オーダーキッチンで私らしい暮らしを・・・(2)素材のはなし

弊社は家具職人がつくるオーダーキッチンということで、完全オーダーで、お客様ととことんお話をしながら、お客様と一緒にプランし、ミリ単位でお客様のニーズにお応えしていくタイプのキッチンを作っております。
普段現場で客様にお話している、快適で使いやすいキッチンを作るためのコツやノウハウを少しずつ更新していきたいと思っています。
今回はその第二段 主に素材についてのはなし。
(1)はこちらhttp://limia.jp/idea/5050/

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前回はおもにキッチンのレイアウトや形についてお話したのですが、
今回は、キッチンの素材についての話をしてみたいと思います。

キッチンの素材というと、みなさん一番に天板のことを思い浮かべると思いますが
それは、あとでじっくりとお話するとして、、、まずはキッチン本体のキャビネットの素材について。

たとえば、うちは家具工場なので木のキッチンを作っています。
木のキッチン屋なのでまずは木のキッチンのいいところをお話させてもらうと・・・
お部屋のインテリアに馴染みやすいことです。
木製の床、木製のダイニングテーブル、それらの中にドーンと面積をしめるキッチンが
木製だと、インテリアに溶け込んでコーディネートしやすいですよね。

木のキッチン?!

「木のキッチン」こうお伝えした時にみなさん着目されるのは、キッチンの扉のことじゃないでしょうか。
確かに扉ももちろん木で作っているのですが、
うちの木のキッチンは中身の構造も全部本物の木、いわゆる無垢材でできています。

キッチンの中身の素材について

中身まで無垢の木でがっちり組んである木製キッチン。
木製キッチンのいいところは、木なので、1mm単位で自由がきくところです。

と、自分が木のキッチン屋なので木のキッチンのいいところばかり宣伝しても、
世の中の大半の方はシステムキッチンを使われていると思います。
では、システムキッチンの中身はどうなっているのでしょう?考えられたことがありますか?
インテリア的に重要な扉の表面に貼ってある材質ばかりに目が行って、
キャビネット本体や、扉の心材にまでなかなか目が向かないかもしれませんね。

多くのシステムキッチンは木質ボードという木のくずを圧縮して作った
水や湿気に弱いパーチクルボードが芯になっているようです。

少しお値段の張るものになると、構造自体もホーローだったりステンレスだったり
こだわられているシステムキッチンのメーカーさんもあります。
この構造の材質によって耐久性はかなり変わります。
これからキッチンを検討される場合は、ぜひ、扉の表面だけではなく、
本体の材質にも着目していただきたいと思います。

※木のキッチンの耐久性は?とよくお客様に聞かれますが
無垢の家具がアンティークとなって何百年と使われているように
木のキッチンは、耐久性も、ボードのものにくらべると随分強いです。
無垢材のキッチン、使えば使うほど経年変化していい風合いになっていきますよ。

キッチンの扉の素材について

では次に、キッチンの扉の素材(いわゆる面材)は何がおすすめか、という話ですが、
うちのように木の扉だと、油の飛び散りなどを心配される方が多いですが
扉は垂直面なので、そんなに心配するほど汚れません。

以前、新聞社主催のリフォームフェアに2日間、大手のシステムキッチンメーカー様10社と一緒に出店してみて
つくづく思ったことは、手垢がめだつのは、ピカピカテカテカした塗装がしてあるものでした。

「汚れをはじく」がウリのキッチンは、ぴかぴかの硬い塗装がしてあるので、
営業さんは、一日中せっせとお客様のきれ間をみつけては、ぞうきんで拭き掃除をされていましたよ。
ちなみに、一番汚れをはじかない、うちのキッチン。
木製扉、しかも木の風合い重視のオイル塗装のものは一度も拭き掃除をすることなくても、手垢が目立ちませんでした。

反射がないのでほこりも目立たないですし、汚れても汚れが目立たないのはお掃除苦手な人(←つまり私)にはつくづく嬉しいキッチンだなぁと思いました。

カウンタートップの素材について

そして、キッチンの素材で一番気になるのはやはり天板、カウンタートップですね。

これは実際に作業をする場所ですので、やはり汚れの問題、お掃除のしやすさなど機能性がつきまといます。また、よく見える部分でもあるので、デザイン性も大切です。

大きくわけるとステンレスにするか、大理石系にするかにわかれると思います。
(カントリーテイストで人気のタイルトップや、思いきって木製のトップもあるのですが、
少数派ですので今回は割愛しますね)

では、まずステンレス。
機能性でぴか一は、やはり、ステンレスだと私は思っています。
業務用厨房で使われていることからわかると思いますが、汚れ、熱に強く、においやシミなども付きにくく、衛生面も安心のステンレスです。ひと昔前の傷が気になるピカピカステンレスと違い、今はステンレスの仕上げ方法もいろいろあります。

機能性NO1 ステンレス天板

ヘアライン仕上げ、エンボス仕上げなどが主流かと思いますが、うちのお店ではバイブレーション仕上げという最初からわざと細かくランダムに傷を入れたマットな仕上がりのものが、艶がなくて木製キャビネットと相性のいいので人気です。
ステンレスといえばモダンなキッチンのイメージがあるのですが木も意外とよく似合うのでよくご提案させてもらっています。

デザイン性でいうと、ステンレスはどうしても銀色になってしまうのでそこで好みがわかれます。
ちょっと男前な印象になってしまうので、それが好きな方にはいいのですが
一般的にお部屋に馴染みやすいという点では大理石系が人気です。

あえて、大理石系と呼ばせてもらったのには理由があって、その中でも3種類、全く別物にわかれます。
一般的に現在一番使われていて、キッチンの天板といわれてすぐにあたまにうかぶのは、人工大理石ではないでしょうか?

一番有名? 人工大理石天板

人工大理石は色柄も大変豊富でデザイン的に使いやすく、また機能面もそこそこいいので、とても人気の素材です。見たことない方はおられないと思います。
よく、大理石を材料にして作った人工的な石 と思われている方も多いようですが。

これは大理石という高級感ただよう名前に騙されがちなのですが、実は、100%樹脂です。
アクリル系 または ポリエステル系 に二分されるのですが合成樹脂、つまりプラスチック素材でできています。
大分性能もよくなってきてると聞きますが、樹脂なので一口に人工大理石といってもグレードによって性能に違いがけっこうありますので、汚れは沁みないのか、熱い鍋を置いても大丈夫なのか、樹脂なので長年使うと黄ばんで来たりしないのか、などどんな人工大理石を使ってある商品なのかよく確認されたほうがいいです。 
ミヤカグで使用している人工大理石はデユポン社のもので特にすぐれた性質を持つ樹脂を使ったものなのでご安心ください。

本物志向の方に! 天然石天板

そして、とにかく美しくて高級感も感じられるのはやはり天然石です。
本物の石です。天然のものゆえに大きいサイズだと途中で継ぎ目が入ったり、石の表面が多孔質で汚れが入ったりと欠点もありますが、質感はほんとにいいので、やはり本物志向の方、輸入住宅などインテリアにこだわられている方などは天然石を選ばれます。ミヤカグのショールームに展示しているキッチンも、この本物の石を使ったトップをのせていますので、うちで作るキッチンは、天然石もよく使っています。

新素材 クオーツストーン(人造石)天板

まぎらわしいですが、エンジニアドストーンとか、クォーツストーン、人造石と呼ばれる新素材があります。
これは、人工大理石とは違い、90%以上が天然石で、それを固めた素材で、汚れやすさ、もろさといった天然素材の欠点を克服しつつ、天然石の質感や風合いをもつといういいとこどりの素材です。
これは現在、ショールームに展示してあるキッチンに使用していますので、ぜひ、ご覧になってください。かなりおすすめの素材です。展示は真っ白なものを載せていますが、色柄はいろいろ選べます。

新素材と言っても随分前からあるのはあったのですが、高級でなかなか手の届かない素材だったのが、最近では少し使いやすいお値段になってきたという意味で新素材と呼ばせてもらいました。

「大理石系」を3種類ご紹介しましたが、いずれも、大理石系だと色がらが豊富な中から選べますので、お部屋のイメージに合わせてデザイン性を重視して選んでいただけます。

さぁ、「私らしいキッチン」は、みなさんにとってどんな素材のものでしょうか?
ひとえに素材と言っても
中身、扉、そしてカウンタートップ。
今回は触れなかったですが、シンクの素材も・・・
それぞれ、ベストな組み合わせで自分らしく使いやすいキッチンを作れたらいうことないですね。

オーダーキッチンの醍醐味は何から何まで自由に選択できることです。
素材についてもしっかり勉強して、ぜひ、自分の生活にいちばんかなった素材を選んでいただけたらと思います。

長文、最後まで読んでくださりありがとうございます。
次、キッチンの作り方(3)では 自分なりの暮らしスタイルにあわせて例えば盛り付けひとつとっても
キッチンの作りがかわってくるというお話をしたいと思います。

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