「黄ニラ」の育て方|簡単楽しい家庭菜園

畑に植えてある緑色のニラと高級食材の黄ニラ。じつはどちらも同じものです。光を遮断して軟白栽培すれば黄ニラができると聞き、さっそく庭のプランターで栽培したところ2週間で収穫できました。高級食材を自分で育てて食べる醍醐味を味わってみませんか。

本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています

  • 218
  • 0
  • 0
  • いいね
  • クリップ

畑に植えてある緑色のニラと高級食材の黄ニラ。じつはどちらも同じものです。光を遮断して軟白栽培すれば黄ニラができると聞き、さっそく庭のプランターで栽培したところ2週間で収穫できました。高級食材を自分で育てて食べる醍醐味を味わってみませんか。

シャキシャキの食感に!

監修:毛呂陽子さん

もろようこ●菜園歴25年。滋賀県にある300m2の畑で有機・無農薬で野菜づくりを楽しんでいるベテラン菜園家。研究熱心でさまざまな栽培方法を試しながら、おいしくて安全な野菜づくりを目指している。夫の健一さんが支柱立てや堆肥のすき込みなどの作業やボカシ肥料づくり、栽培の記録写真などで陽子さんの家庭菜園をサポートしてくれている。

1.畑のニラをプランターに移植する

なるべく立派なニラを選んで植え替える

今回ニラの軟白栽培を始めたのは真夏でしたが、例年と違い、最高気温が27度の日が続く気温が低めの日々でした。それがよかったのか、順調に生長。わずか2週間で黄ニラの収穫ができました。
畑で育っているニラをプランターに植え替えて育てるので、目が届きやすく、気軽にできると思います。
ニラはできれば、軸が太く、葉が幅広のもの、なるべく立派なものを選んで植え替えましょう。軟白栽培したときに、生長の勢いや育ち具合に差が出てくるからです。◆コンパニオンプランツのニラを活用する
私の畑ではコンパニオンプランツとして、トマトやナスなど夏野菜の根に絡ませるようにニラも一緒に植えつけています。夏野菜が終わる頃、ニラの軸は太く、葉も幅広に生長しています。立派に育ったコンパニオンプランツのニラを集めて、黄ニラ栽培に利用しました。

【01】ニラをていねいに掘り上げる
根を崩さないように注意しながら、畑のあちこちで育っているニラをていねいに掘り起こします。なるべく土も落とさないように気をつけます。

【02】植え替える
プランターの底に鉢底石代わりの砕いた発泡スチロールを敷き、バーク堆肥を少し混ぜた育苗土を入れ、ニラを植え替えます。1か所に6~7株ずつまとめて、3か所に植えつけ。

Point:水をたっぷり与えて2日間養生させる

ニラは比較的強い作物ですが、プランターに植え替えてすぐに軟白栽培にせず、屋外に置いて2日間養生させました。ちょうど小雨が降り続いていましたので、水やりもしませんでした。天気がいい日の場合は、水をたっぷり与えてから養生させるといいと思います。保湿効果もあるので、土が見えないくらいもみ殻を敷いておくといいでしょう。軟白栽培中に観察したところ、ビニールの内側は常に湿気を帯びていて水滴がついていましたので、栽培中の水やりは一切不要でした。

2.遮光して育てる

1日4cmも生長する真っ白いニラ

光を遮って育ててみると、その生長のスピードに驚きました。2日後には6cm、6日間で26cm伸びていました。なんと1日平均4cmの生長です。
軟白栽培中に少しでも日が当たると葉が白くならないので、気を使いました。プランターもなるべく光が当たらない日陰になる場所に置きます。
ちゃんと白い芽が出ているか心配なら、栽培を始めて2日後くらいにそっとのぞいてみてください。もし芽が緑色だったら、遮光が不十分ということです。ビニール袋を1枚増やすなど、遮光を強化して対処しましょう。
水滴と湿気があるので水やりは不要でしたが、栽培中の土の状態はチェックして必要に応じて水やりしてください。【01】地際から3~4cm残してカットする
植え替えから3日目。養生していたニラの軟白栽培スタートです。地際から3~4cm残して、ハサミでカットします。切った葉はもちろんおいしくいただきます。

【02】黒いビニール袋を3重にしてかぶせる.
弾性ポールでトンネルにし、完全に光を遮断するため、黒いビニール袋を3重にかぶせました。「特厚」タイプで厚さ0.05mm、大きさ80×90cmのものを使っています。

【03】涼しいところに置く
暑い時期なので地面からの照り返しの熱を避けられ、通気性もよくなるよう、花台の上にプランターを載せ、涼しい軒下に置きました。

【04】遮光から2日後
気になって様子をのぞいてみたら、薄い黄緑色の新芽が10cmほど伸びていました。透明感とツヤがある感じの芽です。ビニール内部は水滴がついていて湿気も十分。

【05】遮光から11日後
薄く白い葉はひょろひょろと伸び、収穫間近。6日目に両端に支柱を立ててヒモを張りました。葉が倒れないようにニラとニラの間を洗濯バサミで留めています。

Point:遮光が不十分だと失敗する
黄ニラの成功のカギは徹底的な日光の遮断です。写真のようにやってみたときは遮光が不十分だったのか、2日後、緑色の芽が出ていました。あわててビニールを2重から3重にする対策をしたら、白くなってホッとしました。

同じ形の白い植木鉢を上に載せ、黒ビニールを2重にかぶせて栽培。

2日後、出ている芽が緑色だったので、上の植木鉢をはずして黒ビニールを3重に変更。

3.収穫してから天日干しする

収穫後の天日干しで黄ニラが完成する

軟白栽培を始めてから14日目に収穫をすることにしました。覆っていたビニールをはずすと草丈は30cmを超えていました。地際から3~4cm残してハサミでカットしました。
でも、まだこの時点では黄ニラではありません。軟白栽培した白いニラを収穫後、3時間くらい天日干しをすることで黄ニラが完成するそうです。白いニラを日に当てることで黄色が鮮明になり、美しい黄ニラになります。曇りの日に干したり、長時間日に当てると緑色になってしまうそうなので、天日干しは晴れた日に様子を見ながら3時間程度にしておきましょう。

ザルに載せて天日干しすること3時間。収穫時よりも黄色みが増した黄ニラがようやく完成です。
買うと高価な高級食材が庭先のプランターで、たった2週間でできました。8月のチャレンジだったのでこのスピードで収穫までできましたが、寒い時期にやる場合は収穫までに30~40日程度かかるかもしれません。

栽培してみてわかったのは、黄ニラ栽培で大事なのは、太くて丈夫なニラを用意することです。遮光して育てている間、太陽なしで土からの栄養分だけで生長するので、細く弱々しい株からは細い黄ニラにしかならないからです。【01】遮光してから14日目に収穫
真っ白!遮光のビニールをはずしたばかりのとき、ニラの葉は真っ白でした。ハサミで地際から3~4cmのところをカットして1か所分ずつ輪ゴムで束ねて、ザルに載せて天日干しにしました。

【02】3時間天日干しする
黄色くなった!黄色くなる変化を見たくて1時間ごとに写真を撮ってみましたが、劇的な変化は見られませんでした。でも、3時間後のニラは葉先が黄色くなり、「黄ニラ」に変身していました。

Point:暑い時期は蒸れに注意

暑い時期に軟白栽培をやる場合は、ビニール内部に熱がこもって蒸れやすいので注意が必要です。ビニールをかぶせていることで水滴もあり、葉先がとけてしまいました。伸びた葉が倒れてビニールに当たらないようにヒモを張って立たせるなどの工夫が必要です。
本場の黄ニラ栽培ではトンネルの中に専用の換気扇を設置しているそうですから、やはり蒸れは大敵なのでしょう。
黄ニラの旬は2月だそうです。これからチャレンジすれば蒸れずにやわらかい黄ニラがつくれるかもしれません。

栽培の終盤に最高気温34度の真夏日が続いたので、内部が蒸れて葉先がとけてしまった。

野菜作りにまつわる情報をもっと知りたい方におすすめ!

「野菜だより2021年11月号」では、今回紹介した野菜以外にもたくさんの家庭菜園の情報を、わかりやすく丁寧に紹介しております。

  • 218
  • 0
  • いいね
  • クリップ
コンテンツを違反報告する

あなたにおすすめ

関連キーワード

関連アイデア

カテゴリ

このアイデアを投稿したユーザー

ぬくもりは、ハンドメイド・手作り作品の作り方をご紹介するサイトです。子どもや初心者さん向けの簡単でかわいいものから、上級者向けのレシピまで取り揃えています。

ぬくもりさんの他のアイデア

ハンドメイドのデイリーランキング

おすすめのアイデア