大人と遊ぶのが好きな小1の息子。友達関係はどのように学んでいく?

Q.小学校1年の男の子です。 友達との関わり方が幼く、家庭ではどのように伝えていけばいいのか悩んでいます。本人は大人と遊ぶ方が好きで、友達に目が向くようになったのは年長の時でした。そのせいか、今は友達と関わる時にちょっかいを出し、うまく輪に入れずトラブルになることが多いようです。さらに女の子の輪に入りたがることも多いようです。友達関係は、経験をもとに関わり方を学んでいくのかなと思いますが、家庭でも何かできることはありますか?

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Q.友達との関わり方が幼く、ちょっかいを出してばかりの小1の息子。どうしたらいい?

小学校1年の男の子です。 友達との関わり方が幼く、家庭ではどのように伝えていけばいいのか悩んでいます。

本人は大人と遊ぶ方が好きで、友達に目が向くようになったのは年長の時でした。

そのせいか、今は友達と関わる時にちょっかいを出し、うまく輪に入れずトラブルになることが多いようです。さらに女の子の輪に入りたがることも多いようです。

友達関係は、経験をもとに関わり方を学んでいくのかなと思いますが、家庭でも何かできることはありますか?

(ボーイズママ)

A.大人と遊ぶことが多くなった現代の子ども達

相談者さんの内容を読むと、入学前から大人と遊ぶことが多かったのではないかと思います。

保育園・幼稚園どちらの出身に関わらず、気になる調査結果があります。

ベネッセ教育総合研究所「第5回 幼児の生活アンケート」(2015)※によると、「平日、(幼稚園・保育園以外で)一緒に遊ぶ人」は、1995年から2015年までの20年間で「母親」が55.1%から86.0%と増加し、「友だち」は56.1%から28.8%と減少しています。

次のグラフはアンケート調査の「母親」と「友だち」だけを取り上げたものです。

(「第5回 幼児の生活アンケート」(2015)をもとに作成 )

出典:あんふぁんWeb

小学校というのはタイトな集団生活です。時間通りにカリキュラムに沿って進められます。また同じ年齢の子どもで構成されます。そのため同輩集団で群れた経験の少ない子は、その中でのふる舞い方を知らないし、経験していないのです。

保育園や幼稚園は大人の管理の中にあります。子どもの社会性が育つには、大人が適度に見守りつつ、子どもだけの世界が尊重されなくてはならないのです。つまり子どもは、対等な仲間集団で要求をぶつけ合い、それを調整する術を学ぶことが必要なのです。

こうした子どもだけの集団での経験を通して、他者との社会生活が営める社会的存在としての自我が育っていくのです。これはコロナ禍前の調査ですから、コロナ禍によって、子どもの社会性がもっと低くなっている可能性があります。

こうしたことから、相談者のお子さんのような例は特別ではないと考えています。

子ども同士のつき合い方を教える時代になったのではないか?

出典:あんふぁんWeb

こうした現代の子どもの問題を考えると、「子どもは自然と友達同士のつき合い方を学んでいくもの」という考えは常識ではなくなっているのではないかということです。

それでは、どのようにつき合い方を教えていったらいいのでしょうか。まずは、できるだけ友達の家に行く機会を作るようにしましょう。チラチラ横目で見ながら、子ども同士の関係性をよく観察しましょう。そして、気がついたことがあったら、子どもと一緒に対応を考えていくのです。その時に「こうすべきだよ!」という形で押しつけるのではなく、「こうしたらいいと思うけど、あなたはどう思う?」と、結論を自分で出させるようにさせることが大切です。

次に幼さですが、幼さを一番感じさせるのは言葉づかいです。言葉をハッキリ話せるようにしていくことが大切です。

また「ちょっかいを出してトラブルになる」ということから、言葉で伝える力が弱いのだと思います。言葉で伝える力が弱い子は、トラブルを起こしたり、暴力に訴える傾向があることが指摘されています。そのため言葉で伝える力を育てることが大切です。その力を育てるのは、なんといっても家庭での会話です。とにかく家庭での会話を増やす努力をしてください。

※「第5回 幼児の生活アンケート」2015 【ベネッセ教育総合研究所】

https://blog.benesse.ne.jp/bh/ja/news/m/2015/11/25/docs/20151125release.pdf

 

【新刊】

新刊「子どものココロが見えるユーモア詩の世界-親・保育者・教師のための子ども理解ガイド-」(ぎょうせい、1980円)発売中。

出典:あんふぁんWeb
出典:あんふぁんWeb
出典:あんふぁんWeb
出典:あんふぁんWeb

増田修治先生 

白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。

1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。

若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。

「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

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