【紅の実が印象的】南天の育て方を解説!種類や実つきをよくする方法

南天といえば、冬につける赤い実が印象的な低木樹。お正月の門松に実をつけた枝を飾ったり、祝いごとの際の赤飯に葉を添えたりと、昔から慶事に欠かせない木として利用されてきました。今回は、南天の木の種類や育て方などをまとめてみました。育てる際の参考にしてください!

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南天は日本原産

メギ科の半常緑低木・南天は、学名をNandina domesticaといい、本州では関東以西、四国や九州などの比較的温かい地域に自生している植物です。 関東以北ではあまり自生している姿を見かけることはありませんが、温暖な西日本、九州地方では、野山に分け入ると鮮やかな赤い実をつけた南天の木をよく目にします。

冬につける赤い実と緑の葉のコントラストはとても美しく、お正月に床の間や玄関を飾る生け花には欠かせない存在となっています。

南天は1712年にエンゲルベルト・ケンペル(E.Kaempfer)というドイツ人医師によってヨーロッパへ紹介され、ました。ケンペルは世界で初めて日本とその文化を体系的に紹介した『日本誌』の原著者として知られていますが、彼が初めて世界に伝えた日本独自のもののなかのひとつが南天だったのです。以来、南天は世界でも広く愛されるようになりました。

紅の実が印象的!漢方でも利用される南天

南天の名は同植物の中国での名前・南天竹、南天燭に由来しています。南天の実は古くから漢方生薬・南天実(なんてんじつ)として用いられており、重宝されています。

冬になると鮮やかな赤い実をつける南天は、雪景色に映えて美しく、紅白と縁起が良いことから、絵画などさまざまな芸術のモチーフにもなってきました。そのため、江戸時代から明治時代にかけて、100種を超える園芸品種が生み出され、人々に広く愛されています。当時、改良によって生まれた品種は、今でも40種ほどが残っており、愛好家たちを楽しませています。

赤い実だけじゃない!南天にも種類がある

南天といえば赤い実をつけるものが一般的ですが、実はさまざまな種類があります。個性豊かな南天のバリエーションと、その特徴をご紹介します。

• シロミナンテン(シロナンテン)
通常の赤とは対照的な、白い実をつけるナンテンです。果実は赤くならず、黄色みをおびた白色に成熟します。

• オタフクナンテン
低い木に丸みを帯びた葉をつけるオタフクナンテンは、赤、黄色、オレンジ色などの紅葉も美しく、庭木によく使われる植物です。冬花壇に彩りを添える木として、定番人気を集めています。

• キンシナンテン
糸のように細い葉をつけるのが、キンシナンテンの特徴です。樹高は低く、成長速度も他に比べてゆっくりしています。

• オリヒメキンシ
園芸品種としてはとても古い歴史を持つのがオリヒメキンシ。糸のように細い葉が特徴です。

丈夫で育てやすい南天の育て方とは

南天は大変丈夫で育てやすい木です。特別に手をかけることも必要なく、極端に大きくなることもありません。そのうえ、美しい色合いとシルエットで、庭を印象的に演出してくれるので、ぜひ庭木に取り入れたい植物です。そこで南天の育て方の基本をまとめてみましょう。

• 日光のあたりすぎない、日当たりの良い場所で
南天を育てるうえで、日光はとても大切な要素です。基本的には日のよくあたる場所で管理するべきですが、南天は乾燥にも弱いため、極端な直射日光や強い西日を受ける場所などは、管理に適しているとは言えません。

午前中はよく日差しを受け、午後には日陰になるといった半日陰でも比較的よく育つようですが、日向で管理する場合と比較して、花や実のつきは劣ることも。比較的気温の下がる地域でも育成できないことはありませんが、寒風があたる場所などは適しません。

• 水はけの良い、保水性の高い粘土質の土壌に
南天はそこまで土を選ぶ植物ではありませんが、水はけがよく、必要な水分は適切に保持できる、やや粘土質の土に植えてやるとよく育ちます。また、南天を植えることで周辺の土中の水分が調整される効果も期待でき、他の植物によい影響を与えることもあります。

• 露地植えでは、水やりは不要
南天を露地植えする場合は、特に乾燥する時期を除いて水やりをする必要はありません。根元の土の状態を適宜観察して、極端に乾燥が進んでいるようなら、水を与えれば良いでしょう。鉢植えの場合は水やりが必要です。鉢土が乾いたらたっぷりの水を与えましょう。

• 肥料は特に必要なし
南天の栽培に、特別な肥料は必要ありません。極端に痩せた土地では肥料が必要な場合もありますが、肥料不足で実つきに影響が出るケースは多くないようです。気になる場合は、植えつけや植え替えのタイミングで、有機肥料や化成肥料を与えるのがよいでしょう。

南天の実つきをよくしようと肥料を与えすぎると、土壌が窒素過多に傾き、逆に実のつきを悪くしてしまうという結果に。ほどほどを心がけましょう。

• 南天の植え替えは暖かい春先に
南天はもともと暖かい地方で育つ木です。植え替えを行う場合は、寒さが緩み暖かくなってくる4月頃がよいでしょう。鉢植えでは根詰まりを起こすと花や実の生育に影響が出るので、2年に1回程度はひと回り大きな鉢に植え替えます。

地植えの大きな株を植え替える場合は、植え替えの半年ほど前にスコップなどで根を切っておきます。葉も半分程度を残して取り除いてから植え替えると、移植後の生育も隆盛です。

• 南天は剪定の欠かせない木
若木の間は育つままにしておいても良いのですが、ある程度株が育ったら、南天は剪定を行う必要があります。暖かくなる3〜4月ごろに、枯れ枝や細い枝を根元から切り落とします。大きく育ちすぎた場合も、低い幹だけ残して育ちすぎた幹を切り落としてしまいましょう。南天は比較的生命力の強い木で、切り戻した枝から新たに芽吹き、枝を伸ばします。

さらに、花芽のついていない枝を選んで根元に近い場所で切り落とし、間引きします。南天は1度実をつけた枝では翌年から3年後くらいまで実をつけることがありません。そのため、実のついている枝を間引いても大方の成長に影響はありません。

• 種を採ったら乾燥に注意
南天の実が熟すと、種をとることができます。果肉を取り除いて、中から種を取り出しましょう。秋に採集した種は、そのまま土に蒔いて育てることが可能です。春蒔きにしたい場合は採った種を保管する必要がありますが、乾燥させてしまうと発芽しなくなるので、湿らせたキッチンペーパーなどに包んで密閉袋に入れ、冷蔵庫で保管します。

南天の実つきをよくするには?

南天は自家受粉(自株の花粉で受粉すること)しづらいため、別種の南天を近くにふた株ずつ植えるのが実つきをよくするポイントです。

また、南天の開花期はちょうど梅雨にあたることが多く、雨の日が続くと受粉が思い通りに行われず、実つきが悪くなることもあります。長雨の際には、花の上にビニール袋などをかぶせて雨避けにしてやりましょう。

南天の赤い実は、ヒヨドリなどの野鳥に狙われることもあります。ただし、南天の実は決しておいしいものではないようで、他に食べるものがなくなった時期まで食べられることは少ないようです。

まとめ

西日本を中心に野山で自生している姿もよく目にする南天は、丈夫でとても育てやすい木です。美しいシルエットと鮮やかに色づく葉や実により、1株でも十分に存在感を発揮してくれます。お庭に和のテイストをもたらすシンボルとして、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

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