家の傾きの修理で行われる「ジャッキアップ」とは?費用や注意点

「地盤沈下や地震によって長年住んでいる家が傾いてきた」「家の傾きのせいで身体に変調をきたしている」そんな悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか? 家の傾きを放置していると、傾きの度合いがひどくなったり、外壁に亀裂が入ったりして、大切な家を傷めてしまうかもしれません。今回は、家の傾きを直す過程で行われる「ジャッキアップ」について、費用や注意点などを解説していきましょう。

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ジャッキアップとは?

「ジャッキアップ」と聞くと、車の整備の際に車体を持ち上げることを思い浮かべる方も多いかもしれません。家の傾きの修理であるジャッキアップもこれと同様、家そのものを持ち上げることを指します。ジャッキアップを行い、家の傾斜を元に戻す工法はいくつかあります。ジャッキアップしない工法と比較してご紹介しましょう。

【アンダーピニング工法】
家の基礎部分の下にある土を掘り起こし、ジャッキの力を利用して、地盤に鋼鉄製の杭を打ち込み、家を支持する方法です。費用は高くかかりますが、万一、再液状化した場合でも高い効果があり、それだけ信用できる工法だと言えるでしょう。工期は1~2ヶ月ほどです。

【耐圧盤工法】
家の基礎部分の下にある土を掘り起こし、ジャッキを使って家を持ち上げるところまではアンダーピニング工法と同じですが、地盤とのすき間に無収縮グラウトを圧入する点が異なります。工期は2~5週間ほどです。軟弱な地盤では行うことが難しく、支持地盤が浅い建物の修復に適した工法だと言えます。

【プッシュアップ工法(あげ舞い工法)】
家の基礎の下ではなく、土台からジャッキアップし、すき間を無収縮モルタルで閉塞する方法です。工期が短いのが特徴で、2~3週間で完了します。ただし、アンダーピニング工法や耐圧盤工法には修正できる傾きに限度がないのに対し、プッシュアップ工法は10㎝程度が限界です。また、再沈下のリスクもあります。

【ジャッキアップをしない工法】
ジャッキアップをしない工法には、硬質ウレタン注入工法やグラウト注入工法があります。1階の床下に潜り込み、基礎の下にウレタン樹脂やセメント系液薬を注入して、基礎から家を持ち上げる方法です。これらはジャッキアップする必要がなく、工事の範囲も最小限で済むため、短期間でできるというメリットがあります。

ただし、注入量の調節が難しいため、うまく家の傾きが直るかどうかは未知数です。また、ウレタン樹脂はシロアリ被害に遭いやすく、再沈下のおそれがあることも知っておきましょう。

ジャッキアップを行う工事費用

ジャッキアップを用いた工法は、それぞれどれほどの費用がかかるのでしょうか。

建坪15~20坪、総2階建ての住宅をアンダーピニング工法によって水平にする場合、工事費用は6,000,000円〜10,000,000円です。耐圧盤工法なら、5,000,000円〜7,000,000円ほど必要となるでしょう。土台からジャッキアップするプッシュアップ工法は比較的安価で、2,000,000〜3,000,000円です。ジャッキアップをしない硬質ウレタン注入工法やグラウト注入工法よりも費用は高いですが、家の傾きを確実に直せることが期待できます。

なお、いずれもかなり費用に幅があるのは、家によって地盤の状態や必要な素材の量、工事に必要な人員数などが異なるためです。

工事の方法を決定する際、費用も大切な要素ですが、地盤と家の状態にあった方法を選ぶことが大切です。安さにつられて選んだ工法では、再び傾きが生じて後悔することになる、という可能性もあります。専門家の意見を仰ぎ、信頼できる業者に任せて、総合的に工法を決定することが大切です。

ジャッキアップをして家の傾きを直す際の注意点

ジャッキアップは、どのようなケースでも行えるわけではなく、施工条件があります。

たとえば、敷地にゆとりがなくジャッキを設置する場所がないケースや、建築面積の狭い3階建て住宅などの建物だと、ジャッキアップすると強風で倒れる可能性があり、安定性を欠くため、ジャッキアップできないことがあるでしょう。

先ほど挙げた硬質ウレタン注入工法、グラウト注入工法も適さない場合は、建物そのものを壊して建て替えるしか選択肢がありません。

また、アンダーピニング工法や耐圧盤工法で直すことができたとしても、不同沈下によって家そのものに歪みが生じている場合、家の修理も行う必要があるかもしれません。

家の傾きを直すには相当の費用がかかりますから、信頼できる業者に地盤と基礎の調査をしっかり行ってもらい、適した工法を慎重に見極めてもらいましょう。

まとめ

家の傾斜を直す過程で行われるジャッキアップについて解説しました。地中に杭や支えを下ろし、ジャッキアップを行う耐圧盤工法やアンダーピニング工法は、ミリ単位の修正も可能である信用できる工法だと言えるでしょう。専門家の意見を踏まえ、適切な工法を選んでください。

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