雑木の持つ力を庭空間で活かす。 パッシブな庭

建築後3年が経過したお宅からのご相談でした。
庭には何も無く、夏場は太陽光が降り注ぎ、リビングは暑かったそうです。
雑木の庭を提案させて頂き、夏場には影面積が多くなる様に落葉高木を多く植える事にしました。
落葉高木ですので、冬場には葉を落としてくれますので、太陽光を取り込む事が出来ます。
地域植生を考えた植物選定をする事で、その地域の生態系も庭空間へ取り込めます。

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施工前

敷地南側   庭部分と2台分の駐車場
更地の状態で、南側が道路と言う事もあり、太陽光は燦々と降り注ぐ状態でした。
また、目隠しになる物も無く窓も閉めたままでした。

道路側から建物を写した写真

施工後

落葉高木を多く植栽しています。
中低木も落葉樹主体ですので枝ばかりが目立ちますが、ある程度の目隠しとなっています。
冬場は窓を開ける機会も少ないので、この程度で十分かと思います。

施工前

玄関アプローチからの写真

施工後

高木の植栽を3重にする事で影面積を多くします。
その事により、夏場は庭全体の気温上昇を抑える事が出来ます。
庭の真ん中を通る庵治石の園路は、蓄熱効果もあります。
夏場は影になる部分にあるので、朝の気温の低かった状態を維持出来ますので、気温上昇を抑えるのに一役買ってくれます。
また、園路途中の水場も水盤に水を貯める事により、蒸散作用を期待出来ます。
影と樹木と水の蒸散作用により微風が起こります。
また上昇気流が発生し、建物の北側へと風が流れますので、北側からは室内へ涼しい風を取り込む事が可能です。

葉が茂った夏

2枚の写真が夏場の写真です。
この写真は施工後、4ヶ月の写真です。
施工直後でも,此の様に影を多くつくり出す事が出来ますので,庭空間の温度上昇は押さえる事が出来ます。
中低木も繁り、窓を開けても道路からの視線を感じなくても済みます。
下草も大いに繁り、太陽光の反射による輻射熱もありません。

駐車場からの写真

施工後

落葉高木を多く植栽しています。

園路と水場

園路と水場の写真です。
庵治石の拳大の石を畳み込んで園路を設けました。
その園路の途中には降蹲踞形式にし真ん中に皿鉢を置いています。
水場の土留めには園路と同じ庵治石の拳大を積み上げています。
園路が分かれて平面から立体となり、再び平面へと戻り園路へと繋がります。

北側部分

建物の北側部分も微気候を創り出すのには重要な役割を担っています。
建物北側の部分は気温上昇が少ない部分でもあります。
常に建物の影が出来ていますので、夏場でも朝の気温が25℃位です。
日中、南側部分が35℃あったとしても北側部分が30℃位までの気温上昇で済みます。
この北側部分でも影面積を増やしたり、樹木の本数を増やす事で蒸散作用を利用する事が出来ます。
また蓄熱体の利用により、気温上昇を抑えたりする事が可能です。

建物の影が期待出来る部分には、白川砂を敷き詰めています。
北側部分ですので白い石の反射光で暗い感じではなくなります。
延段、飛石、これらも蓄熱体ですので、低い気温を維持出来ます。
日が当たる部分では、隣地との境界に生垣を設け目隠しとします。
この生垣は隣地の庭部分まで影を作ってくれますので北側の影面積が多くなり、気温上昇を抑える事が出来ます。
そして、下草と苔が反射光を押さえ輻射熱も少なくなります。
以外と忘れがちですが、北側部分も忘れてはならない部分です。

完成予想図

提案させて頂いた完成予想図です。

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ガーデン・ランドスケープ

樹木は、様々な力を持っています。その樹木の力を利用した庭つくりを実践しています。

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