水ってどれくらい必要?地震や水害などの緊急事態でも安心できる備蓄量とは?

2011年の東日本大震災、2015年の茨城県の鬼怒川決壊、2016年には熊本地震など近年日本では深刻な災害が多く発生しました。そのため、最近では災害の準備がますます重要視されています。このような緊急事態でも慌てずに対処するためには、一体水がどれくらい必要なのでしょうか? 今回は地震や水害のときに困らないように、水の備蓄量についてご紹介します。

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■災害時に飲み水はどれくらい必要?

災害時に必要な飲み水の量は、摂取する人によって異なります。

そこで以下では成人・子ども・高齢者の3つに分けて、災害時に必要な飲み水の量を解説していきます。

【成人の場合】

成人の場合、体重1キロあたり50ミリリットルの水分量が必要とされています。例えば体重が50キロの方であれば、2.5リットルの水分量が必要です。

このように体重によって必要な水分量は異なるので注意しておきましょう。

また、ここで言う水分量とは「飲み水+食事に含まれる水+代謝水」の合計量を指します。

私たちが普段食べている料理にも水分は含まれており、例えばご飯1杯では約90ミリリットルの水分が得られます。体内で食べ物が吸収される際にも水分が生成され、これを「代謝水」と言います。

【子どもの場合】

つまり、必要な水分量は飲み水だけで補うのではく、食事に含まれる水と代謝水の量も計算した上で、適切な量を摂取しなければなりません。

1日の食事に含まれる水分量は600ミリリットル、1日の代謝水は200ミリリットルを目安として、必要な飲み水の量を計算してみましょう。

例えば体重が50キロの方(必要な水分量2.5リットル)であれば、以下の式によって必要な飲み水を計算できます。

飲み水以外の水分量……600+200=800ミリリットル

必要な飲み水の量……2,500-800=1,700ミリリットル

しかし、災害時にはいつもの食事ができるとは限りません。特に災害直後では、必要最低限の食べ物しか食べられない状況も考えられます。

つまり、食事に含まれる水分と代謝水を十分に確保できない可能性があるため、災害時に必要な飲み水は「1日2リットル」を目安としておきましょう。

子どもの場合は、以下の通り年齢によって必要な水分量が変わってきます。

■小学生……必要な水分量は体重1キロ当たり80ミリリットルが目安。体重30キロの小学3年生では、2.4リットルの水分が必要。

■幼児……体重1キロあたり100ミリリットルが目安。体重20キロの5歳児では、2リットルの水分が必要。

■乳幼児……体重1キロあたり150ミリリットルが目安。体重8キロの赤ちゃんでは、1.2リットルの水分量が必要。

災害時には食事に含まれる水分と代謝水を確保しにくい点を考慮すると、小学生や幼児では2リットル、乳幼児では1リットルの飲み水が必要となります。

子どもの場合は成長により体重が大きく変化し、緊急時に必要な水分量を細かく計算するのはとても大変なことです。

そのため、「子どもならば1日2リットル、赤ちゃんならば1日1リットル」と大体の目安を覚えておきましょう。

【高齢者の場合】

高齢者については、体重1キロあたり40ミリリットルの水分が必要です。成人よりも若干少なくなりますが、加齢に伴い体内に蓄えられる水分量が低下しています。

また、持病の薬を飲むためのお水も考慮すると、災害時には成人同様の飲み水を確保することが望ましいでしょう。

さらに高齢者は脱水症状に陥りやすいので、こまめな水分補給を心掛けることが大切です。

炎天下での熱中症のリスクも高いので、災害時には周囲が見守るようにしましょう。

■備蓄しておく水の量はどれぐらいが理想?

上記の通り年齢によって必要な水分量は異なりますが、「備蓄」という観点では家族1人あたり「1日2リットルの飲み水」で計算しましょう。

1人あたりペットボトルのミネラルウォーター1本(2リットル)」が1日の目安です。

また、地震や水害の直後では、給水車の到着や給水所の設置までに日数がかかります。最低でも、3日分の飲み水は確保しておきたいところです。

3日分となると、4人家族であれば2リットルのミネラルウォーターを12本用意する必要があります。

量が多いと感じるかもしれませんが、家族の人数に合わせて適切な量を用意しておきましょう。

なお、中にはウォーターサーバーを設置しているご家庭も見られます。ウォーターサーバーには「ボトルあり」と「ボトルなし」の2タイプがあります。

ボトルありタイプの場合、ボトル1本あたり最大12リットルの水が入っているので災害時に役立ちます。

一方、ボトルなしタイプは直接水道管から汲み上げるため、災害時にはあまり役に立たない可能性が高いでしょう。

また、ウォーターサーバーは電気で動くため、停電時には「熱湯」「冷水」といった機能が使えません。

水道より先に電気が復旧したときに、これらの機能を使うようにしましょう。

■水道水をためて備蓄する

災害に備えて、水道水をあらかじめ備蓄しておくのも大切なことです。

ポリタンクや洗濯槽、浴槽など、家の中では様々な場所に水道水を溜められます。

ちなみにポリタンクは20リットル、洗濯槽は50リットル、浴槽は200リットルもの水道水を備蓄できます。

地震や水害が起こる前に水道水を溜めておけば、生活用水として利用可能です。

備蓄した水道水は飲み水としても利用できますが、その際には衛生管理に注意してください。水道から出た水には「塩素」が入っているため、短時間で飲めば安全な水として飲めます。

しかし、塩素の効果があるのは常温で3日~7日、冷蔵庫で5日~10日とされています。

災害時に菌が繁殖した水を飲んでしまうと、腹痛や発熱、嘔吐を引き起こし、余計に水分を奪われかねません。

そのほか、細菌は空気のある環境で繁殖するため、容器の注ぎ口ギリギリまで水道水を溜めることも大切です。

これらの衛生管理が難しければ、市販のミネラルウォーターの購入を検討しましょう。

水道水を飲み水として利用する方法は、コストはかかりませんが手間が少しかかります。

また、備蓄用の水道水ではたとえ飲み水用であっても、一度沸騰させたり、浄水器を通したりしないでください。煮沸やろ過をすると、塩素がなくなり腐りやすくなってしまいます。

塩素除去を行った水道水は、基本的にその日のうちに飲まなければなりません。蛇口に浄水器を取り付けているご家庭では、特に注意してください。

そして、飲み水として水道水を使用する場合は、きれいに洗ったペットボトルやポリタンクを利用しましょう。

これらの容器は食器用洗剤だけではなく、次亜塩素酸ナトリウムが入った塩素系漂白剤で洗浄します。きちんと消毒しておくことで、いざというときの細菌感染リスクを回避できます。

■ローリングストック法で飲用水を確保する

ローリングストック法とは、備蓄している食品を「賞味期限、消費期限が近い物」から順に食べて、食べた分だけ買い足す方法です。

内閣府も推奨しているほど、ローリングストック法は便利な備蓄テクニックです。

期限切れの心配がなく、管理も煩わしくありません。ぜひ、飲用水にもローリングストック法を取り入れてみてはいかがでしょうか?

例えば家族4人の3日分の飲み水として、「2リットルのミネラルウォーターを2ケース(6本入り×2)購入した」と仮定します。

この備蓄用のミネラルウォーターを普段の生活でも使用して、「1ケース無くなりそうになったら新たに1ケース買い足す」という仕組みです。

ただし、必要最低限の量でローリングストック法を行うと、タイミングによっては足りなくなってしまいます。

今回のケースでは余分に1ケースを買っておくなど、多めに飲用水を確保しておきましょう。

■水の入れ物にも注意

なぜ市販のミネラルウォーターには賞味期限が記載されているのかご存じでしょうか?

それは、ペットボトルの容器が原因で「品質低下」を引き起こしてしまうからです。

ペットボトルは、時間の経過とともに空気が通ってしまう構造です。賞味期限切れのミネラルウォーターでは長期間経過すると水が空気に触れて、風味が落ちてしまっている可能性が高いでしょう。

さらに空気が混じることで、細菌繁殖のリスクも高まります。

市販のミネラルウォーターの賞味期限は、1年~2年が目安です。

先ほどご紹介した「ローリングストック法」ならば賞味期限を気にしなくて済みますが、備蓄用としてまとめて置いておきたい方にとっては、「案外期間が短い」と感じるでしょう。

なお、ポリタンクやバケツは「生活用水を入れるための物」と思われがちです。

しかし、地震や水害が起きた後に設置される「給水所」では、飲料水目的でもポリタンクやバケツが活躍します。

ポリタンクを給水所に持っていけば、一度に20リットルも入れられます。緊急時には大勢の方々が給水所に並ぶため、何度も取りに行く時間がありません。

いかに多くの飲料水を確保するかが重要となるので、ポリタンクは重宝されるでしょう。

また、バケツがあれば「非常用飲料水袋」を楽に運べます。非常用飲料水袋は給水所で支給される防災グッズであり、リュックのように背負って使用します。

バケツにこの非常用飲料水袋を広げて給水すれば、両手で持ち運べます。

非常用飲料水袋の口をきちんと締めれば、水をこぼす心配もありません。

災害グッズの中には、5年や15年保存できるミネラルウォーターも存在します。いわゆる「保存水」と呼ばれる商品です。

ただし、保存水は特殊な加工を施しているため、値段が比較的高い点が悩みどころです。

購入数と値段を考えて、無理のない備蓄を検討しましょう。

■災害時の節水方法

水を備蓄していても、いつ水道が復旧するのかは分かりません。東日本大震災では、家庭の水道が復旧するのに3週間かかりました。

それまでの間は給水所や給水車を利用する必要がありますが、災害直後ではいつ給水可能になるのか分かりません。

そのため、災害時には「あらかじめ備蓄しておいた水で暮らすこと」が求められます。

たくさんあった水も、考えて使わないとあっという間になくなってしまいます。災害時の節水方法を知っておくだけで、気持ちにも余裕が生まれるはずです。

では、具体的にどのような節水方法があるのかについて以下で見ていきましょう。

【その1】お皿にラップをかける

災害後しばらくは、「水道なし」で暮らさなければなりません。

洗い物をするだけでも多くの水を使用するため、できるだけお皿にラップをかけましょう。

家に紙皿や紙コップがあればそちらを使い、何もなければ食事のときに汚さない工夫を考えましょう。

【その2】洗口液で歯磨きをする

普段のように歯磨きをするだけでも、コップ2杯~3杯分の水を使用してしまいます。

飲料水のコップ2杯~3杯は、災害時ではとても貴重な水といえます。

そのため、できれば防災グッズの1つとして「洗口液」を用意しておきましょう。

注意しなければいけないのが、「液体歯磨き」を間違えて買わない点です。洗口液は口をゆすぐだけで歯磨きの効果がありますが、液体歯磨きで口をゆすいだ後は歯ブラシでこする必要があります。

つまり、液体歯磨きでは普段の歯磨きと変わらないため、飲料水の節約になりません。

市販のデンタルリンスには、裏面に「洗口液」もしくは「液体歯磨き」と書いてあるため、きちんと確認してから購入してください。

【その3】ティッシュに水を垂らす

衛生ケア用品が手元にない場合は、水を使って手を洗ったりテーブルを拭いたりします。

このとき、八つ折りにしたティッシュに「ペットボトルキャップ1杯分の水」を垂らせば、簡易濡れティッシュとして使えます。

水の代わりにお茶を垂らす方法でも問題ありません。茶カテキンの効果により、「殺菌作用や抗菌作用の強い簡易濡れティッシュ」になるでしょう。

【その4】少量の水が出るペットボトル

空のペットボトルに生活用水を入れて、キャップに小さな穴を開けてみてください。「少量の水が出るペットボトル」ができ上がります。

これ1本で「手洗い」や「赤ちゃんのおしりふき」などに利用でき、節水効果を期待できます。

【その5】塩分の高い物を食べない

生活用品を工夫するだけではなく、食事にも気を配りましょう。

「冷蔵庫の物が腐るから」といって、味付けの濃いおかずや刺身、揚げ物などを無理して食べるべきではありません。

食料が残りわずかであれば仕方ありませんが、塩分の高い物を食べると想像以上にのどが渇きます。

漬け物も塩分濃度が高いため、災害時に食べる際には気を付けてください。

■まとめ

災害時には、給水所に並んで水を確保するだけでも苦労するはずです。また、給水所が設置されるまでの間は、備蓄の水で何とかするしかありません。自分の身を守るためにも、1日2リットルの水を用意しておきましょう。

また、各家庭の水道が復旧するまでに数週間かかる恐れもあります。普段からの備えだけではなく、災害時の節水方法を覚えておきましょう。

災害時用の備蓄水はこちらからでも入手可能ですので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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