秋を彩る紅葉で和の心を堪能!もみじの育て方

秋の深まりとともに美しさを増すもみじの紅葉は、春になると華やかに開花する桜とともに、日本の四季の移ろいを象徴する重要な存在。そんなもみじは、実は自宅で育てることも可能。園芸用に改良された市販の品種であれば、栽培も比較的容易なのです。もみじの種類や育て方についてまとめてみました。

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もみじ(紅葉)って? かえで(楓)とは違うの?

もみじ(紅葉)とは、日本原産であるかえでの野生種を園芸用に品種改良したもの。カエデ属カエデ科に属し、学名はAcer。雑木盆栽を代表する種として、国内で古くから愛されてきました。

もみじという名の由来は、染料を植物の葉から揉み出すことを表す「もみづ」からとされ、植物の染料で布を染め上げるように、草木が鮮やかに色づく様子を「もみぢ」と表現したことからついた名のようです。カエデ属の植物のなかで、秋に紅葉する種をもみじ(紅葉)と呼ぶようになりました。

世界中には北半球の温帯を中心に、約150種ものカエデ属の植物が存在しています。日本国内にはイロハモミジ、ハナノキ、ハウチワカエデなど、約20種が生息。園芸の世界ではカエデ属の植物のうち、葉の切り込みの数が多く、ひとつひとつの切り込みが深いものをもみじ、葉の切り込みが浅いものをかえでと区別しています。

秋の紅葉だけじゃない!もみじの魅力とは

秋に色づく、もみじの紅葉はとても美しいものです。しかし、もみじの魅力は秋の紅葉に限りません。春には芽吹いたばかりの新緑が、夏には日差しを浴びて深みを増す葉の緑がと、1年を通じて葉の変化を楽しめるのです。さらに、落葉後の冬の枝ぶりも大変繊細優美なもので、まさに季節ごとの表情を楽しめる植物となっています。

もみじは、日本の四季の移ろいを体現しているといっても過言ではなく、移ろう四季の美しさと儚さをを堪能することができる、和の心を伝える植物なのです。もみじが、古くから盆栽などに仕立てられて、日本人に広く親しまれてきたのもそのためではないでしょうか。

実際、日本国内において古くは奈良時代からすでにカエデ属の紅葉を楽しむ習慣があり、江戸時代の元禄期には大流行とともに数々の園芸品種が生み出されました。明治維新を経て開国を迎えてからは、日本のカエデ属の植物が次々と海外に輸出されるようにもなりました。文学や芸術、工芸とも深い縁を持つもみじは、日本文化になくてはならない大切なモチーフでもあるのです。

もみじにはどんな種類があるの?

春の芽出しや夏の葉色、紅葉の色具合や枝ぶりなど、品種によってもみじにもさまざまな魅力と表情があります。ここでは、もみじの園芸品種から、特に人気の高いものを中心にご紹介したいと思います。いずれも日本原産のカエデの野生種を園芸用に品種改良したものなので、日本の気候にもマッチしていて、育てやすいものばかりです。ご自宅にもみじを迎える際の参考になさってみてはいかがでしょうか。

• オオモミジ“立田川”
もともと太平洋側に分布するオオモミジの園芸品種で、春に黄色みを帯びた薄緑色の葉が、秋になると徐々に濃度を増して緑色になり、美しく紅葉する姿は見事のひと言。紅葉は濃い赤橙色の葉と黄橙色の葉が入り交じり、とても華やかです。奈良県を流れる立田川は、古来より紅葉の名所として名高い川で、その名から名づけられました。

• イロハモミジ“出猩々”
品種名の「出猩々」は「でしょうじょう」と読みます。オオモミジ同様太平洋側に分布するイロハモミジの改良品種です。新芽と若葉が赤く、夏になると濃い緑色の葉になり、秋には再び赤く色づくという、少し変わった変化を見せてくれます。

• イロハモミジ“猩々”
紫色がかった茶系の葉が特徴で、夏を迎えても葉色を変えることがない品種です。「出猩々」と名前は似ていますが、別の品種で「しょうじょう」と読みます。

• イロハモミジ“珊瑚閣”
一年を通じて樹皮が赤く、幹はピンク色、枝は赤色をしているところを珊瑚に見立てて「珊瑚閣」と名づけられた品種です。紅の枝が醸す全体の豪華な印象が受け入れられたのか、欧米で特に人気の高い品種となっています。春の若葉にも特徴があり、黄色い葉の葉先のみが赤く染まった姿は、花々が咲き誇る春の野でもひときわ目をひく美しさです。

• ネグンドカエデ“エレガンス”
北米原産のカエデ科落葉高木ネグンドカエデの園芸品種で、ややねじれたように展開する葉と、葉の外側に広く入る斑が特徴です。ライムグリーンの斑部分と葉の濃緑色のコントラストが美しく、名前の通りエレガントな印象を与える観葉植物です。

• ネグンドカエデ“フラミンゴ”
同じく北米原産のネグンドカエデの園芸品種・フラミンゴは、枝先に展開する新葉が、白からピンク、ピンクからグリーンへと色を変える、ちょっと変わったカエデの仲間です。枝先で色づいた葉がまるで花のように見えることから、ガーデンのシンボルツリーとしても人気があります。

もみじはどこに、どのように植えれば良い?

もみじは鉢植えでも露地植えでも楽しむことができる植物ですが、いずれの場合も水はけの良い半日陰で育てます。植えつけは休眠期の冬場に行いますが、寒さが厳しい12月から1月は避け、水はけと保水性の良い土に植えつけましょう。

基本的にカエデ科植物は大きく育つ傾向があります。剪定により小ぶりに整えることでサイズをキープすることは可能ですが、特にネグンドカエデなどの外来種ではかなり大きく育つことを想定して、植えつけ時に周囲にある程度のスペースを確保しておくことをおすすめします。

小型の品種は鉢植えで室内で楽しむことも可能ですが、基本的には戸外で管理するほうがよいでしょう。鉢植えの場合、斑入りの品種や室内で管理してきたものなどを、急激に戸外の強い日差しにあてると葉焼けを起こすことがあります。日差しに慣らすために、まずは日陰に起き、徐々に明るい場所へ移動させていくようにしましょう。

水やりは?肥料は?もみじの育て方

乾燥に弱いもみじにはたっぷりの水を与える必要があります。極端に乾燥する場所や強い日差しを浴びる場所に放置してしまうと、もみじの葉はちりちりに乾いてしまいます。葉が乾燥しないいよう、水やりの際には葉にも水をかけてやるようにします。

一方で、水はけの悪い土壌では、水のやりすぎによる根腐れを発生させる恐れも。土の状態を確認しながら、鉢植えなら夏場は朝と夕、春秋は1〜2日に1回、冬は土が乾燥したら水やりを行います。露地植えの場合は、根づいてしまえば真夏の強乾燥期以外は、特に水やりを行う必要はありません。

4、5、6月には毎月肥料を与えますが、与え過ぎには注意が必要です。根のストレスを軽減するために、定期的に剪定して余分な枝を落とし、美しい樹形に整えましょう。

もみじを美しく紅葉させるコツ

紅葉は昼間のうちに光合成によって作られた糖が、気温の下がる夜間などに分解されることにより起こります。つまり、昼と夜の寒暖差が大きければ大きいほど、紅葉は鮮やかに、美しく色づくのです。紅葉の名所が寒い地方や夜間に気温が極端に下がる山間部に多いのはこのためです。

まとめ

紅葉の秋だけでなく、新芽の春、深緑の夏、寒樹の冬と、季節にあわせてさまざまな表情を楽しむことができるもみじ。1株でお庭に和テイストを加えることができる印象的な植物です。クールジャパンとして海外でも人気を集めつつあるもみじをぜひご自宅でもお楽しみください♪

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