実録! バラがメインの庭づくり第11話 晩秋に咲くバラで「クリスタライズドローズ」作り

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引っ越しとともにバラの苗を新しい敷地へ移植し、初めて迎えた秋の開花シーズン。例年より少し遅い開花を迎えた、神奈川県在住で「日本ローズライフコーディネーター協会」の代表を務める元木はるみさんによる庭づくり奮闘記第11話。今回は、今年の秋バラの開花報告とこの時期だからこそ楽しめる「クリスタライズドローズ」の作り方を教えていただきます。

2020年秋咲きバラの開花

なかなか開かないつぼみにヤキモキした2020年の秋の庭。

今年初旬、引っ越し準備を進めて新居の庭にバラを移植し、初めて迎えた秋。我が家の秋バラは、例年よりだいぶ遅れて咲き出しました。公共のバラ園でも、今年は遅く開花したところが多かったようです。

その原因は、10月の低温。9月の剪定を例年通りに行ったところ、10月になり気温の低い日が続いたために、つぼみはできていても開花までに時間がかかってしまったのです。

秋のバラは品種にもよりますが、9月に剪定し、花が見頃を迎えるまで約50日かかるといわれています。例年でしたら、9月1日に剪定すれば、10月20日前後頃が見頃となるところ、今年は10月末頃が見頃となり、11月もたくさん花を咲かせています。

剪定を早めに行った場合は、例年と同じ頃に見頃を迎えたようですが、自然が相手なので、見頃が前後するのは仕方ないのかと思います。

すでに晩秋となってしまいましたが、私の庭のバラたちはまだ咲き続けています。

今回は、初めて迎えた新しい庭での晩秋に咲くバラと、暮らしでの楽しみ方として、バラの花弁で作る「クリスタライズドローズ」の作り方もご紹介します。

今年の秋バラの様子をご紹介します

写真は、秋の七草の一つ、フジバカマを背景に、‘ローズ・ポンパドール’(S)(2009年 仏 デルバール作出)と‘ザ・ダークレディ’(S)(1991年 英 D.オースチン作出)、庭の花を組み合わせたアレンジメントのある風景です。

気品のあるダイヤモンドリリー(ネリネ)と‘スーヴニール・ドゥ・ラ・メゾン’(B)(1843年 仏 ベルーゼ作出)が寄り添い咲きました。

春に咲き、秋にも返り咲いたピンクのリナリア・パープレア‘キャノンJウェント’。

リナリア・パープレアのそばには、‘ザ・ダークレディ’(S)が真紅の花を咲かせて、調和しました。

今年の2月に以前の庭から移植したものの、春にあまり元気がなかったバラが、晩秋になって元気に復活してくれました。

その中の一つ、切れ込みのある優しい色合いの大きな花弁の花をふっさりと咲かせ、濃厚なフルーティー香を漂わせる‘ソフィー・ロシャス’(Cl)(2019年 仏 デルバール作出)。

特徴のある美しい花を、来年にはたくさん咲かせたいと思います。

‘ゴールデン・セレブレーション’(S)(1992年 英 D.オースチン作出)も、大きな株だったため、新しい庭に移植した時は元気がなく、春には花が一つも見られませんでしたが、晩秋になって、秋の青空に美しく映える姿を見せてくれました。

春~晩秋にかけて元気に咲き続けたバラたち

マリー・アントワネットが愛した離宮プチ・トリアノンの名を冠したフロリバンダの‘プチ・トリアノン’(2006年 仏 メイアン作出)は、四季を通して、表情を少し変えながらも、優しいピンクの美しい花を咲かせてくれました。

花もちに優れる和バラの‘雅(みやび)’(HT)(2014年 日 Rose Farm keiji 作出)は、一つ花が終わると、次の花がまた長く楽しめるという、とても観賞期間の長いバラです。写真は、色が褪せても、花形を美しく保ったままの秋の姿です。

無農薬で栽培していても、つやのある元気な葉を落とさず、春~晩秋にかけて次々と丸いピンクのつぼみを上げて愛らしい花を咲かせたフロリバンダの‘ラリッサ・バルコニア’(2014年 独 コルデス作出)。コンパクトな樹形で、花壇の最前列で元気な姿を見せてくれました。

「クリスタライズドローズ」の作り方

晩秋になると、バラの花の中にいる害虫、スリップスもだいぶ減り、空気が乾燥しやすくなりますので、植物をドライにするには最適な時期です。

この時期、よく作るのは、花弁を利用した砂糖菓子「クリスタライズドローズ」です。

今回使用する花弁は、ダマスク香に、ティーの香りが混ざるイングリッシュローズの‘プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケント’(2007年 英 D.オースチン作出)です。

火を通して作るローズジャムや、生でそのままいただく花弁は、ダマスク香で柔らかい花弁が美味しくておすすめですが、「クリスタライズドローズ」を作る際は、ダマスク香以外の香りや、多少、花弁が固めであっても美味しくいただくことができます。作る際も、花弁にうねりがあったり、反り返ったりする柔らかい花弁より、多少硬めでも形が整った花弁の方が、作りやすいと感じます(*花弁は、無農薬で栽培したバラ、または、食べても安全な方法で育てられたものに限ります)。

<材料> 

軽く水洗いして、水気を取った花弁(1輪分)と、卵白(1個分)にレモン汁小さじ1を混ぜたもの。そしてグラニュー糖を用意。

フォークや指を使って花弁にレモン汁を混ぜた卵白を薄く塗ります。

そして、グラニュー糖を表裏に付けます(グラニュー糖が乾燥剤の役目となりますので、均一に付くようにします)。

平らなお皿に、クッキングシートを敷き、間隔を離して並べます。そして、風通しのよい室内か冷蔵庫に入れて、5日~1週間ほど乾燥させて、パリっとしたら完成です。

なお、雨天が続く場合は、乾燥するまでもう少し時間がかかります。

その後保存する場合は、乾燥剤を入れた密封容器に入れ、約3か月以内で、香りが残っているうちに食べきりましょう。

冬に花が見られなくなっても、「クリスタライズドローズ」を手作りしておけば、バラの香りや味わいを楽しむことができます。

晩秋の庭のバラを集めて。

来月12月は、つるバラの誘引など、来春に向けての準備の始まりの時期となります。

今年一年間のバラや庭を振り返って、今年残念ながら思うように咲いてくれなかったバラ、春と秋の宿根草との組み合わせで上手くいったことや、いかなかったことなど、今から情報を整理して、新たな一年のプランニングに役立てましょう。

バラを育てることや庭づくりは、失敗から学ぶことが多く、その経験を生かしながら進めていくものです。上手くいかなかったとしても落ち込む必要はなく、楽しみながら続けていくことが大切です。

我が家に新しく迎えたバラの苗たち。

新しく迎えるバラたちの植栽場所や鉢、用土や肥料、資材なども、今のうちに準備しておきましょう。

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