年の木造平屋建て住宅をリノベーションした。
建物は年数を重ねていたが、深い軒と様々な樹種が植えられ綺麗に手入れされた庭が印象的だったためこの家がもともと持っていたポテンシャルを最大限に引き出し、かつ、住み手のライフスタイルに合った計画を目指した。
屋根と構造体以外は老朽化が進行していたため、それらを残し内外装全ての更新をおこなった。
間取りは、北側に位置し薄暗くて寒かったキッチンとダイニングを家の中央に配置し、そこから各スペースを展開させることでそれぞれの空間がきちんと機能し、今までは持て余していたデッドスペースも有効的に使えるよう再編集した。また、パブリックなスペースを中央にとることで、平屋特有の長い廊下がなくなり、面積の有効利用にもなっている。
外に対して水平方向の伸びやかな抜けをとるため、あえて天井を少し下げ、軒天井と高さを揃えている。同様に庭との間に設えた濡縁により、床面が軒先まで続いているような錯覚をもたらし、庭との距離感を縮めている。
外壁は、グレーに染色した杉板を張り、経年変化を楽しめる素材を使った。内壁には、門柱で使われている大谷石を部分的に張り、仕上げのアクセントとしている。
季節や日々の移ろいを感じながら、ゆったりとした時間の流れる大らかな家ができたと思う。
主要用途: 住宅
設計:株式会社AIDAHO
施工: AIDAHO工務店
所在: 埼玉県深谷市
延床面積: 105.58㎡
竣工:2015年11月
写真: 本多康司/本多康司写真事務所
aidaho