和室を洋室にリフォームする場合のポイント・費用相場は?施工事例もご紹介
使いにくくなった和室を洋室にリフォームしたいとう方は年々増えつつあります。畳はカビやダニが発生しやすく、アレルギー体質の方にとっても悩みのタネになりがちです。また、畳・障子・襖(ふすま)は、表替えや張り替えなどのメンテナンスが大変なことや、車椅子で生活している方にとっては全面フローリングのほうが過ごしやすいといった理由から、和室を洋室へ変更するケースも多く見られますよ。そこで今回は、和室から洋室にリフォームする際の価格・値段や注意点、一戸建て/マンションのリフォーム事例についてご紹介します。
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【施工内容別】和室を洋室にリフォームする際の費用・価格帯
和室を洋室にリフォームする際には、どこまでの範囲を洋室へ変更するのかをまず検討する必要があります。
畳をフローリングに張り替えるだけのリフォームを行うご家庭もあれば、布団を使わなくなったため押入れをクローゼットにリフォームする例や、襖(ふすま)のみを洋風の建具に変更する例などもあり、いろいろな施工パターンがあります。
ここからは、工事内容ごとのポイントや費用について、詳しくご説明していきます。
畳からフローリング/クッションフロアにリフォームする際の費用・注意点
一般的な6~8畳の和室の畳をフローリングに変更する場合の費用は、9〜35万円前後になることが多いです。
価格を安く抑えたい/掃除しやすい床材にしたい場合には、クッションフロアもおすすめです。
畳からクッションフロアに張り替える際は、費用は8〜18万円(6〜8畳)が目安です。
床材の変更工事では、畳を撤去してフローリング材を張るだけではなく、下地材の設置作業も行います。
たいていの畳の厚さが約40~50mmであることに対して、フローリングは12mm程度の厚みしかありません。
そのため、畳をはがした後に下地木工事を行い、隣り合う部屋との段差を調整するのです。
また床の下地には、根太(ねだ)という横木がありますが、畳の場合、根太は455mmの間隔で広めに組んであります。
しかし、畳よりも強度が弱いフローリングに張り替える場合、根太の間隔を303mm程度にまで配置し直す工事も発生します。
さらに築年数が経っている住宅の和室では、畳の下に断熱材が入っていないケースもあります。
畳よりも冷えやすいフローリングへ張り替える場合、根太の施工前に、断熱材を追加する工事も行う可能性もあります。
なお、使用するフローリング材の強度や性能によって、フローリングの材料費が10万円前後変動するので、機能と予算のバランスを考えながらフローリング材を選びましょう。
マンションの場合は、防音性に注意
基本的にフローリングは、畳よりも防音・遮音性が劣ります。
マンションの和室の床をフローリング材へ変更する際は、防音性を確保するため、必ず管理規約を確認しましょう。
たいていの集合住宅では「防音規定」やフローリングの「遮音等級」が決められています。
フローリング材には、遮音性を表す「L値(エルチ)」が定められており、数値が小さいほど遮音性が高いフローリング材になります。
ちなみに最近のマンションでは、L-45以下のフローリング材が主流です。
なお、2008年以降は、「⊿L(デルタエル)等級」という最新の防音基準も示され、こちらの場合は数値が大きいほど防音性が高いので、混同しないように気を付けてくださいね。
ただ一般的な「合板フローリング」は、さまざまなメーカーから防音基準を満たす商品が販売されているので、条件をクリアできる場合がほとんどです。
しかし、人気の自然素材である「無垢のフローリング」は、防音性が認められていないため、遮音性能のある下地材を別に敷く必要があり、その分の費用や施工時間もかかってしまいます。
採用したいフローリング材によっては合計費用が2倍になってしまうこともあるため、事前にリフォーム会社とよく相談の上、工事内容を決定するとよいでしょう。
壁と天井のクロスをリフォームする際の費用・注意点
和室の壁と天井を、洋室仕様の壁紙クロスにリフォームする場合、6~8畳間の和室であれば費用は10~20万円程度が相場です。
壁や天井クロスのリフォームでは「m(メートル)単位」あるいは「㎡(平方メートル)単位」で料金が変わるので、施工会社からの見積書をしっかりチェックしてくださいね。
天井と壁、および壁と床の継ぎ目には、巾木(はばき)や廻り縁(まわりぶち)で仕上げる工事も行われます。
巾木は見た目をよくするほか、掃除機や家具をぶつけにくくする役割を果たします。
なお、畳をフローリングへ張り替えると同時に、壁・天井も洋室のようにリフォームする場合には、床の工事とセット価格でリフォームしてもらえることも多いため、全体にかかる費用は16~35万円(6~8畳の和室の場合)が相場と言えます。
真壁か大壁か
ところで一戸建ての場合は、和室と洋室の「壁」の構造が大きく異なる例が多く見られます。
床の間や欄間(らんま)などがある一戸建ての和室は、「真壁(しんかべ)」と呼ばれる柱を露出させるタイプの壁であることが多いです。
対して、洋室の壁は「大壁(おおかべ)」と呼ばれる、柱を見えなくする仕様とするのが一般的です。
そのため、一戸建ての和室の壁を洋室風にする際には、耐火ボードを張る/壁の厚みを調整する、といった作業も必要になります。
一方マンションの和室の場合は、洋室と同じ「大壁」であるケースがほとんどのため、一戸建ての和室を洋室へリフォームする時と比べると工期も費用もかからずに済みます。
【真壁を大壁に変更する費用】
真壁を大壁に変更するリフォームでは、15〜25万円ほどのコストがかかります。
「真壁の和室だけど、なるべく安い費用で洋室にしたい」という時にも、まずは遠慮なくリフォーム業者に相談してみるとよいですね。
押入れをクローゼットにリフォームする際の費用・注意点
押入れをクローゼットにリフォームする場合の費用は、6~25万円前後と考えておきましょう。
内容としては、襖(ふすま)を撤去して扉材を取り付け、内側の仕切り材やハンガーパイプなどを設置する工事になります。
襖(ふすま)を残して、中に棚を追加する程度の簡易なクローゼットであれば、2~10万円ほどで施工可能です。
一方、収納スペースが幅広である場合や、ウォークインクローゼット(WIC)にする時には、予算は〜50万円位を想定しておくと無難でしょう。
可能であれば、扉は手前に引けるタイプの「折れ戸」にしておくと、物の出し入れがしやすく使い勝手が向上します。
天袋(てんぶくろ)部分のドアを別で設置する場合は、真上に開く「跳ね上げ式」にすると収納しやすいですよ。
ちなみに、一間幅の押入れの奥行きは800~900mmですが、基本的なクローゼットの奥行きは550~600mmであるため、この約300mmの差をしっかり考慮しておきましょう。
高さが異なる2本のハンガーパイプを設置するなどの工夫をするのがおすすめです。
なお、内部が結露してしまう可能性がある場合は、断熱材や床材の補強工事も必須となるパターンが多いです。
リフォーム担当者から、具体的な工事プランについてしっかり説明を受けておくとよいでしょう。
襖(ふすま)を洋風建具・ドア(引き戸/開き戸)に変える際の費用・注意点
和室の襖(ふすま)を、リビングなどにあるような洋風のドアに付け替える場合、リフォーム費用は1ヶ所あたり3~22万円位です。
最も簡単な工事方法は、建具本体と敷居の交換のみの工事で完了する、引き戸への変更工事です。
開き戸に変更したい場合には、隣室や廊下との段差を埋める工事もプラスして行う必要があります。
建具のグレードによって商品価格が大きく変わるので、開閉のスムーズさや、ストッパー機能の有無なども比較しながら、適切なドアを選択しましょう。
和室全体を洋室にリフォームする際の費用・注意点
6~8畳間の和室を全面的に洋室にリフォームする際の費用は、概算で25〜100万円前後です。原則、予算は50万円以上を見込んでおくとよいでしょう。
マンションの和室全体を洋室にリフォームする際には、壁の工事が容易なため、50~60万円程度でリフォームできることも多いです。
先述したような、床材・壁紙クロス・天井材の張替え、収納・建具の変更といった全ての工事を実施します。
障子窓があった箇所にカーテンを取り付けたい場合には、カーテンレール設置用の下地を入れておいてもらうとよいでしょう。
工事内容や部材の質、下地などの劣化具合によって費用が高額になってしまうため、総額がどの程度になりそうか、現地調査の際にリフォーム会社に確認しておくと安心です。
和室を洋室にリフォームした事例6選
それでは最後に、当サービス『リショップナビ』の加盟業者が実際に和室から洋室へとリフォームした、さまざまな事例をご紹介します。
押入れのみのリフォームや、全面的な改装工事など幅広く掲載しているので、費用なども参考にしてくださいね。
和室から洋室へのリフォームは、施工経験が豊富な業者に相談し、予算などご希望に合ったプランを提案してもらうとよいでしょう。
理想的で快適な洋室へのリフォームを、ぜひ実現したいですね。
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