【会期終了】500年前の美女はどんな顔? ボッティチェリ展がやってくる!

イタリア、ルネサンスを代表する画家、ボッティチェリ。世界史でも出てきた天才画家が描く女性像の美しさは、500年以上を経た現代でも遜色ありません。そんなボッティチェリの絵画展が、1月16日から東京都美術館で開催。日本での本格的な回顧展は、なんと初! 500年前の理想の美女たちに、会いに行ってみませんか?

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貴重な作品20点が大集結。ボッティチェリ展がやってくる!

サンドロ・ボッティチェリ《ラーマ家の東方三博士の礼拝》 フィレンツェ、ウフィツィ美術館 Gabinetto Fotografico del Polo Museale Regionale della Toscana Su concessione del MiBACT. Divieto di ulteriori riproduzioni o duplicazioni con qualsiasi mezzo

ルネサンス期に活躍した画家、サンドロ・ボッティチェリの名前は聞いたことがあるはず。繊細かつ優美で洗練された線画手法と華麗な色彩、どこか憂いを秘めた表現。教養ある富豪にも認められたフィレンツェ美術の代表的なアーティストだ。

とはいえ、これまでボッティチェリの作品がまとまった数で来日したことがない。なぜかというと、その作品の多くが板に描かれており、きわめて繊細だっため。日伊国交樹立150周年記念の大回顧展となる今回、世界各地から20点以上ものボッティチェリ作品がやってくる!

初期から晩年までの宗教画、神話画、肖像画を通して、ボッティチェリ作品の特徴と魅力を紹介すると同時に、師のフィリッポ・リッピや弟子のフィリッピーノ・リッピの作品をあわせて展示し、15世紀フィレンツェにおける絵画表現の系譜をたどる。

我が道を突き進んだ画家のクリエイティブ魂

サンドロ・ボッティチェリ 《聖母子(書物の聖母)》 ミラノ、ポルディ・ペッツォーリ美術館 © Milano, Museo Poldi Pezzoli, Foto Malcangi

ところで、ボッティチェリが生きていた時代、絵画の世界では、遠近法や明暗法を使った自然主義的な表現が主流になり始めていた。そんな中でも、当時の流れと逆行して、中世美術を思わせる装飾的で象徴的な様式を貫いたボッティチェリ。

≪聖母子(書物の聖母)≫でも、その巧みな技法が発揮されている。多くの画家が描いてきた聖母マリアと幼児イエス・キリストというテーマにおいて、ボッティチェリは深い母性と優美さを象徴的に表現。見る者に慈愛を感じさせる繊細な表現は絶対にチェックしたいところ。

ルネサンス至高の画家が描く当代一の美女

そんなボッティチェリの代表作のひとつ、≪美しきシモネッタの肖像≫も今回鑑賞することができる。

ルネサンス時代のイタリアでは、“美人であるための身体的条件”からなる「美人論」が論じられていた。額の高さや眉の位置など細かなパーツに至るまで、具体的な“美人の条件”が挙げられていたそう。

当時“フィレンツェ一の美女”と称されたシモネッタ・ヴェスプッチは「美人論」を具現化したような存在だった。≪ラ・プリマヴェーラ(春)≫や≪ヴィーナスの誕生≫などに描かれたヴィーナスも彼女をモデルにしたといわれている。

シモネッタの美しさのみならず、細やかに編み込まれた髪、緻密に描かれた刺繍や装飾品など、ボッティチェリの才能を惜しみなく発揮して描かれた細部の表現も見どころだ。

15世紀フィレンツェの絵画の魅力を丸ごと堪能

フィリッポ・リッピ 《聖母子》 ヴィチェンツァ市民銀行 Collezione Banca Popolare di Vicenza

今回の展示ではボッティチェリの師匠、フィリッポ・リッピや弟子のフィリッピーノ・リッピの作品も鑑賞することができる。宗教的な絵画の中には、擬人化された感情やヴィーナス・天使といった象徴的な像も多く描かれており、それぞれのしぐさや表情から意味を読み解くのもおもしろい。

なお、誹謗中傷にあった人物の悲惨さを寓意的に描いた晩年の傑作≪アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)≫の追加出展も決定。近代の芸術や文化にも影響を与えた15世紀フィレンツェにおける絵画の世界を間近に感じたい。


Text:千葉こころ

【開催概要】
日伊国交樹立150周年記念 ボッティチェリ展

会期/2016年1月16日(土)~4月3日(日)
会場/東京都美術館 企画展示室 東京都台東区上野公園8‐36
開室時間/9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで、金曜日は20:00まで)
休室日/月曜、3月22日(火)(3月21日(月)、28日(月)は開室)

◆問い合わせ/03‐5777‐8600(ハローダイヤル)
主催/東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、TBS

【作者概要】
サンドロ・ボッティチェリ(1444/45-1510)
フィレンツェ・ルネサンスを代表する画家。幼いときから絵画に関心を持ち、15歳でフィリッポ・リッピの工房に入門。そこで修業を積みながらヴェロッキオの工房にも足を運び、1470年、25歳のときに自身の工房を構える。
フィレンツェの支配者をはじめ、教養あるパトロンたちにも好まれた洗礼された画風は、中世美術を思わせる装飾的、象徴的な様式で、流麗で繊細な線画を特徴とする。神話画や大型の祭壇画、個人の肖像画など幅広い主題の絵画を手掛け、≪ラ・プリマヴェーラ(春)≫や≪聖母子(書物の聖母)≫、≪ヴィーナスの誕生≫など、多くの傑作を世に送り出す。
晩年はドメニコ会士・サヴォナローラに帰依し、宗教感情がみなぎる神秘的な作風に向かうが、1510年、65歳でこの世を去る。

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