更の家|デザイナーズマンションをリデザインするリノベーション

大阪府北部には1980年代までにつくられた建築家 遠藤剛生氏設計のマンションが点在しています。実験的な間取りや丘陵地を巧みに利用した住棟構成に今なお人気があるものの、設備の老朽化と現行基準に比べて簡素な断熱性・防音性のため仕様の更新が課題となっています。今回の物件もそんなマンションの一部屋。建築主は長年愛着を持って住んでこられ、これからも住み続けたいとお考えではあるものの、住み方の変化と修繕の必要性からリノベーションを計画されました。

長年住み続けてきた住居のリノベーションでは、部屋の配置や動線など使い慣れて変更したくない部分と、常々問題を感じてきた部分とが共存しており、対処療法的な設計が不可欠です。特に建築家が緻密に設計した共同住宅では間取りと構造体を切り離せない場合も多く、よく練られたプランニングは歳月を経ても色褪せない集住のかたちを含んでいます。そこで内装をスケルトン状態に戻して考え直すのではなく、先人が設計した従前の間取りを引き受けつつ更に発展させる、金継ぎのようなリノベーションの形を模索しました。

窮屈な壁付けキッチンは窓に面したコの字対面に変更して十分な作業スペースを確保、和室はLDKと一続きの洋室に変更して来客時のゲストルームや将来的な主寝室としても利用できる設え。既に納戸化していた部屋をクローゼットルームとして計画し直し収納力をUP。内装は既存家具との相性を見極めつつ無垢フローリングと珪藻土で落ち着いたトーンに統一しました。

性能面では外壁に発泡ウレタンを付加、開口部は内窓を設置して断熱性を高め、床組みを行って防音性の確保と設備配管経路の変更、階高が2,550mmと極めてコンパクトなつくりのため天井板は貼らず、梁型に留めつけたチャンネル鋼に間接照明を仕込んで天井を浮き上がらせて圧迫感を軽減しています。

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