家を建てる。 牧歌的風景に向き合う家

風景とは
家と家の間に垣間見る
僅かな隙間であり
この作品のように
ふんだんな借景に
恵まれるというのは
稀なことです。

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お客さんが
少年期を過ごした
この場所は

今も牧歌的な
田園風景の中に
集落が点在する
のどかな場所で

ご両親と暮らすため
また男の子三人の
子育ての場として

ご夫妻は
この場所を選びました。




普段
道路以外の三方を塞がれ
画一的に切り取られた
住宅街での家づくりが
多い私にとって

風景とは
家と家の間に垣間見る
僅かな隙間であり

そのため
ほとんどの場合は

計画の中で
小さな自然を
創り出すものになりがちで

今回のように
ふんだんな借景に
恵まれるというのは稀なことです。

施主のご希望であった
キッチンに連動する
大きなダイニングテーブルを
中心に配置し

リビング越しの
縁側デッキで有機的に
内外を繋ぐという仕掛けが

これほど効果を上げたのは
云うまでもなく
この南側の
遠い風景のお陰だと云えます。

わんぱく盛りの
三人の兄弟たちは

家も野も隔てることなく
駆け回ることでしょう。

そして日本人が、
経済を優先し
未だ欧米の文化に焦がれ
オリジナリティを失っていく中で

次の時代に繋げていくべき感性を
この大いなる大地と
父と母のやさしさに抱かれて
養ってゆくに違いありません。

この家が彼らの原風景の一部として
その道しるべになればと
願うところです。

と、書きとめたのが
2002年のこと。

先日
3人のお子さんのうち
2人はもう巣立たれたと
聞きました。

さて
彼らにどんな記憶を
この家は残したでしょう。

童庵(わらびあん)と
命名した作品でした。

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