ロボットペットはセラピードッグの代わりになるか?という議論

アメリカの新聞のコラムでロボットペットの効能が取り上げられて話題になっています。ロボットペットはセラピードッグの代わりになることができるのでしょうか?

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コロナ禍で孤独をつのらせる高齢者

世界中に広まったコロナ禍で人との接触が大きく制限されている中、孤独や社会からの断絶を最も強く感じているグループの1つは高齢者の方々です。

多くの国々で高齢者のケア施設や病院への訪問が禁止され、施設内でのレクリエーションや買い物のための外出も制限されているため、施設の居住者のストレスは深刻な問題となっています。

そのような状況の中、2020年9月ニューヨークタイムズ紙に高齢者とロボットペットのエピソードを紹介するコラムが掲載されました。

認知症の方のケア施設に入所している90代の女性が「誕生日プレゼントに犬が欲しい」と家族にお願いされたのだそうです。

もちろんその人が犬の世話をすることは不可能なので、考えた末にご家族は犬型ロボットをプレゼントしたのだそうです。

一見ぬいぐるみの犬のようなそのロボットは介護用品として作られており、撫でると首や尻尾を振り、まばたきをしたり吠えたりすることもできるそうです。さらに気持ちを落ち着かせるための心臓音も感じられるように作られています。

この90代の女性はロボット犬を気に入り、名前をつけて可愛がっているそうです。ビデオ通話をした家族は「母はロボット犬に対して絆を感じているように見えます」と報告しています。

ケア施設を訪れるセラピードッグやペットの効能

パンデミック以前には病院や高齢者の施設を訪問するセラピードッグは全国で人気を集めているプログラムでした。

セラピードッグがもたらす精神面や身体面への好影響についても多くの研究が発表され、その効果効能は科学的にバックアップされていました。

しかしパンデミックの最中においては犬のハンドラーは施設を訪問することができません。パンデミックが無かったとしても、十分な数のセラピードッグとハンドラーを養成することは簡単なことではありませんでした。

高齢者のためのケア施設では、先に挙げた90代の女性がプレゼントされたロボット犬よりもさらに精巧で多機能なロボットペットを導入するところも出て来ています。

このようなロボットペットと高齢者の関わりについても複数の研究が行われ、ポジティブな良い効果が報告されています。

施設の入居者だけでなく、自宅で独り暮らしの高齢者にとっても孤独や社会との断絶は大きな問題です。体の自由がきく人にとっては犬などペットと暮らすことは心身の健康にメリットがあることも分かっていますが、やはり世話が負担になってしまったり、万が一の時のペットの受け入れ先の問題もあります。

ハイスペックなロボットペットは認知機能に問題のない高齢者にとっても、良いコンパニオンになる可能性が指摘されています。

ロボットペットに対する懐疑的な声も

ニューヨークタイムズ紙のコラムでは、高齢者がロボットペットを持つことについて否定的な意見も紹介されています。

マサチューセッツ工科大学の心理学者は「ロボットはプログラムされた通りに動く機械です。そこに人間との絆はありません」とコメントしています。

また全く別の視点では、長年高齢者のケアに携わっているシスターが「認知症の人がロボットを本物の動物だと思ってしまうのは彼らを騙していることになり、倫理的な問題があります」と述べています。

実際にケア施設や病院で働いている人、高齢の親が施設に居住している家族にとっては、ロボットペットは頼りになる存在だという声も多くあるようです。

まとめ

コロナウイルス のパンデミックのせいで、高齢者の社会からの断絶や孤独感が大きな問題になっている中、リアルな犬や猫の姿をしたロボットペットは解決策の1つになるかもしれないというアメリカの新聞のコラムをご紹介しました。

私自身も、もう少し歳をとって犬を家族に迎えることが難しくなったら、ロボット犬を購入したいと真剣に考えています。

身内の介護の経験から、犬の存在が心の安定に大きな役割を果たすことも身に沁みて感じています。しかし犬と高齢者両方の安全や衛生に気を揉むことも多々ありました。リアルなロボットペットは、介護される側の人が気に入れば大きな助けになるのでは?と思います。

セラピードッグは犬自身が楽しめるならとても良いコンセプトですが、中には適性のない犬もいます。ケア施設を訪問するセラピードッグは、正式な介助犬と違って厳密に適性をテストするわけではないので、犬の福祉を損ねていないかどうか注意が必要です。

ロボットペットはセラピードッグの代わりになるだろうか?皆さんはどう思われますか?

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