威風堂々和モダン! 築100年古民家をフルリノベ。

ここ数年、古民家リフォームブームが進んでいます。和様建築の再評価と建築技術の進化によって、年輪を重ねた暖かみのある古い建築物を、より住み易く現代的にリノベーションした素晴らしい物件は一昔前とは比べ物にならないぐらいに増えています。ここで紹介する古民家もまさにそんな物件。まるで名家の屋敷かのような威厳溢れる佇まいの外観と、古さと新しさが絶妙にマッチした住み易い内観。だれもが憧れてしまう「日本人に生まれて良かった」と思わせる、そんな物件です。

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写真提供:三井のリフォーム

家族の憩いの場を家屋中央に配置することで広さを活かせる間取りに。

写真提供:三井のリフォーム
稽古場と和室2間をつぶして、家屋中央に新しく配置されたリビング部分。元々あった和室の枠組みをそのまま残すことで、空間の中にまたお部屋があるような、とても洒落っ気のある空間となっています。

17年前に築80年の古民家を購入した際には、その当時ですでに10年程空き家だったというこの物件。まず購入時に最初のリフォームを行ったものの、ぽつりぽつりと不満もあり、リノベーション技術も向上した今なら、という事で2度目のリフォームを決意したというYさん。当初の希望は、不満となっていた茶の間(リビング)の狭さと、客間への動線の長さを解消したい、との条件だったそうです。最初の計画は玄関横にあったピアノ室をリビングにし、隣のダイニングに繋げるだけだったそうですが、三井のリフォームのリフォームプランナーの設計担当と相談していくうちに、家屋全体の全面リフォームを検討するようになったとのことです。

写真提供:三井のリフォーム
リビングの奥へと入っていくとそこはカウンター型のシステムキッチン設備を設置した広々としたダイニングキッチンが姿を表します。ところどころ当時の和室構造の枠組みを活かした造りとしているので、動きのある頭上空間が楽しめる構造となっています。

元々ダイニングの位置が住まいの端にあることが、もう一つの不満であった客間への動線が長過ぎるという問題の原因の一つにもなっていたので、思い切って広さのあるリビング&ダイニングを中央に配置。仕舞稽古場と2間あった和室をリビング&ダイニングに変更することで家族団らんに適したゆったりした広さが獲得でき、加えて動線の起点が住まいの中央になることで客間への遠さも解消されたそうです。それにしても当時の梁や柱を活かして大胆に空間の動きを表現し、ダイナミックに仕上がったリビング&ダイニングは新築にはない贅沢な空間。家族との会話も弾みそうな、いつまでも居たくなる団らんスペースですね。

100年の歴史を感じさせる趣あるモダンなエントランス。

写真提供:三井のリフォーム
全ての動線の基本である玄関は階段ホールと合わせることでたっぷり広くスペースを取っています。すぐ奥には2階へ上がる階段スペース。左側の格子状の引き戸を開ければすぐにリビング&ダイニング。右手にはピアノ室と吹抜けホールという動線配置となっています。また、靴入れの戸には撤去した和室の欄間を再利用しています。この辺りの配慮も嬉しいですね。

思わず古民家ならでは、と言いたくなるようなたっぷりとしたスペースのエントランス(玄関)は、可能な限り当時の面影を残すリノベーションプランを採用しています。天井を高くしたことで家屋を支える柱や梁の存在感がより強調された頭上空間はまさに築100年ならでは。特に威厳溢れる太さの梁とその上にある古式建築様式の特徴である更に極太の釿削りは見物です。この荒々しさをたたえた無骨さこそ古民家の魅力の一つと言えますね。

また、古式建築様式の特徴の一つである床下を高く取った設計のため、玄関からの動線になだらかな階段を設置。完全なバリアフリーとまではいかないまでも、床の高低差をできるだけ少なくするための工夫が随所に盛り込まれたリノベーションプランです。

増築することで開放感溢れる吹抜け構造を実現。

写真提供:三井のリフォーム
ピアノの音の響きが存分に楽しめそうな吹抜け空間。床面は無垢の桜を使用したフローリングとなっています。

玄関右手側には、お嬢様の使うピアノ室に隣接するように吹抜けのホールを配置。こちらも力強い梁と柱の存在感が存分に味わえる空間ですが、実は2階部分は今回のリノベーションで増築した部分との事。吹抜けにしたことで日本家屋らしい開放的な空間が演出されているのが嬉しいですね。多目的に使える、もう一つのリビングのような贅沢な空間となっています。

庭を眺めながらゆったり過ごせる癒しのバスルーム

写真提供:三井のリフォーム
全てホワイトで統一したバスタブ&タイルに、2つの採光用の大きな窓からのぞく陽の光が差し込むことで、明るい室内を演出してくれます。

バスルーム&洗面所は一転して使い易さを重視した浴室を採用しています。ホワイトで統一されたバスルームは、明るい印象を持たせるため採光窓を2面で設置。たっぷりの日差しと目に優しい庭と緑を眺めながらゆっくりと湯に浸かれる、最高にリラックスできる癒しの空間となっています。また、洗面所は木の暖かみを取り入れた古民家ならではのデザインを採用。洗面カウンターにはモミの木の無垢板を再利用し、洗面ボールは信楽焼きの器を使用するなど、伝統的な素材を使いながらもしっかり現代風にアレンジしているのがポイント高いですね。

写真提供:三井のリフォーム
モミの木の無垢材と日本古来の陶器を設備に取り入れる。お風呂に入るのが楽しくなるデザインです。

部屋数を整理し、ゆったり使い易い間取りに。

敷地面積こそ広いが、古い日本家屋独特の和室が並ぶ構造だった施工前。動線も一部室内を通らなければならなかったりと、非常に使いづらいものだった。加えて団らんスペースとなるダイニングが家屋の東側にあったため、客間への距離も長かった。

家族の人数に対して多過ぎた部屋数を整理し、ダイニングキッチンを家屋中央へ移動。たっぷりスペースを持たせると同時に各部屋への移動もスムーズになった。部屋数を減らした分のスペースはウッドデッキに。ダイニングがあった場所は多目的なオープンスペースとし、2階部分増築することで開放感溢れる吹抜け空間も実現した。

築100年という昔の日本ならではの大きな威厳溢れる一軒家を可能な限り当時の面影を残しつつリノベーションしたこちらの古民家再生物件。Yさんの想いとリフォームプランナーのアイデア、そして施工・施工を担当した三井リフォームの持つリノベーション技術と細部にまで行き届いた細かいケアによって、まさに「伝統が生まれ変わった」物件となっています。こうして形こそ変化すれど、日本古来のものが残されていくのは同じ日本人として嬉しいですね。

◆所在地:大阪府
◆構造:在来工法
◆生活様式:家族4人
◆形態:フルリノベーション 築100年
◆施工:約6ヶ月
◆リフォーム工事面積:278.30㎡
◆間取り:施工前=11K+仕舞稽古場 施工後=7DK+吹抜けホール

Text:藤川経雄

設計・施工:三井のリフォーム(三井不動産リフォーム株式会社)

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