【東京メトロ銀座線のトリビア10選】偶然出合える?「レトロ」車両や「ぞろ目」車両ほか見どころ多数

日本で最初の地下鉄として1927年に浅草~上野間の開業で始まった東京メトロ銀座線は、100周年を前に駅のリニューアルを行っている。歴史的建造物も数多い銀座線の、知られざる一面をご紹介する。

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日本は言うまでもなく、東洋で最初の地下鉄として1927(昭和2)年に浅草~上野間(2.2km)の開業で始まった東京メトロ銀座線は、100周年を前に駅のリニューアルを行っている。

ここでは、歴史的建造物も数多い銀座線の知られざる一面をご紹介しよう。馴染みのある駅ナンバリングの順番に従って、G01の渋谷駅から浅草に向かう。

1. 新しくなった渋谷駅

長らく東急百貨店東横店の3階にあった渋谷駅は、デパートを含む周囲の再開発に伴い、明治通りを跨ぐ形で表参道寄りの130m移設され、2020年1月3日、新駅がオープンした。

特徴的なM字形の柱で覆われた斬新な屋根は「肋骨」みたいとの声もあり、人々の関心を呼んでいる。デザイン的には圧迫感がなく広々とした感じを与えるようにとの意図からこの形になったそうだ。

2. 渋谷駅の留置線

以前の渋谷駅は向かい合わせのホームで、降車用と乗車用のホームが別々だった。乗客を降ろした電車は一旦駅西にある高架線を進み、マークシティの3階にある留置線(車庫)で一休みした後に、乗車用ホームへと戻っていた。

新ホームは島式で乗降を分けることはなくなり、停車した電車は、そのまま浅草方面へ折り返していく。2番線にだけ、留置線へ向かう線路が延びているものの、一部の時間帯をのぞいて使われていない。

したがって、渋谷駅西口の南側から高架線を行きかう銀座線の姿を見ることは珍しい体験になってしまったといえる。

3. レトロ風車両

現在、銀座線を走る車両は1000系に統一されている。ただし、最終増備車の第39編成と第40編成は特別仕様車両として、開業当時の1000形の雰囲気を彷彿とさせる外観や車内とした。

真鍮色の手すり、旧式の吊り手など細かいところにこだわっているほか、イベント運転をするときには、かつて銀座線名物だったポイント通過時の室内灯一時消灯といった演出も可能としている。

普段は、一般の1000系に混じって運行しているので、偶然出合うこともあろう。

4. ぞろ目車両1111

1000系は6両編成で、第1編成の場合は、渋谷寄り1号車から、1101+1201+1301+1401+1501+1001という車両番号になる。第2編成の場合は、1102+1202+……と続く。ということは、第11編成の1号車は、1111とぞろ目の車両番号になるのだ。

この編成がどんな列車ダイヤで走るのかは、日によって異なるので、出合うのは偶然を期待するほかないけれど、たまたま遭遇すると嬉しくなるものだ。渋谷寄り先頭車なので、ほかの位置で待っていると見逃すことになろう。

5. かつては神宮前駅といった表参道駅

表参道駅は、1972年10月の千代田線開業までは神宮前駅と呼ばれていた。千代田線はJR(当時は国鉄)原宿駅に隣接する新駅を明治神宮前駅とした。そこで、明治神宮とは少し離れた位置にある神宮前駅を表参道駅に改めた。

当時、銀座線と千代田線の表参道駅は離れた位置にあり、乗り換え時には一旦地上に出て歩く必要があった。

1978年に半蔵門線が開業すると表参道駅は千代田線と交差する位置に新設され、同時に銀座線の駅も180m移動し、ようやく3つの路線の駅が統合されることになった。

渋谷方面にあるB1、B2出入口が地下で長い通路となっているのは、旧駅の出入口を利用した名残である。旧ホームは取り壊されることなく資材置き場となっているが、暗いので車内から確認するのは難しいかもしれない。

6. 赤坂見附駅付近で丸ノ内線に直通する線路がある

赤坂見附駅は、2層式になっていて、それぞれ一つのホームを挟んで銀座線と丸ノ内線が発着し、渋谷駅から東京駅や御茶ノ水駅方面や、その逆の乗り換えが容易だ。そればかりか、ホームの銀座寄りに分岐器(ポイント)があり、相互の行き来も可能だ。

もっとも、丸ノ内線の車両断面は銀座線のものよりも大きいので、銀座線車両が丸ノ内線に入線することのみ許されている。まれのイベント運転以外にも、銀座線の電車が中野富士見町近くにある車両基地で検査を受けるために回送で走ることがある。

7. デパートの最寄り駅三越前

銀座線は開業当初、利用者を増やすための施策として都心のデパートと提携して、駅直結などの利便性向上に努めた。その最たるものが三越前駅で、駅名にもなったように三越が駅建設費を負担したといわれている。

その名残は、ホームから見える構内の壁の意匠(三越の三をイメージした壁面)やA5出入口(エレベーター専用)の地上のレトロな看板に見ることができる。

8. 上野駅にある貴重な展示品とホームドアのパンダ

銀座線の上野駅は開業時からの古いものだ。創業時を偲ぶ看板や古い改札機などがアーカイブとしてケースに入れられてホームや改札口付近に展示され、さながらミニ博物館のようだ。

また、上野といえばシンボルはパンダなので、渋谷方面乗り場のホームドアにはパンダのイラストが描かれているのでお見逃しなく!

9. 車庫の踏切

銀座線の電車が踏切を渡る! 何ともシュールな光景が見られるのは、渋谷と浅草を結ぶ本線上ではなく、上野駅から分岐して車庫へ向かう線路にある。車庫は地下と地上にあるのだが、地上の車庫へ向かう線路は、途中から地上に出て、車庫の手前で公道を横切る。

普段は踏切の両側が閉ざされているけれど、電車が出入りするときだけ、遮断機が下りると同時に開いて、いつもは地下を走る電車が陽光の下ゆっくりと通過するのだ。

早朝と深夜をのぞくと、ラッシュアワーの輸送を終えて入庫する午前9時台、夕方のラッシュアワーに備えて出庫する午後4時台が、見物できるチャンスである。

銀座線の電車は第三軌条方式といって、頭上の架線はなく、線路脇にあるサードレールからの集電である。したがって、うかつに線路際を歩くと感電する危険がある。

ただし、踏切部分だけはサードレールがないので感電する危険はない。6両編成なので、数メートルの踏切部分だけ集電できなくても立ち往生することはないからだ。しかし、踏切を一歩離れるとサードレールがあり大変危険なので厳重に管理されているのである。

10. 浅草駅の出入口

終点の浅草駅には地上への出入口がたくさんある。そのうち吾妻橋方面への4番出入口は朱色の寺社風の建造物で異彩を放っている。観光地浅草にふさわしい。側面には、土木学会選奨土木遺産の銘板が取り付けられているが、この建造物のためではなく、銀座線の浅草~新橋間の諸々の施設に対して認定された証だ。

銀座線には幻の新橋駅ホームや旧万世橋駅跡などトリビアの宝庫ではあるが、ここでは以上の10選とした。

【取材協力】東京メトロ(1000系特別仕様車報道公開、中野車両基地公開)

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