60歳過ぎてからの働き方。アルバイトと会社員、どっちがお得ですか?

年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、60歳以降の働き方についてです。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。今回は、60歳以降の働き方についてです。

Q:60歳過ぎてからの働き方、アルバイトと会社員、どちらがお得

「60歳過ぎてからの働き方。アルバイトと会社員、どっちがお得ですかね? 毎月の厚生年金保険料が高いので、アルバイトのほうがお得では?」(59歳)

A:将来もらえる年金を増やしたいなら会社員がお得でしょう

厚生年金に加入するということは、つまり社会保険に加入することとなります。遺族厚生年金や障害厚生年金がもらえる、健康保険からの給付金である傷病手当金が受給できるといった保障の範囲が広がる、扶養している60歳未満の配偶者の国民年金保険料は払わなくてすむなどのメリットがあります。

その反面、厚生年金に加入することで、給与収入から厚生年金保険料が天引きされますので、厚生年金に加入しないでアルバイトで働いた場合と比べると手取り給与が少なくなります。

例えば、月額10万円の給与(標準報酬月額)の収入で厚生年金に加入した場合の保険料は、10万円×18.3%=1万8300円。この保険料を事業主と折半しますので、毎月9150円を負担することになります。この他に健康保険料として毎月約5704円(令和3年度・協会けんぽ東京都の保険料額表より)が天引きされます。あわせて雇用保険料も天引きされます。

1年間厚生年金に加入すると年間10万9800円(9150円×12カ月)厚生年金保険料を支払うことになりますが、1年間加入したことで、年間約6577円(10万円×5.481/1000×12カ月※本来水準で計算)多くもらえます。

65歳から老齢年金を受け取る場合、目安としておよそ82歳(10万9800円÷6577円≒16.69年)よりも長生きすると、負担した厚生年金保険料以上の年金が受け取れることになります。自分が何歳まで生きるのかは誰にもわかりません。お得かどうかは寿命によるのです。

例えば、厚生年金に加入しない働き方を選び、厚生年金保険料分を自動積立して一定の金額になったら、ネット銀行などの利率のいい銀行の定期預金に預けて、イザというときのお金を貯めていくという選択肢もあると思います。

厚生年金に加入することで将来もらえる年金は増えますが、現状の家計状況を踏まえて加入するかどうかを考えてみましょう。

監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

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