老後の資金はいくら必要?夫婦・独身それぞれのケースで検証


定年から生涯を終えるまでに、どのくらいの資金が必要かご存知ですか?退職後の主な収入源となる「年金」は先行きが不透明で、今後受給年齢の先延ばしや支給額の減少が見込まれます。その一方で高齢になると医療や介護に関する支出が増え、まとまった資金がなければ安心して生活することができません。

そんな老後への経済的不安を解消するべく、必要な老後資金についてまとめてみました。実際に老後を迎えてから慌てることがないよう、今からできる準備を考えてみましょう。

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■老後資金とは?定年後に必要となる支出をチェック

近年よく耳にする「老後資金」という言葉。高齢化社会が年々深刻化してきている中、年金など公的制度によって手厚く老後を保障してもらえる可能性は低くなってきています。

そのため若いうちから老後を意識して資金を確保していく「老後資金」の重要性が問われています。

しかし一口に老後資金と言っても漠然としていて、何のためのお金が必要なのかイメージしづらいですよね。

まずは定年後に実際どのような支出が想定されるのか、具体的な内容や金額について知っておくことが大切です。


【毎月かかる支出の内訳】
・生活費(食費・光熱費・雑費):80,000~100,000円
・医療費(外来):3割負担で20,000円程度、1割負担で10,000円程度
・医療費(介護):要介護3、在宅介護の場合で40,000~50,000円程度
・娯楽費:1人につき20,000~30,000円(夫婦で50,000円程度)
・老人ホーム利用料:50,000~150,000円程度

毎月このような使い道でお金が必要となりますが、もちろん年齢や健康度によって大きく異なります。

娯楽費については「必要ない」と考える人がいるかもしれませんが、老後の生活を楽しむために準備しておくべき金額です。

夫婦の場合、平均すると月に220,000円程度、住宅ローンが残っていたり娯楽への支出が多かったりする場合は250,000~350,000円程度必要になってきます。

独身の場合も夫婦とさほど差はなく、150,000~250,000円程度は必要と言えるでしょう。

【年間にかかる支出の内訳】
・固定資産税など税制面における支出:50,000~200,000円程度
・車関係の支出(ガソリン代・車検代):200,000円程度
・旅行関係の支出:300,000円程度
・子供や孫への支出や交際費:200,000円程度

年間にかかるお金は住まいの状況や車の有無、人付き合いの程度などによって大きく変わります。

平均すると夫婦2人の場合で、年間3,000,000~4,000,000円程度、独身の場合で2,000,000~3,000,000円程度見積もっておく必要があります。


【特別なときの支出】
・家のリフォーム費用:1,000,000~2,000,000円
・入院時の医療費:3割負担で50,000~100,000円程度、1割負担で40,000~50,000円程度
・介護サービスを利用するための費用(自己負担額):20,000円程度
・老人ホームへの入居費用:入居一時金として200,000~10,000,000円

住宅購入する人の平均年齢が30代後半~40代前半頃なので、ちょうど定年頃にリフォームやリノベーションの必要性が出てきます。

また入院時や介護サービスの利用などまとまったお金が必要になるケースを想定し、特別なときの支出用に資金を確保しておくと安心です。

夫婦2人で10,000,000円程度、独身の場合は7,000,000円程度見ておきましょう。

■夫婦の場合に必要な老後資金はいくら?

老後にかかる具体的な支出がわかったところで、実際にどのくらいの老後資金が必要なのか算出してみましょう。

まずは夫婦2人で生活している場合に必要な老後資金を求めてみます。

求め方は定年後に予想される年間支出から年間で得られる収入を引き、そこに残された寿命(年数)をかけて計算します。

例えば65歳の夫婦の例を見てみましょう。

まず年間支出としては毎月かかる費用が220,000円程度のため、年間で2,640,000円程度、その他医療や娯楽などにかかる特別な年間費用を1,000,000円と見積もると、年間支出は2人でおよそ3,600,000円となります。

次に年間収入の見込みを考えてみましょう。

会社員の夫と専業主婦の妻の場合、夫が月に147,000円の厚生年金、妻が54,000円の国民年金を受け取ることができると想定でき、年間収入はおよそ2,400,000円となります。

残された寿命を割り出すには、現在の平均寿命を使います。

日本人の場合は男性が80歳、女性が86歳となっています。よって現時点で65歳ですから、残りおよそ20年間分の資金を蓄えておくと安心であることがわかります。

上記を参考に、夫婦2人に必要な貯金額を算出してみましょう。

【夫婦2人(どちらも65歳)の場合に必要な老後資金額の例】
年間支出3,600,000円-年間収入2,400,000円×残りの寿命20年=およそ24,000,000円

また老人ホームに入居した場合など特別な支出が増えるケースを考慮すると、さらに資金はプラスされます。

そう考えると、最低でも夫婦で30,000,000円程度の資金を貯蓄しておく必要があると言えるでしょう。

ただし人によって収入や支出の額が異なるため、自分たち夫婦のライフスタイルを念頭に置いて老後資金を考えてみましょう。

■独身の場合に必要な老後資金はいくら?

続いては独身のケースを考えてみます。夫婦の場合と同様に、年間で必要な支出や得られる収入、残された年数から老後資金の平均的な必要額を算出してみましょう。

同じように65歳の例で考えてみると、支出が毎月180,000円程度かかったと仮定して、年間で2,160,000円、そこに固定資産税や車検といった年間支出を足して2,860,000円程度となります。

また老人ホームや介護サービスを利用した場合の特別な支出は7,000,000円程度で見ておきます。

次に年間収入ですが、仮に会社員とした場合は厚生年金として月に147,000円支給されるため、年間で1,760,000円が見込まれます。

残された年数については、夫婦の場合と同様に20年、85歳まで生きると仮定して計算してみましょう。

【65歳の独身者の場合に必要な老後資金額の例】
年間支出2,860,000円-年間収入1,760,000円×20年=22,000,000円+特別な支出7,000,000円=29,000,000円

仮に退職金が10,000,000円程度ある場合は、最低でも19,000,000円程度貯金から切り崩す必要があることになります。

ゆとりある生活を送るためにはさらに大きな資金が必要となるでしょう。

必要貯蓄額は求める生活レベルや必要となる医療・介護費用によって異なるため、自分自身のケースに当てはめて算出しておくと安心です。

■老後資金はこうやって貯めておこう

こうして見てみると、老後資金の想像以上の額にびっくりした人も多いでしょう。老後は収入が減ってしまうにもかかわらず、支出は増える一方であることがわかってもらえたと思います。

もし老後までに必要な資金を準備できなかったら、どのような生活をすることになるのでしょうか。

家賃が払えなくなったり、病気になっても医療機関を受診できなかったりなど、さまざまなリスクが予想されます。

そういった生活苦に見舞われてしまうと、健全で楽しい老後生活を送ることができないだけでなく、長生きすることも難しくなってしまうでしょう。

このような心配がないように、今から老後のことをしっかりと考えて備えておく必要があります。実際どのように老後資金を増やせばいいのか、今からできることをまとめてみました。

【貯蓄方法1】貯蓄
まずは、日々の貯蓄に対する意識を高めることが大切です。

例えば30代の場合は子育てへの支出が多い時期ですが、収入のほとんどを子育てに注ぎ込んでしまうと老後資金を増やすことができません。

収入から「子育て+老後資金」の両方を差し引き、それ以外のお金で生活費を賄うことが理想的です。銀行に定期預金をしたり、保険を利用したり、自分たちに合う方法でコツコツと老後資金を確保していきましょう。

40代になると子供の入園や入学などで子育てが一段落、妻がパートあるいはフルタイムで働くことで、それまで以上の収入が確保できるようになります。

一方で子供の受験・進学によって養育費がかさみ、支出が増えることも事実です。子供が成人するまでにかかる養育費を算出した上で、月々にかかる生活費や保険内容を見直してみましょう。

節約と貯蓄をバランスよくやりくりすることが大切です。

50代になると子供の独立によって子育てにかけるお金がグンと減るため、老後資金を増やす大きなチャンスです。ただし生活習慣病や持病のリスクが増える時期でもあり、健康面における大きな支出が懸念されます。

定期検診をしっかり受けて健康に留意しつつ、これまで以上に貯蓄に回す額をプラスして、着実に老後資金を増やしていきましょう。

【貯蓄方法2】資産運用
資産運用はうまく行けば一気に資産を増やせますが、一方で元本割れのリスクもあります。

運用期間や商品によっては手数料が高額になる場合もあるため、慎重に検討する必要があるでしょう。

ローリスクでできる資産運用としては、個人向け国債がおすすめです。個人向け国債は国が発行する債券のため、国が破綻しない限りは安全です。

商品は固定金利3年・5年と変動金利10年があり、1年を経過すれば中途解約できます。債権は10,000円から購入できるため、始めやすいでしょう。

銀行に預けておくよりも利率が高いため、使う予定のない貯金がある場合にお得に資産運用できます。

また2014年からスタートした少額投資非課税制度(NISA)もおすすめの資産運用です。

投資によって出た利益がまるまる非課税になるというお得な運用法で、年間100万円を限度として自由に投資金額を決めることができます。

投資期限は5年間ですが「ロールオーバー」という非課税の期間が延長されるシステムを利用すると、最長10年まで非課税扱いになります。

こういったローリスクの資産運用法を実践し、長期間コツコツと老後資金を増やしていきましょう。

初めは右も左もわからず不安かもしれませんが、知識と経験を積むほどにコツが掴めてきます。

資産運用の仕方に不安がある場合は、資産運用のプロに相談する方法もあります。身近なのはファイナンシャルプランナーでしょう。

現時点での貯蓄額や資産運用の目的などを考慮し、1人1人に合った運用方法をアドバイスしてもらうことができます。

まずは少額から始めて、ローリスクの投資商品や非課税扱いの投資商品を利用し、焦らずじっくりお金を増やしていきましょう。


【貯蓄方法3】保険の見直し
今加入している保険をよく見直してみることも大切です。見直しすることで、月に数千円安くなる場合があります。

ほんの少しの違いでも、年間あるいは長期間で考えると大きな金額。今契約している保険に無駄がないかどうか確認しましょう。


【貯蓄方法4】定年後も働く
健康状態がよければ、再雇用などを利用して引き続き働くという選択肢もあります。

今まで働いていた会社でなくても、ハローワークなどで新しく職を探すことは可能です。

これまでに得た資格や特技を活かせる職を探してみると、意外と見つけやすいでしょう。働くことで貯蓄に頼らずに済むのと同時に、生活にメリハリが生まれるといったメリットもあります。

実際に定年後に働いている人はたくさんいるため「定年=隠居生活」と決めつけずに生き生きした生活を目指すことをおすすめします。

■おわりに

いかがでしたか?老後は意外と必要なお金が多いことがわかりましたね。また老後に求める生活水準やそのときの健康状態によっても必要資金は大きく変わるため、今からある程度シミュレーションをして、気持ち的にも物理的にも備えておくことが必要です。

確実に言えることは、健全な老後生活のためには今からコツコツ貯蓄しておくことが大切だということ。理想としては老後を迎えるまでに30,000,000円は貯めておきたいところでしょう。年金だけをあてにして今の生活を楽しむのではなく、老後のことを考えて日々の生活やお金のやりくりを見直すことから始めましょう。


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