いっしょに食べようね。宇藤えみさんに教わる 頑張らない「親子ごはん」のレシピ

スタイリストの宇藤えみさんが提案する「親子ごはん」。大人も子どもいっしょにおいしく食べられるごはんです。家事育児に追われ、子どもの食事を考えるだけで精一杯!そんな世のお母さんたちに、宇藤さんが親子ごはんを通して伝えたいメッセージとは。

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いっしょに食べよう!頑張らない「親子ごはん」

「お母さんといっしょのが食べたい!!!」

小さな子どもが大人と同じ料理を食べたがる。お母さんたちが一度は経験する場面ではないでしょうか。かといって、大人と同じ味付けのものを食べさせるにはまだ早い。

そんなとき、ぜひ作って欲しいのが “親子ごはん”です。親と子がいっしょに食べられて、かつ大人が食べても満足感のある料理。この親子ごはんのレシピを、自らの子育て体験をもとに考案・発信されている方がいます。

スタイリスト・宇藤えみさんが「親子ごはん」を通して伝えたいこと

スタイリスト / 宇藤 えみさん(@emiuto) ファッション・フードスタイリストとして活躍。食の分野では、レシピ開発やテーブルコーディネートなどをおこなう。日本の四季や伝統を、現代のライフスタイルに上手に取り入れた暮らしぶりを発信している

「いっしょに食べること」を大切にして欲しい

「子どもって、大人と同じものを食べているというだけで、満足感が得られるんですよね」

そう話すのはスタイリストであり、4才の息子を持つ母でもある宇藤えみさん。育児に追われ、自らの食事が疎かになり体調を崩した経験から、子どもだけでなく、母親自身もしっかり食べなければいけない、と気がついたそう。

「お母さんってとっても忙しい。子どものごはんを作って食べさせて、自分はキッチンに立ったまま残り物をかきこむ、なんてことも多いですよね(笑)。でも私が大切にしているのは、どんなに忙しくても子どもといっしょに食べるということ。子どもは親のマネをしてパクパク食べてくれるし、なによりお母さん自身もちゃんと食事を摂れる。そんな食卓に、この親子ごはんを活用して欲しいです」(宇藤さん)

出汁は「水出し」で時短

【左:いりこと干し椎茸の水出汁】(水1L、いりこ10〜15g、干し椎茸2個)【右:昆布の水出汁】(水1L、昆布5g)……それぞれ水に材料を入れ、冷蔵庫でひと晩浸けておく。

「世の中にはたくさんの “時短料理” なるものが存在しますが、大切なのは、ひと手間加えた時短料理であることだと思うんです。

例えば、前日の夜に出汁を水出ししておき、朝はそれを使ってお味噌汁を作る。これくらいのひと手間で十分だと思っています。

また、薄味でも出汁が効いていれば、大人が食べてもおいしいと感じます。これから紹介するレシピにも、この出汁を使ってみてくださいね」(宇藤さん)

1. まあるく握る。ゴボウと鶏ひき肉のおにぎり

【材料】(2〜3人分)
・出汁(いりこと干し椎茸の水出汁)……250cc
・米……2合
・鶏ひき肉……150g
・ゴボウ……1本
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・しょうゆ……小さじ2杯
・みりん……小さじ2杯
・酒……小さじ2杯
・塩……少々

【作り方】
1. 米をとぎ、ゴボウは細かくさいて水にさらして水気をきっておく。
2. 土鍋(炊飯器)にといだお米と出汁とAを入れて軽く混ぜる。
3. 鶏ひき肉とゴボウを入れて炊く。
4. 炊けたらおにぎりにする。大人はお好みで塩を加えて調節する。

ポイント:おにぎりは「手」で握る

「おにぎりは、ラップを使わずに自分の手で握るようにしています。

小さい頃、母の握るおにぎりってなぜかとてもおいしく感じませんでしたか?手で直接握ることで、肌の温もりが調味料となり、その人にしか出せない味になると思うんです。

大好きな『佐藤初女(さとうはつめ)』さんの本に書かれていました。おにぎりは、簡単に見えていちばん愛の伝わる料理だと。自分の子どもにも、私の味を覚えていて欲しいなと思います」(宇藤さん)

2. 麦味噌と甘酒で味付け。鮭と白菜の1椀ごはん

【材料】
・出汁(昆布の水出汁)……400cc
・鮭……1切れ
・玉ねぎ…… 1/2個
・白菜 ……1/4個
・人参……1/2本
・しめじ(好みのきのこ)…… 1/4パック
・麦味噌……大さじ2杯
・甘酒……200cc
・塩麹(鮭用)……適量
・米油……少々
・ねぎ……お好みで

【作り方】
1. 鮭をひと口大に切り、塩麹で揉んで15分ほどおく。水分が出るので拭きとる。
2. 野菜を切る。
3. 鍋に油を入れて弱火で熱し、玉ねぎを加えて透明になるまで炒める。
4. 鮭、白菜、人参、きのこを入れて軽く火を通す。
5. 出汁を加え、アクを取りながら野菜がやわらかくなるまで煮込む。
6. 甘酒と味噌を入れて味を調える。
7. ごはんにかけ、仕上げにねぎをのせる。

ポイント:調味料は良いものを使う

「1椀ごはんのように、手軽な料理こそ調味料は良いものを使ってみてください。とっても滋味深い味わいになりますよ。

“3才までが勝負”と言われる子どもの味覚。とある料理家さんが言っていました。『小学生になれば、きっと味の濃いジャンクフードのおいしさに目覚めてしまう。それは仕方のないことで、子ども同士の付き合いだってあるでしょう。でも、舌の土台を整えておけば、必ずまた母の味が恋しくなって戻ってくるよ』と。

今の世の中、完全無添加で過ごすのはほぼ不可能です。あまり過敏になりすぎず、せめて家で食べる物くらいは良い物を。無理はせず、できる範囲で選ぶようにしています」(宇藤さん)

「魅せるごはん」よりも「楽しむごはん」を

「巣ごもりが長引き、SNSを目にする時間が増えた方が多いと思います。他人と比べて落ち込むことだってありますよね。

私自身、スタイリストという職業柄SNSには美しいものをアップしなければいけないと思い込み、疲れてしまった経験があります。

ですが、ふと気がついたんです。器をたくさん並べた食卓もステキですが、『温かいごはんを子どもといっしょに楽しみながら食べる』、ただそれだけで十分だなと。

食卓や子育ての方法はひとそれぞれ。他人と比べず、自分のできる範囲での “ひと手間” を大切にしていきたいなと思っています。

世のお母さん方。しっかり食べて頑張りましょうね!(笑)」(宇藤さん)

無理しない、自分なりのひと工夫を

自炊をする機会が増えた今、毎日の料理がストレスに感じている方も少なくないと思います。そんなとき、「自分のできる範囲でのひと手間を大切に」という、宇藤さんの言葉を思い出すことができたら、ふっと心が軽くなるはずです。

macaroniでは、家事や育児に関する小さな悩みや疑問を随時募集中。ぜひ以下のお問い合わせから、お気軽にお送りください!

文 / 高崎 瑞輝(macaroni編集部)

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