法事に参加する際に気を付けたいマナーをご紹介します!

故人に供養を捧げる法事は、日本古来より続く伝統的な行事です。そのためしきたりやマナーも多く、知らない間にマナー違反を犯していることも少なくありません。こちらでは、法事で最低限必要なマナーについて、「案内状」「服装」「持ち物」「当日の行い」「焼香」の5つをキーワードに解説します。

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■案内状が届いたときの対応は?欠席する場合はどうすればいい?

【案内状が届いたら】

最近の法事は近親者だけで済ますことが多いので、案内状が届いた場合は「ぜひ出席して欲しい」という施主側の意向として受け取りましょう。その意向に応えるためにも、病気などのやむを得ない事情をのぞいては予定を調整して出席するのがマナーです。

法事には会場の確保や会食の用意などがありますので、案内状が届いたら出欠に関わらずなるべく早く返信しましょう。もし都合がつくまでに時間を要する場合は、返信が遅くなることを電話などで伝えておけば、相手も予定が立てやすくなります。

【欠席の場合】

一般的には返信用のハガキが同封されていますので、そちらを利用して出欠をお知らせします。もし欠席する場合は、電話をかけてお詫びの気持ちを伝えましょう。もちろん、返信用ハガキにお詫びの言葉を書き添えるのでも構いません。その際は出席時の返信よりも早めにハガキを出すのがマナーです。

そして、三回忌までの法事であれば、「御仏前」と書いた供物料を現金書留で送ります。供花などの供物を贈るのもいいでしょう。供花は派手な色は避け、白を基調にしたものがマナーです。故人と親しくお付き合いをしてたのであれば、別の日に都合を付けてお参りしてもよいでしょう。

【返信ハガキへの記入方法】

返信ハガキは出席か欠席に丸を付けてポストに入れるようになっていますが、そのまま出してはいけません。まず宛名が「(施主名)行」や「(施主名)宛」となっていますので、「行」や「宛」を斜めの二本線で消し、「様」に書き換えます。

「御出席」「御欠席」と書かれている箇所に関しては、返信の際に斜めの二本線を使って「御」の文字を消して、「出席」や「欠席」のうしろに「させていただきます」と加えましょう。また、参加する方の住所欄を表している「御住所」についても、同様にして「御」を斜めの二本線で消してから住所を書きます。同じく名前の欄も「御芳名」となっていますので、「御芳」を縦二本線で消して名前を入れます。このマナーは法事だけではなく、冠婚葬祭でのマナーとして覚えておきましょう。

【案内状に関するマナー違反】

案内状が届いていないのにも関わらず法事に出席することは、マナー違反です。いくら生前に親しくしていたとしても、施主側の意向がありますので、必ずそちらを尊重しましょう。また法事がいつ行われるのか、施主に尋ねるのもマナー違反です。「法事はいつ?」と聞きたい気持ちもありますが、そこは堪えて案内状が届くのを待ちましょう。

■法事に参加する際の持ち物

【時代による供物の変化】

本来は、法事に必要な線香やろうそくなどを持って参加するのが一般的でした。最近では施主が用意していますので、その代わりに現金を包んで御供物料として持参するケースもあります。それ以外には、仏前にお供えする菓子や果物、供花などを持っていくのが無難でしょう。また仏式であれば合掌に使う数珠が必要です。

【食べ物を持っていく場合】

お供え物として食べ物を持っていく場合は、すぐに食べられるものを持っていくのがマナーです。ゼリーやお菓子、おせんべいなどがふさわしいでしょう。大勢が集まるようなら、法事が終了したあとに参列者に配ることを想定して、小さな袋に入っていて持ち帰ることができるものが喜ばれます。

また、御供物料の表書きは「御供物料」や「御仏前」とします。四十九日法要の前なら「御仏前」ではなく「御霊前」です。また神式では「御神前」、「御霊前」、「御玉串料」、キリスト教では「御花料」がふさわしいでしょう。

【御供物料の相場】

「御仏前」あるいは「御霊前」は、10,000円が相場です。少なくて5,000円、多くても20,000円程度でしょう。故人との関係や地域のしきたり、法事の規模によっても違いますので、不安な場合は近親者や関係者に相談してみましょう。また、会食に参加される場合は多めに包むのが無難です。直接仏壇や祭壇に供えるのではなく、施主か関係者に「仏前にお供えください」と伝えた上で直接お渡しします。

家族で参加する際の「御仏前」は、「一人分の金額×出席人数」と考えましょう。ほとんどの法事では会食が用意されていますので、家族も食事をいただくことになります。さらに引き出物が用意されているケースもあります。「御仏前」として包んだ金額が少ないと施主に負担をかけてしまいますので、ふさわしい金額を包みましょう。ただし、お子さまが小さい場合は、人数に加えなくても構いません。

【供物の包装】

法事の際にお金を包む不祝儀袋は水引への注意が必要です。種類がたくさんあり、水引の色や形を間違えてしまうと相手に失礼となってしまうためです。色は黒白(関西は黄白の場合も)のもので、形は結びきりのものが弔事用です。結び切りは再び結べないということから、同じことが繰り返されないようにとの思いが込められています。

お供え物を持参するときには包装への配慮も必要になります。もちろん包装のないまま持っていくのはマナーに反します。購入した店舗ですべて代行してくれる場合がありますが、四十九日法要までは黒白の水引のもの、四十九日法要が過ぎたあとは双銀の結び切りの水引があしらわれたものを使うのがしきたりです。しっかり覚えておきましょう。表書きは「御供」や「粗供養」で、下に自分の名前を記します。

■法事に参加する際はどのような服を着ればいい?

【全般的なマナー】

参列者の服装は地域や家柄によって違いますが、一般的には一周忌までは喪服を着用します。ただ親族でなればダークグレーや濃い紺色のスーツを着ていても失礼には当たらないでしょう。また、法事は一周忌以降は回を追うごとに略式化していくのが通例であり、喪の表現を軽くしていくのに伴い服の色も薄くなっていくものです。

案内状に「平服でお越しください」と書かれているケースがありますが、この場合もカジュアルな服装は失礼に当たります。法事の回忌数や格式にもよりますが、黒や紺、グレーをベースにしたスーツ、またはそれに準ずる服を着用するのがベターです。

【男性のマナー】

一般的に、男性は色の濃いスーツに白いワイシャツを選び、ネクタイは黒かまたは地味な色柄を選びます。赤色が入っているのはマナー上はよくありません。靴下もスーツの色に合わせ、黒かグレーなどがよいでしょう。光るものは不向きであるため、アクセサリー、時計のベルトなどにも気を付けましょう。革のジャンパーや、爬虫類の皮を用いたベルトも不向きです。殺生を連想させてしまうためです。

【女性のマナー】

女性の場合は、黒か地味な色のワンピースかスーツが無難です。同様に黒か地味な色のストッキングを履き、靴も黒に近い色を選びます。ミュールなどといった、かかとやつま先が見える靴は不向きです。もちろん、化粧も薄めにしましょう。

アクセサリーはしないのが礼儀ですが、結婚指輪であれば失礼には当たりません。もし大きな石が付いている場合は、内側に回して隠すとよいでしょう。パールのネックレスであれば構いませんが、大きめのイヤリングやピアスは避けましょう。腕時計も派手なものは不向きです。

【子供のマナー】

子供の場合は、学校の制服があれば男女ともに正式な礼装となります。もし制服がなければ、黒や紺などの地味な色合いの服装を選びましょう。白いシャツにズボンやスカートなどといった服装でも問題ありません。

■法事当日に気を付けたいマナー

【スケジュールに関するマナー】

法事に参加する際は、開始時間を守ることは当然ですが、途中で帰るのも失礼に当たります。開始時間の20〜30分前には会場に到着し、施主に挨拶を済ませてから会場に入りましょう。また帰る際も法事が終了したあとは、施主に挨拶をしてから会場をあとにしましょう。

ただし特別な事情で開始時刻に間に合わなかったり、早くに退場しなければいけなかったりする場合もあるはずです。そうした事情が生じた場合は、施主側にその旨を伝えるようにしましょう。これが招いた側に対する最低限のマナーです。

【挨拶に関するマナー】

施主への挨拶は「本日はお招きをいただき、ありがとうございます」と述べ、「ご一緒に供養させていただきます」といった気持ちを伝えましょう。神式やキリスト教式の場合は仏式とは異なりますので、「供養」「冥福」「成仏」「極楽」といった仏教用語は使いません。会場内では懐かしい方にお目にかかる機会も多いでしょうが、もちろん不要な私語は慎み、節度を保って故人を偲びます。

【会食に関するマナー】

法事当日にもっとも気をつけたいポイントが、会食時のマナーです。施主から会食に誘われた場合は快く応じましょう。ただし、こちらは集まった人同士で故人について語り合うための場であり、宴会ではありませんので、お酒を飲み過ぎたり、大声を出したりするのは禁物です。故人の思い出を語りつつ、自分の生き方を見つめ直す場としましょう。

また、会食が始まる際には「献杯」が行われます。祝辞などで行われる「乾杯」とは違いますので、グラスを当てて音を鳴らしてはいけません。「献杯」と厳かに発声したあと、グラスは高く上げるのではなく、軽く上げる程度にします。もちろん、飲んだあとに拍手をするのもマナーから外れた行為です。宗派によっては、この献杯のあとに合掌や黙祷を捧げる場合もあります。

親戚以外の方であれば、この会食には長居しないのがマナーです。ほど程のところで切り上げましょう。施主は会食終了の時間が近づくと引き出物を配る用意を始めます。これが会食終了のサインですので、食べ残しがないように料理を食べ、お酒をおかわりせずに会食を終了します。その後、施主に挨拶をして会場をあとにします。

■焼香の作法

【焼香とは】

焼香とは、お香を焚いて故人に対して供養を捧げる行為です。お香は仏教の発祥の地であるインドから伝わってきたものとされています。気候の暑いインドでは酷暑によっていろいろな匂いが発生します。これらを消すためにお香を用いるのですが、葬儀の際にお香を焚くようになったのは遺体から発生する匂いを消すためとされています。

日本に焼香が伝わったのは、仏教伝来とほとんど同時と考えられています。現在ではドライアイスなどで遺体の腐敗を遅らせることができるようになりましたが、焼香は供養を捧げる行為のひとつとして現在も続いています。自らの身をお香によって清めるという意味合いもあります。

【焼香に関するルール・マナー】

線香をあげることも焼香のひとつですが、基本的に通夜や葬儀、告別式などでは、お香を細かくした「抹香」を使用します。このときの作法は慣れていないと戸惑う人がほとんどでしょう。宗派によっても細かく違いますので、あらかじめ確認しておく必要があります。

とはいえ、基本となる部分は同じです。右手の親指と人差し指、中指の3本で抹香を少しつまみ、額の高さまで上げます。これを「押しいただく」と言います。その後、指をこすりながら抹香を静かに香炉に落とします。これを1〜3回行います。宗派によって回数は異なり、押しいただかないケースもあります。

焼香は、会場の規模などに合わせて「立礼焼香」「座礼焼香」「回し焼香」のいずれかで行われます。基本的には、故人との関係性が深い人から順に焼香を行います。「立礼焼香」「座礼焼香」では、自分の番になったら施主と僧侶に一礼をし、焼香台まで行きます。夫婦や家族は一緒に焼香するのが通例です。

焼香台の前では姿勢を正し、遺影や本尊、位牌に合掌し、一礼します。そして抹香を指でつまみ、焼香を行います。このときの作法は宗派に合わせます。その後は再び合掌し、最後に施主と僧侶に一礼して自分の席に戻ります。座礼焼香の場合は、腰を落とすか、あるいは膝をついたまま移動し、焼香台の前まで行きます。焼香は正座して行うことになります。

一方で、回し焼香は主に自宅や狭い会場で行われる方法です。自分で焼香台に行くのではなく、座っている場所に焼香炉(あるいは焼香盆)が回ってきます。自分に回ってきたら焼香をし、炉を隣の人に渡します。椅子席で回し焼香が行われる場合は、自身の膝に載せて焼香を行います。

また、最近では線香による焼香も行われるようになってきました。この場合、焼香台へ進んだら合掌をしたあと、線香を一本持ちます。灯っているろうそくから火を点け、左手であおいで火を消します。このとき息を吹きかけて消すのはマナー違反となります。火が消えたら香炉の空いている場所に線香を立てます。

お線香による焼香においても宗派によって違いがあり、線香を寝かせたり、本数にも決まりがあったりするケースもあります。法事が始まる前に施主や関係者に確認しておくといいでしょう。

■まとめ

法事は一年に何回もある訳ではないので、マナーやしきたりを完璧にこなすのは容易ではありません。しかし、だからこそしっかり対応するのが大人としての役目であるといえるでしょう。法事に関わるすべてのことは、故人への供養につながっていくものなのです。

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