"漆喰の壁に外壁塗装したい。かかる費用や気をつけたいポイント・注意点は? "

環境保護の観点や自然派ブームなどから、近年になり再び注目されているのが「漆喰」の塗り壁です。日本古来の天然原料を多く用いた塗り壁材で、廃材も土に還ることからエコ素材としても人気となっています。こちらの記事では、漆喰の壁を外壁塗装でリフォームする際の費用や注意点についてご紹介します。

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まずは、漆喰の壁の特徴・種類を知ろう

冒頭でも少しご紹介した通り、漆喰とは日本の建築物に古くから用いられてきた塗り壁材の1つです。消石灰を主原料とし、海藻の一種や砂・刻んだ麻などを混ぜ水で練り合わせて作られています。外壁材のほか、室内の塗り壁や瓦の接着や目地部分の充填剤としても用いられてきた、いわば「万能建材」といえるでしょう。「天然原料」「純国内産の塗料」というイメージから、貴重で高価なものと勘違いされやすいのですが、漆喰そのものは塗装剤としては比較的安価な部類に入ります。

ただし、旧来の左官工事によって塗られるため塗装工事には一定の技量を必要とし、腕のよい職人さんの力が不可欠となります。また、乾燥に時間がかかるなどの理由で工期を要する塗り壁材でもあります。漆喰の長所は先にも述べた「土に還る」という点のほか、曲面などにも塗装しやすい点や断熱性・防火性能などが高い点が挙げられます。また、レトロでナチュラル感のある外観に魅力を感じるという方も多く、根強く人気のある素材です。

漆喰にはさまざまな種類があり、日本で用いられてきた漆喰に限定しても3つのバリエーションがあります。最も一般的な「和漆喰」のほか、「土佐漆喰」「琉球漆喰」があります。これらの違いは、消石灰以外の原料が細かく異なっている点です。また、現在では従来の和漆喰に合成樹脂などを加えた「既調合漆喰」や、外観・機能性などが漆喰と共通した現代塗料である「漆喰風外壁塗料」も選べます。和漆喰と原料・製法がよく似た外国産の外壁材として「フランス漆喰」「イタリア漆喰」「スペイン漆喰」などもあります。

漆喰の壁に外壁塗装したら、費用はいくら?

漆喰の壁をメンテナンスする時期の目安は、「約15年」といわれています。漆喰の外壁で家を新築した場合、15年経過したら補修を検討するのが標準的といえるでしょう。もし「漆喰の外壁を、漆喰で塗り直す」なら、その場合の費用は「1㎡あたり4,500円」が目安とされています。延べ坪30坪の住宅の外壁を120㎡と計算した場合、

・漆喰壁の塗り直し:4,500円/㎡×120=540,000円

となります。これは塗り壁作業だけでなく、足場の設置や養生など下処理などもすべて含んだ費用の目安となります。

漆喰の壁面に、現代の外壁塗料で塗装を施したい場合は「カチオン系アクリル樹脂系非水分散形塗料」という特殊な外壁塗料を用いる必要があります。一般的な外壁塗料をそのまま漆喰の上から塗ってしまうと、1年か2年で剥がれてしまうといわれていますので、注意が必要です。漆喰壁に外壁塗料を塗る場合の費用の目安は、以下の通りとなります。

・漆喰用外壁塗料による外壁塗装:3,250/㎡×120=390,000円

内訳は、足場設置600円/㎡、高圧洗浄200円/㎡、養生300円/㎡、下塗り600円/㎡、塗料2度塗りで1,550円/㎡となります。なお、壁面に傷みなどがあり補修が必要な場合は、その費用も加算されることになります。

漆喰の壁への外壁塗装で注意したい点

ここでは、漆喰の外壁を塗装する場合に気をつけたい点についてご紹介します。

【1.漆喰仕上げのバリエーションはさまざま。仕上がり次第で価格も変わる】
漆喰には、それ自体に色が入っている製品などがありますし、左官工事の種類(平らにならすか、凸凹仕上げにするか、模様が出るように塗って仕上げるか)によっても費用が変わってきます。特に複雑な模様仕上げなどを希望すると、施工費用が高くなる可能性があります。また、漆喰そのものはそれほど高価な外壁材ではありませんが、左官工事には一定の技量と経験が必要です。全体的な費用は一般的な外壁塗装と比較して若干高めになる傾向があります。

【2.工期は通常の外壁塗装よりも長くなる】
漆喰は、施工時の乾燥に時間がかかる塗り壁材です。また、一般の外壁塗装と同様、雨の日の施工には適していません。そのため、工期は通常の外壁塗装と比較すると長くなる傾向があります。梅雨時など天候のすぐれない時期の施工には慎重になる必要があるでしょう。

【3.表面のひび割れが起こりやすい】
漆喰そのものはとても丈夫な外壁材なのですが、表面のひび割れを起こしやすいというデメリットもあります。傷もつきやすいため、ひび割れや傷を見つけたらこまめに手入れをする必要があるでしょう。

気をつけるポイントはいくつかありますが、漆喰は二酸化炭素を吸収することによって強度を増す特性があるため、きっちりと手入れを行っていれば耐久性は100年を超えるといわれています。古民家や寺社・仏閣が何十年経っても堅牢な状態を保っていられるのは、漆喰の耐久性によるところも大きいのかもしれません。味わいがあり機能的でもある漆喰の壁を長持ちさせるには、しっかりとしたメンテナンスも大切になってくるのです。

まとめ

こちらの記事では、漆喰の外壁を塗装する際の費用や、漆喰壁をリフォームする際の注意点についてご紹介しました。年月を経るごとに味わいを増していく漆喰の壁ですが、適切なメンテナンスを行ってこそ長持ちさせられるものです。施工業者とみっちり相談し、寿命を縮めないよう正しいお手入れ方法を守りながら、末永く漆喰の外壁と付き合っていきましょう。

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