タワーマンションに住み後悔した理由11選!口コミと統計を基に解説

・タワーマンション購入を検討しているけど、どんなことで後悔することが多いの?
・タワーマンションに住むと後悔する?

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憧れのタワーマンションに住んでみたいけれど、実際の住み心地や後悔するポイントがあるのか気になるところですよね、

土地活用のいろはがタワーマンション購入者を対象に実施したアンケートでは、タワーマンションを購入した人の4人に1人が後悔、どちらかと言えば後悔という回答をしています。

後悔の理由は資金面や利便性、安全性など多岐に渡るのでタワーマンションの検討時に後悔のしないよう、重視したいポイントと照らし合わせながらチェックすることが大切です。

そこでこの記事では

・タワーマンションに住んでみて後悔した理由11選
・タワーマンション購入で後悔してしまう人の特徴
・タワーマンション購入がおすすめな人
・タワーマンション購入で後悔しないためのチェックポイント

をまとめて解説します。

最後まで読めば実際にタワーマンションに住んでいる人がどのようなことで後悔しているのか把握でき、後悔のないようタワーマンションを検討できるようになるはずです。

自分にとって快適に暮らしができるよう、タワーマンションの検討前に確認しておきましょう。


1. タワーマンションに住み後悔した理由11選

冒頭でもご紹介したように土地活用のいろはが実施したアンケートによると、タワーマンションを購入した人の4人に1人が後悔、どちらかと言えば後悔をしているそうです。

どのようなことで後悔をしていくのか「資金面」「利便性」「安全性」という3つの項目に分けてご紹介します。

1-1.資金面

資金面は、タワーマンションに住んでみて後悔することが多い項目です。とくに、失敗したなと感じる声が多い

・毎月の支払いが思ったよりも高い
・維持費や管理費が高い
・資産価値が下がってしまった

という3つのポイントについてご紹介します。

毎月の支払いが思ったより高い

タワーマンションは、通常のマンションより購入価格や賃貸価格が高い傾向があります。

マンションデータプラスの調べでは、2019年首都圏新築マンションの平均坪単価は309.4万円だと発表されています。

タワーマンションの坪単価を見てみると、下記の表のようにどの階でも平均的な坪単価より高くなっており、上層階に行くに連れて平均坪単価との開きが大きくなっていくのが一目瞭然です。



東京23区50階建て以上の階別坪単価
9階以下 309.8万
10階~19階 318.8万
20階~29階 325.2万
30階~39階 336.7万
40階~49階 348.9万
50階以上 384.6万



平均坪単価が高いと毎月の返済額や賃料も高くなるため、思っていたよりも生活を圧迫していると感じることがあるようです。

お金が必要となるのは家賃だけではないので、タワーマンションを検討するときに長期的な資金計画を立てていないと「家賃が高くて後悔している」ということに繋がってしまいます。

維持費、管理費が高い

タワーマンションは家賃だけでなく、修繕積立費や管理費などマンションを維持するための費用も高いです。

・他のタワーマンションと差別化するために、共用施設を豪華にしている。
・外観やエントランスなどに費用をかけているため、維持するためにお金がかかる。
・共有部分が多いので、機能を維持するために修繕積立費がかかる。

といった理由で、共用施設やマンション機能の維持管理のためにどうしてもコストがかかってしまいます。

国土交通省が発表している「平成30年度マンション総合調査結果」を見てみると、マンション階数が多い建物のほうが管理費が高いことが分かります。

20階以上のマンションの管理費相場は25,069円なので、10階以下のマンションより10,000円以上高いのが現状です。



形態別 管理費平均相場
3階建以下 14,965円
4~5階建 16,892円
6~10階建 15,307円
11~19階建 16,155円
20階建以上 25,069円


修繕費も同様に、通常のマンションより高くなる傾向があります。

毎月積み立てる修繕費金額は通常11~15年おきに実施する大規模修繕計画により大きく異なりますが、タワーマンションの場合は平均値である11,000円~12,000円より高くなることが多いです。

毎月の家賃やローン返済とは別に管理費や修繕費がかさむところも、タワーマンションに住んでみて後悔するポイントです。



資産価値が下がった

タワーマンションというだけでブランド価値が高いのはもちろんのこと、人気エリアに建設されることが多いので他のマンションよりも資産価値を維持しやすいという理由から、タワーマンションを検討する人もいます。

しかし、いざ売却を検討すると、思ったような価格では売却できないということがあるようです。どのようなマンションでも築年数が経過するほど資産価値が低下する傾向がありますが、それに加えて

・環境の変化により人気エリアではなくなってしまった
・周囲に多くのマンションが建設されて値崩れを起こした
・トレンド感のある間取りや共用施設ではない
・人気がある階数ではなくなった

といった時代の変化に伴う資産価値低下の要因が見つかると、当初想定していたような価格では売却できない可能性が出てきます。

資産価値が低下してしまうと住み替えを考えたときや売却をして資金を得ようとしたときに、後悔することがあります。

1-2.利便性

快適に暮らす上で欠かせない利便性ですが、いざタワーマンションに住んでみると「暮らしにくい」「面倒だな」と感じることがあるようです。

ここでは、タワーマンションに住んでみて利便性が悪く後悔したと感じたリアルな声をご紹介します。

ベランダに洗濯が干せない

タワーマンション購入後に「ベランダに洗濯や布団が干せず困っている」という声は意外と多いです。タワーマンションのベランダに洗濯が干せない理由は主に2つあります。

高層階になると風が強く洗濯が干せない
高層階になるに連れて風の影響を受けやすく、洗濯が飛ばされてしまう可能性があります。布団など重い洗濯が落下したときに、下の階の人や通行人と思わぬトラブルとなることがあるようです。

そもそもベランダがない
安全性に配慮し洗濯が干せるようなベランダが設置されていないタワーマンションもあります。また、タワーマンションの規約により、外観の見た目や安全性の問題からベランダでの洗濯干しが禁止されているケースもあります。

単身者など洗濯物が少ない場合があまり気にならないかもしれませんが、ファミリー層など洗濯が多い家庭となると毎日室内干しをすることがストレスとなってしまうようです。

エレベーターが渋滞する

何百人の人が暮らすタワーマンションでは通勤時や帰宅時にエレベーターを使用する人が集中し、渋滞を起こすことが少なくありません。

とくに10階以上の上位階に住んでいる場合は階段を利用すると大変な労力となるため何とかエレベーターに乗りたいところですが、利用者が集中すると玄関に出るまでに数十分かかることもあるようです。

エレベーターが混み合うことも考慮し早めに家を出なければならないことは、タワーマンションならではの後悔だと言えるでしょう。

インターネット回線が遅い

タワーマンションの設備として、備わっていることが多いインターネット回線。何百人もいるマンションの住民が同じ回線を利用するため、いざ使用しようとすると混み合っており接続が遅いことがあります。

タワーマンション内でインターネット回線の利用者が増える夜間や土曜や日曜などの休日は、思ったように使えないとストレスを感じることも多いようです。

個別にWi-Fiなどを契約すれば解消されることがありますが、マンションにそなわ設備が活用しきれないことに不満を覚えることがあります。

宅配の受け取りやゴミ出しが不便

タワーマンションにもよりますが、郵便の受け取りやゴミ出し、宅配便の受け取りにわざわざ1階まで降りていく必要があります。

初めのうちは気にならないかもしれませんが、毎日マンション内を何往復もすることになるのでだんだん面倒だと感じるようになります。

とくに、面倒だという声が多いのが宅配便です。タワーマンションでは、次のいずれかの方法で宅配便を受け取ります。

1.玄関先まで持って来てもらう
大規模なタワーマンションの場合は部屋にたどり着くまでに数か所のオートロックがあるので、その都度インターフォンで対応しなければなりません。複雑な構造のタワーマンションでは、宅配員がたどり着くまで10分以上かかり待機時間が長いという声もあります。

2.玄関の宅配ボックスに入れてもらう
玄関に宅配ボックスを設置している場合は、宅配ボックスに入れてもらうことができます。しかし、自分で取りにいかなければならないため、宅配便の使用頻度が多い場合は大きな負担となります。

ゴミ出しや郵便物、宅配便の受け取りは生活をしていく上で欠かせないことですが、上位階に住めば住むほど玄関と部屋の往復の大変さに悩まされるようです。

タワーマンションでも騒音などのトラブルはある

タワーマンションに住めば近隣トラブルやマナー違反に悩まされることはないだろうと考えていても、実際に住んでみるとトラブルに遭遇し後悔をしたという声もあります。

・タワーマンションなら騒音が気にならないかと思ったが、足音や子供の声が気になる。
・民泊や会社利用など用途が混雑しており、マナー違反が起きている。
・共用施設の使い方にマナー違反が多い。

など、通常のマンションと変わらないトラブルが起こっているようです。

タワーマンションならではのトラブルとしては「タワマンマウント」「タワマンカースト」と呼ばれる格差が挙がっています。

女性向け総合メディアのLip Popがタワーマンション住まいの男女を対象に実施したアンケートでは、49%もの人がタワマンマウントを取られたことがあると回答しています。タワマンマウントの内容としては

・エレベーター利用時に、上位階の人が偉そうな態度を取る、ボタンを押してくれない。
・自分より上位階の人に挨拶をしても返事がない。
・タワーマンションの何階以下は貧困層という沈黙の認識があり、暮らしにくかった。

という体験が見受けられました。タワーマンションに住めば優雅な生活ができると思っていても、現実は違うということもあるようです。

共用施設が思ったように使えない

タワーマンションにはパーティールームや会議室、ラウンジ、子供用施設など魅力的な共用施設が備わっていることが多いです。

仕事やプライベートで利用できるのがメリットなのですが、人気のある施設は予約が埋まっており自由に使えるとは言えないのが現状のようです。共用施設に魅力を感じて購入した場合は、後悔をしてしまうでしょう。

また、先ほどご紹介したタワマンマウントで

・子供が遊べる施設を利用するときに無言の圧力を感じる。
・低層階の人はラウンジを利用しにくい空気がある。

との声もありました。タワーマンションならではの共用施設も、上手く活用できるとは限らないようです。

1-3.安全性

タワーマンションで住んでみて後悔することが多いのが、安全性です。どのような点で安全面に不安を感じるのかご紹介します。

災害に対する備えが不十分

何百人もの人が暮らす大規模な住居だからこそ、地震や台風などいざという時の備えが必要です。日頃から災害対策や災害時の対応について準備ができており情報共有などもされているなら安心できますが、そうでないケースも多いようです。

2019年10月に関東地方を中心に大きな被害をもたらした台風19号では、武蔵小杉駅周辺のタワーマンションが機能不全となりました。

47階建ての「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」は想定外の雨量に達したため、地下3階の電気設備が浸水し全戸停電に。住民が力を合わせて貯まった水を排水する姿は、記憶に新しいでしょう。

命と財産を守る住まいが災害時に危険にさらされてしまう危険性を考えると、タワーマンションという選択は間違っていたのかなと感じる人もいるようです。

風揺れに酔ってしまう

タワーマンションは鉄筋コンクリート造などの丈夫な部材で建築されてはいますが、低層マンションより揺れを感じやすいのは事実です。

マンションの築年数や構造により風揺れの度合いは異なりますが、高層階になればなるほど影響を受けやすくなります。

高層階では強い風が吹いたり地震で揺れたりすると必要以上に揺れが伝わるため、不快に感じる人もいるようです。風揺れに酔ってしまうという声もあり、快適に暮らせないと後悔する人もいます。

2. タワーマンションの購入で失敗した人の特徴

タワーマンションの後悔するポイントを把握したところで、タワーマンションの購入で失敗していしまう人にはどのような特徴があるのか気になりますよね。

ここでは

・ロケーションのみで検討してしまう
・小さな子供がいるファミリー層
・長期的な資金計画が立てられていない

という3つ特徴についてご紹介します。

2-1.ロケーションやステータスのみで検討

タワーマンションとは、一般的に20階建て以上の高級マンションを指します。人気エリアの一目につく場所に建てられることが多く、そこに住むだけて一定のステータスを感じられるところも大きな魅力です。

野村不動産グループが実施した「タワーマンションに関する意識調査」を見てみると、実際にタワーマンションを購入している人も「眺望がいい」「ステータスが高い」「共用施設が充実している」など、普通のマンションでは得られない部分に満足しています。


タワーマンションに住んだメリットは?
眺望が良い 51.6%
防犯面で安心 41.8%
駅から近い 39.6%
共用施設・サービスが充実 35.2%
窓を開けたままにできる 22.6%
ステータスが高い 22.2%

確かにロケーションやステータスも大切ですが、ここばかりにこだわってしまうと快適さや住みやすさとかけ離れてしまう可能性があります。

例えば、高層階への憧れを重視したところ、玄関まで時間がかかったり日差しが強かったりと快適さに欠ける部分に後から気付き後悔することはよくある話です。バーやジムなどの共用施設に惹かれて購入したもの、実際には使用しなかったという意見もあります。

ステータスやロケーションと同時に具体的な生活をイメージしないと、長く住み続けることが難しいタワーマンションを選んでしまいます。

2-2.子供がまだ小さいファミリー層

タワーマンションは資金面や生活のしやすさを考えると、子供がまだ小さいファミリー層には向いていないという声が多いです。実際にタワーマンションを購入した人の家族構成を見ていると、下記の表のように二人暮らしが最多となっています。

タワーマンションを購入した人の家族構成
●1人
首都圏(都心・湾岸エリア)13.8% 首都圏(郊外駅近エリア)11.2%  関西圏 18.9%
●2人
首都圏(都心・湾岸エリア)29.1% 首都圏(郊外駅近エリア)35.9%  関西圏 34.1%
●3人
首都圏(都心・湾岸エリア)17.9% 首都圏(郊外駅近エリア)23.3%  関西圏 17.7%
●4人
首都圏(都心・湾岸エリア)10.7% 首都圏(郊外駅近エリア)15.9%  関西圏 12.6%
●5人以上
首都圏(都心・湾岸エリア)2.1% 首都圏(郊外駅近エリア)3.3%  関西圏 3.6%

小さな子供を連れてタワーマンション内を移動するのは一苦労です。とくに高層階に住んでいるとベランダや共用施設など子供にとって危ない場所が多く、常に一緒に行動しなければなりません。

また、

・騒音のクレームに気を遣って生活しなければならない
・子供連れのほうがタワマンマウントに巻き込まれやすい
・ファミリーで住もうとすると広い間取りが必要なのでより家賃が高くなる

という理由からも、ファミリー層にはあまり向いていないようです。子供がいる場合は資金面や暮らしやすさを考えると、ある程度子供が成長してから、もしくは独立してからの住まいとして検討するのが良さそうです。

2-3.長期的な資金計画を立てていなかった

タワーマンションで後悔する人は、資金計画で失敗したという声が多いです。タワーマンションに住むことで、家賃やローン以外に必要となるお金には

税金

・固定資産を所有している人が毎年払う固定資産税
・住んでいる地域によっては都市計画税

管理費

共用施設やタワーマンション全体を管理するために必要なお金

メンテナンス費用

大規模修繕に向けての修繕積立費

駐車場代

駐車場を借りる場合は駐車場代がかかる



という4種類があります。仮の数値を当てはめて年間ランニングコストを算出してみると、下記の表のように151万ほどかかることが分かります。

マンションの年間ランニングコスト (固定資産評価額:建物5,000万の場合(軽減措置なし))
固定資産税(建物) 70万
都市計画税(建物) 15万
管理費(20,000円×12ヵ月分) 24万
修繕積立費(15,000円×12ヵ月分) 18万
駐車場代(平均20,000円×12ヵ月) 24万
合計 151万


タワーマンションに住む上で家賃やローン以外に年間100万円以上が必要となるため、この金額も念頭に置いておかないと思ったよりも資繰りが厳しいという結果を招いてしまいます。

また、タワーマンションにかかるランニングコスト以外にも、

・キャリアアップに必要なお金
・旅行など趣味や余暇に使うお金
・家族で使うお金

などどのようなお金が必要なのか長期的に把握しておかないと、つまづいてしまうことが多いです。

3. タワーマンションがおすすめな3つのタイプ

タワーマンションに住むのがおすすめな人は

・普通のマンションでは味わえないステータスが欲しい人
・交通機関や都心部へのアクセス重視で利便性の高い暮らしがしたい人
・長期的な資金計画ができている人

という3つのタイプです。それぞれどのようなところが向いているのか、詳しく解説していきます。

3-1.普通のマンションでは味わえないステータスが欲しい人

タワーマンションならではの魅力と言えば、高層階からの見晴らしやラグジュアリーな外観、ワンランク上の共有施設です。

通常のマンションでは味えない施設や見晴らしを求めたい人には、タワーマンションが向いています。野村不動産グループが実施した「タワーマンションに関する意識調査」ではタワーマンションから見える好きな風景として「富士山」や「スカイツリー」、「花火」などが挙がっており、タワーマンションだからこそ眺められる景色に満足している声や癒されている声が多いです。

また、マンションの共用施設としてパーティールームやラウンジがあれば、友達や同僚が遊びに来たときに優越感を得られるという意見もありました。

暮らしやすさや利便性も把握し納得した上で

・周囲に差がつくステータスとなるマンションに住みたい
・上層階ならではの見晴らしを手に入れたい
・ワンランク上の共用施設で周りを驚かせたい
・高級感のある外観を重視したい

という人に向いています。

3-2.公共交通機関や都市部へのアクセスを重視したい人

タワーマンションはステータスやターゲットとなる入居者を重視し計画されるため、都市部の中でも

・駅直結や商業施設直結で利便性がいいエリア
・繫華街などの人気エリア
・高級住宅街が多い駅近エリア

というエリアに多く建てられます。そのため、公共交通機関や都心部へのアクセスが良好で、通勤や通学、お出かけがしやすいところも大きな魅力です。

また、周辺環境も良好な場合がほとんどで、デパートやスーパー、レストランや医療機関など暮らしていく上で必要な施設が揃っています。

・通勤や通学に時間をかけたくない
・暮らしやすい環境で生活したい
・都心部に出やすいエリアで暮らしたい

という人にとってもタワーマンションは向いています。

3-3.資金計画が明確な人

第1章の資金面というカテゴリーでも紹介したようにタワーマンションは通常のマンションより購入コストや維持費が高いので、明確な資金計画を立てて不安のない状態で住める人におすすめです。

タワーマンションに住むことだけを目標としてしまうと、実際に住み始めてから「節約しなければならない」「予想より資金面が大変」という失敗に繋がりかねません。

一人暮らしをする場合にはタワーマンションを購入してから10年後、20年後の生活をイメージして、本当にやり繰りできるのか検討しましょう。

家族で暮らす場合には

・子供や介護など今後のライフスタイルはどのように変化することが考えられるのか
・貯蓄を始め、マンション以外にもお金を使えるゆとりはあるか
・転勤や転職など仕事の変化により、収入が不安定になる可能性はあるか

など、今後のライフスタイルやお金の使い方を話し合い、タワーマンションが当てはまるようなら検討してみる価値はあるでしょう。具体的な資金計画の方法については、次の章で紹介するので参考にしてみてください。

4. タワーマンションを購入したい人が知っておきたい8つのポイント

タワーマンション購入で後悔しないためには、「資金」「利便性」「安全性」という3つのポイントをしっかりチェックして納得のいく物件を選ぶことが大切です。

ここでは、タワーマンション購入前に知っておきたい「資金」「利便性」「安全性」のそれぞれのポイントを細かくご紹介します。

4-1.資金面

タワーマンションの後悔で多いのは、やはり資金面です。無理な資金繰りをしてしまうと、タワーマンション購入後に快適に暮らせなくなってしまいます。

そこで、タワーマンションの資金面として抑えておきたい

・無理な返済計画にならないよう、長期的なプランを立てる
・売却も視野に入れて、資産価値を考慮する

という2つのポイントをご紹介します。

無理な返済計画にならないよう長期的なプランを立てる

タワーマンションは賃貸料や購入費用、ランニングコストが高い分、無理な計画を立ててしまうと大きな後悔に繋がってしまいます。

目安としては、年収の20~25%をローン返済に充てるよう計画を組むのがおすすめです。例えば、年収600万円の場合20%は120万円なので、12ヵ月で割ると10万円になります。タワーマンションの管理費や修繕費なども含め、毎月の返済や賃貸料が10万程度に収まるのが理想だと言えます。

年収600万円で35年ローンを組もうとしたら、120万円×35年=4,200万円なので住宅ローンの金利も含め4,200万円ほどで収まるタワーマンションを選ぶと心配なく暮らせるでしょう。「年収別ローンの返済額早見表」も参考にしながら、いくらくらいなら無理がないのか計画を立ててみてください。

長い目でみると、タワーマンションにかかる費用以外にも、趣味や生活費、交通費などお金を使うべきことはたくさんあります。ライフスタイルの変化や転職、転勤など長期的なプランを見据えながら、無理のない計画を立てるようにしましょう。

売却することも視野に入れ資産価値も考慮する

タワーマンションを検討するときに将来手放す可能性を考えて、資産価値も視野に入れて検討しましょう。通常タワーマンションは下記のグラフのように、築年数とともに資産価値が低下していきます。これはタワーマンションに限らず、一戸建てでも低層マンションでも同じです。

タワーマンションならではのポイントは、階数によっても資産価値の下落率が変動するところです。下記の表は最上階が50~55階にあるタワーマンションの資産価値推移を示したものですが、最上階や低層階での下落率が大きく20階~30階台では比較的下落率が抑えられているのが分かります。



最上階が50~55階にあるタワーマンションの資産価値推移(分譲5~6年)
中古坪単価 下落率
最上階 185.0万 22.7%
最上階-1階 343.5万 6.6%
最上階-3階 534.0万 -14.1%
最上階-5階 296.9万 5.2%
最上階-7階 278.4万 4.7%
最上階--11階 358.0万 2.5%
最上階-12階 313.9万 -10.6%
最上階-13階 271.9% 2.9%
最上階-14階 282.0万 0%
最上階-15階 210.5万 12.2%
最上階-17階 350.0万 2.4%
最上階-18階 270.6万 2.0%
最上階-19階 334.0万 4.9%
最上階-20階 338.3万 -10.2%
最上階-21階 355.7万 0.2%
最上階-23階 255.7万 2.7%
最上階-27階 167.0万 14.3%
最上階-29階 336.0万 3.4%
最上階-30階 206.0万 4.7%
最上階-33階 150.0万 21.9%

マンションや間取りによって人気階は異なるため一概には言えませんが、売却を視野に入れるなら低層階や上位階は避けたほうが良さそうです。

他にも、タワーマンションの資産価値を左右するポイントとして

・駅直結や都心部、人気エリアなど今後も需要が多いエリアである
・メンテナンスが行き届いている(定期的に修繕を実施している)
・魅力的な価値やブランド力がある(ロケーションがいい、外観がおしゃれなど)
・ワンランク上の共用施設が備わっている

という点もチェックしておきましょう。「購入時は高かったのにすぐに資産価値が落ちてしまった」という声もあるので、さまざまな視点から総合的に判断してみてください。

4-2.利便性

タワーマンションを購入で後悔しないためには、暮らしやすい環境を選ぶことも欠かせません。

ここでは利便性に直結する

・タワーマンション周辺の環境をチェックする
・使いやすい共有施設があるか確認する
・重視したいポイントに合わせて住む階数を決める
・タワーマンションに住んでいる世帯層を把握する

という4つのポイントをご紹介します。

1.タワーマンション周辺の環境をチェックする

タワーマンションを検討するときは、マンション周辺の環境をチェックしておきましょう。いくら気に入ったタワーマンションを見つけても、暮らしにくい環境では長い間住み続けたいと思えません。

・最寄り駅までの距離(複数路線が使用できる場合は、それぞれの距離を掴む)
・スーパーや病院、ドラッグストアなど利用頻度が高い施設へのアクセス
・子供がいる場合は、学校や保育園、幼稚園へのアクセス
・公園やレストラン、カフェなど一息つける場所はあるかどうか

などを把握しておくと、日常生活が送りやすくなります。とくに、日用品や食品を購入するスーパーや学校、幼稚園などの通学距離は遠すぎると利便性が悪く後悔することがあるため、気になるタワーマンションを見つけたらチェックするようにしてみてください。

2.共用施設の使いやすさを確認しておく

おしゃれな共用施設に惹かれたものの、実際に暮らし始めてみると使用しなかったという声は多々あります。豪華な共有施設が備わっていればいるほどタワーマンションの価格が高くなる傾向があるので、本当に必要な共有施設に的を絞り検討するのがおすすめです。

野村不動産グループが実施した「タワーマンションに関する意識調査」では、満足度の高い共有施設として24時間ゴミカウンターや24時間有人管理、スーパー、コンビニ併設といった暮らしに直結するものが人気を集めています。



タワーマンションの満足度の高い共用施設
1位 24時間ゴミ出しカウンター 満足度:94.8%
2位 24時間有人管理 満足度:89%
3位 スーパー、コンビニ併設 満足度:82.5%
4位 コンシェルジュサービス 満足度:71.8%
5位 温泉 満足度:60%
6位 ラウンジ(バー) 満足度:55.9%

一方で、シアタールームやパーティールームなど日常では使わない施設は人気が低い傾向です。日常生活の中でどのような施設を使いたいのか考えながらマンション選びをすると、後から失敗したなと感じることが少なくなるでしょう。

3.重視したいポイントから階数を決める

価格やロケーションだけで住む階数を決めてしまうと「思ったより暮らしにくい」「部屋から出るのが面倒になった」などの後悔に繋がります。

タワーマンションは40階、50階建ての物件も増えてきており、どの階数に住むのかによってメリットやデメリットが異なります。


●高層階
< メリット >
眺望が良好で、美しい景色とともに暮らせる。
タワーマンションの高層階に住むというだけで、ステータスとなる。
日当たりが良好(暑い場合もある)
< デメリット >
購入価格が高く、資産価値が急に下がりやすい。
玄関まで出るのに時間がかかる。
災害時に大丈夫なのか不安が残る。

●中層階
< メリット >
資産価値を維持しやすい。
リビングやバルコニーの方角によって、日当たりが見込める。
上層階よりも、玄関まで移動しやすい。
< デメリット >
騒音などのトラブルに遭いやすい。
既にエレベーターが満員で利用できないことが多い。

●低層階
< メリット >
タワーマンションの中で最も購入価格が低い。
玄関まで出やすく、外出が億劫にならない。
< デメリット >
資産価値が下がりやすい。
水害時に不安が残る。
日当たりが期待できない。
タワマンカーストで肩身の狭い思いをする可能性がある。




高層階は眺望が良好で優雅な暮らしができますが玄関まで出るのに数十分かかることもあり、外出しにくいところがデメリットです。

一方で、低層階は玄関まで近く外出しやすというメリットはあるものの、日当たりが期待できなかったり水害時に被害に遭いやすかったりというデメリットがあります。

このように、将来の資産価値や利便性、ステータスなど重視したいポイントを絞り、住みたい階数を決めるようにしましょう。

4.住んでいる世帯層を把握しておく

タワーマンションは戸数が多く何百人、何千人の人が暮らしているので、似たような世帯層が多い環境でないと思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。

例えば、優雅に暮らしたい単身者や二人暮らしの人が多い場合、ファミリーで暮らそうとすると子供の声や足音に配慮して暮らさなければなりません。

また、低層階と高層階の価格差が大きい場合は、低層階に住むことでタワマンカーストの被害に遭う可能性が出てきます。

仲介業者や不動産会社に「どのような人が住んでいるのか」「どのような世帯をターゲットにしているのか」聞いてみて、あまりにかけ離れていないか確認してみましょう。

4-3.安全性

最新の設備が揃っているタワーマンションでも、万が一のときの安全対策はしっかりと確認しておきたいポイントです。

ここでは、防犯対策と災害対策の2つをそれぞれご紹介します。いざという時に後悔しないためにも、把握すべき項目を抑えておきましょう。

マンションの防犯対策を確認する

タワーマンションはマンションの防犯対策の先駆者と言わており、セキュリティが強化されている場合がほとんどです。

オートロックや防犯カメラはもちろんのこと、コンセルジュや管理人による有人管理やタワーマンション内の見回りなど安心して暮らせる環境を整えています。

それでも、ベランダや屋上を伝って侵入するケースや営業マンや宅配者を装いオートロックを開錠し侵入するケースなど、タワーマンションで侵入被害が発生しているのが現状です。

そのため、タワーマンションを検討するときには防犯設備を確認するのとともに、

・各部屋に緊急連絡ボタンなどが設置されているか
・空き巣などの被害に遭ったときの対応(保険加入等)

も確認しておくと安心です。

災害時の対処法をチェックする

地震や台風など災害が多い日本では、暮らしと命を守るために災害への備えが欠かせません。タワーマンションを選ぶときにも、いざという時のために備えができているか把握しておくのがおすすめです。

・非常用設備が備わっている
・防災対策マニュアルなどで災害時の対応が共有されている
・定期的に防災訓練を実施している
・生活に必要なライフラインが止まったときの対処法がまとめられている

といった点を確認するといいでしょう。実際に地震が発生したときに「エレベーターが止まった」「水が出なくあり、上位階まで水を運ばなければならなかった」などの声が出ています。

生活に必要なライフラインが止まったときの対処法も、しっかりチェックしておくと安心です。


【災害協力隊を発足!「シティタワーズ豊洲ザ・ツイン」】
2011年の東日本大震災で被害がゼロだった48階建てのタワーマンション「シティタワーズ豊洲ザ・ツイン」。震災を機に居住者たちは災害に対する関心を持ち、管理組合が有志の隊員を募ることで「災害協力隊」を発足しました。

災害協力隊は
・防災マニュアルを作成し避難計画を立てる
・住居者の安全確認を含む避難訓練
・備蓄品の見直し

を実施し、災害時に本当に役立つ防災対策を検討しているとのこと。とくに、全1063戸に及ぶ住居者の安否確認は大変で、「OK」と書かれたマグネットを玄関ドア横に貼り付けフロアリーダーが目視で確認をするという方法を考案しました。

タワーマンションの住居者が積極的に防災に携わり、万が一のときに備えている好事例だと言えるでしょう。

5. タワーマンションの購入は資金面を慎重に

タワーマンションを検討するときには、まず資金面で無理をしないよう慎重に考えることが大切です。

三菱地所レジデンスの実際にタワーマンションを購入した人の自資金比率を見てみると驚くべきことにオールキャッシュで購入している人が多く、無理な資金繰りをしてタワーマンション購入後の生活を圧迫している人が少ないことが分かります。


タワーマンション購入者の自己資本比率
首都圏(都心・湾岸エリア) 首都圏(郊外駅近エリア) 関西圏
オールキャッシュ 50.8% 31.9% 56.9%
50%台 6.4% 17.1% 3.9%
40%台 3.9% 3.7% 1.7%
30%台 6.0% 4.8% 4.3%
20%台 7.1% 5.3% 5.4%
20%台 13.5% 12.4% 22.0%

第4章でもご紹介しましたが、ローンを組む場合は、年収の20~25%をローン返済に充てるよう計画を組むのがおすすめです。これ以上比率が高くなってしまうと、ライフスタイルの変化や急な出費に耐えられない可能性があります。

長期的な資金繰りを計画してみてタワーマンションは難しいと感じた場合には、無理をしないで他の住まいも考えてみるといいでしょう。

6. まとめ

いかがでしたか?

タワーマンションを購入するとどのような後悔が起こるのか把握でき、後悔を避けて検討できるようになたかと思います。

最後にこの記事の内容をまとめてみると

タワーマンションの購入で後悔をするのは次の11の項目

【資金面】
1)毎月のローン返済額や賃貸料が思ったよりも高い
2)維持費や管理費が高い
3)資産価値が下がってしまった

【利便性】
4)ベランダに洗濯が干せない
5)通勤時間帯などにエレベーターが渋滞する
6)インターネット回線が遅い
7)玄関まで遠く宅配の受け取りやゴミ出しが不便
8)騒音トラブルやタワマンカーストなどのトラブルがある
9)共用施設が思ったように使えない

【安全性】
10)災害に対する備えが不十分だと感じる
11)高層階に住むと風揺れで酔ってしまうことがある


タワーマンション購入に失敗する人は次の3つのタイプ
1)ステータスやロケーションのみで検討してしまう
2)小さな子供がいるファミリー層
3)長期的な資金計画が立てられていない

タワーマンション購入が向いているのは次の3つのタイプ
1)普通のマンションでは味わえないステータスが欲しい人
2)交通機関や都心部へのアクセス重視で利便性の高い暮らしがしたい人
3)長期的な資金計画ができている人

タワーマンション購入で後悔しないため知っておきたいポイントは次の8項目
【資金面】
1)無理な返済計画にならないよう、長期的なプランを立てる
2)売却も視野に入れて、資産価値を考慮する

【利便性】
3)タワーマンション周辺の環境をチェックする
4)使いやすい共有施設があるか確認する
5)重視したいポイントに合わせて住む階数を決める
6)タワーマンションに住んでいる世帯層を把握する

【安全性】
7)防犯対策を確認する
8)災害時の対処法が周知されている

特に、資金計画をしてみてタワーマンション購入が難しいと思ったら、他の選択肢も考えてみましょう。この記事をもとに、後悔しない住まい選びができるようになることを願っています。

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