オール電化でお得な生活ができる?メリット・デメリットもご紹介

オール電化について、「調理、空調、給湯といった家庭内で使うエネルギーをすべて電気で賄う」という仕組みから、オール電化で中心となる機器の機能紹介、さらにメリットとデメリットについてご説明します。上手に使えばお得で便利な暮らしができるオール電化。導入を検討する際の参考として、ぜひご覧ください。

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オール電化とは?

まず、そもそも「オール電化」とはどのようなものなのかについてみていきましょう。調理、空調、給湯といった家庭内で使うエネルギーをすべて電気で賄うようにしたのが「オール電化住宅」であり、別名「全電化住宅」とも言われています。家庭内のエネルギーは長年ガスと電気が併用されてきましたが、1980年代後半からオール電化モデルハウスが展示されるようになり、徐々にIHクッキングヒーターやエコキュートといった機器も登場し、2000年代後半から急速にオール電化住宅の普及が進みました。

オール電化住宅の最大の特徴は、深夜電力を低価格で利用できることにあります。安い深夜電力を使って夜中のうちにお湯を沸かしたり熱を溜めたりしておき、それらを日中に使うことで、電気料金を大きく節約することができるのです。

また、このシステムは、電気の利用が集中する昼間にあまり電気を使わず、電気利用の少ない深夜に活用するという「電力のピークシフト」に基づいており、環境に配慮した省エネルギーや節電にも効果的です。家計にも環境にも優しい省エネルギー設計がオール電化の魅力と言えるでしょう。

続いて、オール電化で使われる機器についてみていきましょう。調理はIHクッキングヒーターやIH対応調理器具、空調はエアコンや蓄熱式電気暖房機、床暖房システム、給湯はエコキュートや電気温水器といった機器を活用することで、すべてを電気で賄います。

中でもオール電化住宅の柱と言えるのが、給湯で使うエコキュートや電気温水器です。これらを使って夜間に電気でお湯を沸かし、それを日中に使用します。お風呂や洗い物などはもちろん、システムによってはこのお湯で床暖房を機能させることもできます。

ここで、エコキュートと電気温水器の違いについてもご紹介しておきましょう。エコキュートは電気温水器の一種ですが、お湯を沸かす際の仕組みが異なります。エアコンと同じ空気の熱を利用したヒートポンプ技術が使われており、室外機のファンが吸収した外気熱を利用してお湯を温めます。電気だけでなく外気を利用するため、省エネルギーで電気料金も抑えられます。

一方、電気温水器は貯水タンク内にヒーターが設置されており、その熱でお湯を沸かします。電気しか使わない分こちらの方がエネルギーを使い、エコキュートに比較して電気代も高くなります。ただし、エコキュートは設置する際の初期費用が高く、また修理や交換の際にも構造が複雑な分高額になることが多いようです。さらに、エコキュートの方が設置スペースを広く取るため、住宅事情によっては取り付けられないケースもあります。

もうひとつ、オール電化のポイントとなるのが蓄熱式電気暖房機です。こちらは夜間に暖房機内に蓄熱し、その熱を日中に使うことで省エネルギーにつながります。また、住宅によっては電力自体を貯めておく蓄電池ユニットを設置したり、屋根などを使って太陽光発電を行い、それを家庭内の電力として供給したりといったシステムを導入することもできます。

オール電化のメリット

オール電化のメリット1~電気代が節約できる

オール電化最大のメリットは、電気代が節約できることです。その理由は大きく分けて2つあります。1つめは前述したように夜間電力を安く利用できること、そしてもう1つはガス代がかからないため光熱費を一本化できることです。

1つめの夜間電力について詳しくみていきましょう。元々、電気料金は時間帯別単価が導入されており、電力使用が集中する昼間に比べ夜間は安く設定されています。オール電化の場合さらに、ライフスタイルによって料金プランを選ぶことができ、夜間電力を格安で利用できることが多くなっています。

安く抑えた夜間電力を使い、夜中のうちにエコキュートや電気温水器でお湯を沸かしておき、蓄熱暖房機で熱を貯めておきます。そして昼間はそのお湯や熱を使うため、上手に使えばほとんど電気を消費せずに済みます。安い夜間電力だけで1日分のお湯や熱といったエネルギーを回すことができるのです。

続いて、2つめの理由である光熱費一本化についてです。ガスを一切使わないということは、ただガス代がかからないだけでなく、基本料金も必要ないということです。その分光熱費は抑えられますし、一本化することで家計の把握や支払いの手間などもより簡潔になります。

オール電化のメリット2~災害時に強い

オール電化2つめのメリットは、災害に強いことです。2011年3月11に起こった東日本大震災におけるライフライン復旧に関するデータによると、ガスは約40%復旧するまでに20日かかったのに対し、電気はわずか5日で約90%が復旧しています。ちなみに、5日の時点ではガスの復旧は10%以下です。このデータからも、万が一の災害時に電力エネルギーの方が、復旧が早く見込めることがよく分かります。

オール電化が災害時に対応しやすいのは電力復旧の早さだけではなく、エコキュートや電気温水器の存在もあります。エコキュートや電気温水器があれば、その貯水タンク内にある水を生活用水として利用することができます。衛生上の問題から飲用水としては使えませんが、災害時に生活用水があればトイレやお風呂、ケガの処置などにも対応がしやすくなります。

また、さきほどガスと電気の復旧率のデータをご紹介しましたが、同じデータによると水道の復旧率は震災後6日で約50%、17日で約80%です。大きな災害時には水道復旧まで1週間から3週間はかかります。このことからも、貯水タンクの水が使えることが大きく役立つと考えられます。

こうした特性や、地震などの災害が増えている背景から、耐震設計のエコキュートも最近では作られています。また、太陽光発電システムや蓄電池ユニットを導入し、停電時の回路設計などが構築されている場合は、電気が復旧するまでの間貯まった電気を使用することもできます。

オール電化のメリット3~火災などの可能性が低く、お手入れも簡単

3つめのメリットとして、火災の危険が少ないこと、日々のお手入れが簡単ということが挙げられます。ガスに比べると、直火を使わないため調理中の火災などの危険が少なく、また、ガス漏れや一酸化炭素中毒といった心配もありません。最近ではほとんどの製品に、焦げ付きやふきこぼれを検知して知らせてくれる機能も付いています。

さらに、IHクッキングヒーターはガスコンロに比べて掃除やお手入れも簡単です。さっと拭くだけで掃除ができるため、ガスコンロのようにこびりついた焦げや油汚れに悩まされるということもほとんどなくなります。ガスを使わないため、キッチンの空気が汚れないというメリットもあります。

オール電化のデメリット

オール電化にはデメリットもあります。それぞれのデメリットについてもまとめてみました。

オール電化のデメリット1~上手に使わないと逆に電気料金がかかる場合もある

1つめのデメリットは、上手に活用しないと逆に電気料金が高くなるケースがあることです。オール電化は安い深夜電力を利用する代わりに、昼間の電気料金は通常よりも割高になります。つまり、夜間にお湯を沸かしたり蓄熱したりしても、それが昼間に足りなくなって電気を使ってしまうと、結果的に高くついてしまうことがあるのです。

こちらの対処法としては、ご自身やご家族の生活スタイルに合わせて、最も適した料金プランや利用方法を考えることが挙げられます。例えば、共働きで子どもも学校に行って昼間はあまり家に人がいないというご家庭であれば、夜間にお湯を沸かしたり蓄熱したりして、それで毎日使うエネルギーを回していくということがやりやすいでしょう。しかし逆に、小さなお子さんや高齢の方がいらっしゃって、昼間に家庭の電力をよく使うというご家庭であれば、昼間に使う際にも節電の意識を持つことが必要になってきます。

また、金銭面のデメリットでは、オール電化を導入する際の初期費用も挙げられます。家庭内のエネルギーをすべて電気に変え、さらにエコキュートや電気温水器、IHクッキングヒーターの設置などが必要であるため、導入自体は決して安価とは言えません。オール電化導入で長期的には光熱費が節約できるとしても、初期費用にどれくらいかかり、それを回収できるくらいの節約が可能なのかは、導入前にしっかりと考えるようにしましょう。

さらに、機器の設置には大がかりな工事が必要な場合もあります。特にエコキュートや電気温水器はスペースも必要であるため、アパートやマンションなどの共用住宅の場合、構造上の問題で設置自体難しいケースもあります。導入を考える際は、事前にそうした工事やスペースについても電力会社と相談し、特にアパートやマンションの場合は必ず管理会社にも承諾の確認をとりましょう。

オール電化のデメリット2~給湯面で飲用に使えない、また水圧が弱い場合も

続いては、エコキュートや電気温水器の給湯に関するデメリットです。タンクに貯水して利用するため、衛生上飲用はできません。そのため、飲用のお湯は別途電気ポットなどで沸かす必要があります。ガス給湯器のようにその場でお湯を沸かし、飲用にも生活用水にも使えるというやり方に慣れていると、その点を不便に感じるかもしれません。

また、お風呂や洗い物をする際にも、水道から直圧式ではなく貯水タンクの内臓ポンプからお湯が送り出されるため、水圧を弱く感じるケースもあるようです。こうした衛生面や水圧の問題は構造上すぐに解決することが難しいため、ライフスタイルの変化として慣れていくしかありません。

オール電化のデメリット3~IHクッキングヒーターは使いにくい場合も

そして、オール電化機器の中で使いにくさや違和感を覚える人が多いのが、IHクッキングヒーターです。ガスコンロのように直火が見えないため慣れるまで料理がしにくい、土鍋や中華鍋といった直火用の調理器具が使えない、IH専用調理器具に買い替えるのにお金がかかる、IH専用調理器具はガス用の鍋などに比べて重くて使いにくい、といった意見も少なくありません。

また、「直火を使わないため火災の危険がなく安全」というメリットも、場合によっては「火が見えないため熱くなっていても気付かず、焦がしたり火傷したりしてしまう」というデメリットになることがあります。特に、小さなお子さまが見た目で熱いと分からずにさわってしまうという点から、「子どもに火の危険を分かりやすく教えられないのは、逆に危険に思える」という意見もあります。

もう一点、IHクッキングヒーターで懸念されるのが電磁波の問題です。IHクッキングヒーターから出る電磁波そのものが人体に影響があるかどうかは明らかではありませんが、ペースメーカーの設定がリセットされたなどの事例はあります。ペースメーカーを付けている方、電磁波過敏症の方、妊娠中の方などは、導入前にそうした面でも問題ないか調べてみた方が良いでしょう。

オール電化のデメリット4~停電時のリスク

そして、オール電化の最大の弱点とも言えるのが、停電すると家庭内のエネルギーに関する全機能が使えなくなるリスクがある点です。ガスと電気を併用していれば、停電してもガスを使ってお湯を沸かしたり、暖房を使用したりすることができます。

停電時のリスクを低くするには、カセットコンロやガスストーブなどを非常用としてストックしておくことが大切です。また、太陽光発電システムや蓄電池ユニットを導入している場合は、停電時にその貯蓄電力を使えるようにしておきましょう。

まとめ

オール電化について、仕組みからメリット・デメリットまでご紹介しました。上手に使えば電気代を大きく節約でき、さらに万一の災害時などにも対応できるという点で魅力的だと言えるでしょう。

しかし一方で、生活スタイルに合わせて導入しないと逆に電気料金が高くついてしまったり、エコキュートや電気温水器、IHクッキングヒーターを使いにくく感じたりする可能性もあります。事前にしっかり調べると同時に、ご自身やご家族の毎日の生活にフィットするかどうかをしっかりと検討してから導入するようにしましょう。

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