秋の訪れを感じられる花! リンドウの特徴・花言葉・育て方

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秋に咲く花の代表的な存在となっている、リンドウをご存じでしょうか。深いブルーの花でよく知られていますが、近年では敬老の日のプレゼントとして、リンドウの人気が高まっています。このリンドウ、花色は他にも淡いブルーや紫、ピンク、白などバラエティーに富んでいるんです! 品種によっては15〜20cmほどのコンパクトサイズから、100cmにもなるダイナミックサイズまで揃い、種類の豊富さから、リンドウはガーデニングの花材としても愛好されている植物です。この記事では、リンドウの特性や豆知識に始まり、詳しい育て方まで幅広くご紹介します。

リンドウとは

Flower_Garden/Shutterstock.com

リンドウは、リンドウ科リンドウ属の多年草で、原産地は世界各地に及び、日本では約18種が確認されています。日本のほぼ全域に自生しており、もともとは野生の花で群生することなく、単独で自生する特性があります。寒さには強いものの、暑いのは苦手です。草丈は15〜40cmがポピュラーですが、中には1mにも達する高性種もあります。古来より人々の身近にあった植物で、薬草としても親しまれてきました。

リンドウは3月頃から新芽を出し、茎葉を順調に伸ばして夏を乗り越えた後、9〜11月に開花。常緑性以外は、冬に地上部を枯らし、休眠して越年します。一度植え付ければしっかり根付いて、毎年秋に花を咲かせる息の長い植物です。

リンドウの花名の由来

venars.original/Shutterstock.com

リンドウは、世界各地で古くから薬草として利用されており、古代エジプト時代にもその記録が残っています。主に根が生薬にされ、その味が「竜の肝のように苦い」と評されたことから、中国では「竜胆」と名づけられました。それが日本に伝わり「竜胆」の日本語読みは「リュウタン」でしたが、それがいつの間にかなまって「リンドウ」となったようです。

学名は「

」で、紀元前2世紀頃のイリリア国王、ゲンチアナに由来。彼はリンドウの薬効を発見し、利用価値を発見した人物です。

別名の「疫病草(エヤミグサ)」は、根を生薬にすると病気を治すとされていたことから名づけられました。

リンドウの花の特徴

Scisetti Alfio/Shutterstock.com

リンドウの花色は、青、水色、紫、白、ピンクなど。中には白い花弁に紫がストライプ状に乗る複色もあります。直径2cmほどのベル型の花で、1輪に5〜6枚の花びらがつきます。花穂を立ち上げ、この小さな花がつらなって咲くのが特徴です。

リンドウの花は、光に反応して開花し、曇りの日や夜には花弁を閉じてしまう性質があります。開花時期は、日当たりのよい場所で管理することがポイントです。

また、終わった花がらは1輪ずつ摘み取ると、株が種を残そうとして次々と花を咲かせます。

リンドウの花言葉

venars.original/Shutterstock.com

リンドウの花言葉には、「勝利」「正義感」「あなたの悲しみに寄り添う」「寂しい愛情」などがあります。「勝利」「正義感」は、昔から薬草として利用されてきたリンドウの、「病気に打ち勝つ」というイメージから。「あなたの悲しみに寄り添う」「寂しい愛情」は、群生せずに単独で自生する特性からつけられたようです。また、紫のリンドウには「満ちた自信」、白のリンドウには「貞操」という花言葉が与えられています。

また、西洋のリンドウの花言葉には「悲しんでいるあなたを愛する」「固有の価値」「愛らしい」などがあります。

リンドウの見頃

Svetlana0187/Shutterstock.com

リンドウの開花期は、9〜11月で、最盛期は9月中下旬頃。秋の訪れを感じさせてくれる花です。一部には3〜5月の春に咲く種類や、7〜9月の夏に咲く種類もあります。

リンドウの育て方

これまで、リンドウの特性やマメ知識などについて触れてきました。ここからは、ガーデニングの実践編として、リンドウの育て方についてご紹介。土づくりや植え付け、日頃の管理、病害虫対策、増やし方などについて、詳しく解説していきます。

栽培環境

Milosz Maslanka/Shutterstock.com

基本的には、日なたが栽培適地です。特に春の芽出しの時期と、開花期は十分に日の当たる場所で育て、株を充実させましょう。ただし、リンドウは真夏の暑さと乾燥に弱く、葉焼けしやすくなるので一手間のケアが必要です。特に高山性の常緑性リンドウは涼しい気候を好み、暑さに弱いので注意を。鉢植えの場合は、涼しい半日陰に移動して管理します。庭植えの場合は、梅雨明け頃に午前中のみ光が差す東側や落葉樹の足元などの半日陰に移植するか、鉢植えにして風通しのよい半日陰の場所に移動し、夏越ししましょう。涼しくなったら、再び日当たりのよい場所に植え戻します。

暑さには弱いものの、寒さには強いほうで、強い凍結や寒風に遭わせなければ屋外でも越冬できます。

土づくり

funnyangel/Shutterstock.com

【鉢植え】 

赤玉土(小粒6)、鹿沼土4に腐葉土少々の割合でブレンドし、水はけと水もちのよい土を利用するとよいでしょう。あらかじめ草花の栽培用に配合された培養土を利用してもOK。初心者なら市販の培養土を使うほうが手軽です。

【庭植え】

水はけ、水もちのよい土壌を好みます。植え場所に直径、深さともに30cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。

植え付け

OlegDoroshin/Shutterstock.com

リンドウは種まきからでもスタートできますが、発芽までに時間がかかり、花が咲くまで1〜2年かかるため、花苗店で苗を購入するのがおすすめです。

植え付けの適期は、新芽が動き始める前の3〜4月です。9〜10月に花苗店などに出回る開花株を買い求めた場合は、植えたい場所へ早めに定植します。

【鉢植え】

鉢の大きさは、6〜7号鉢に1株を目安にするとよいでしょう。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。リンドウの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら用土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

リンドウは生育旺盛なため、根詰まりを起こすことがあります。1〜2年に1度は植え替えましょう。植え替えの適期は3〜4月です。植え替えの前に、水やりを控えて鉢内の土を乾燥させておきましょう。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、1/3くらいまでを目安に根鉢を小さくしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢を用い、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢を用意し、植え替えます。

【庭植え】

土づくりをしておいた場所に、入手した苗の根鉢より1〜2回り大きな穴を掘って、植え付けましょう。最後にたっぷりと水やりをしておきます。

庭植えでは3〜5年はそのまま育ててかまいませんが、旺盛に生育して株が込み合っているようなら3月か9月に掘り上げて株分けし、植え直すとよいでしょう。

水やり

Ivanko80/Shutterstock.com

リンドウは、ひどく乾燥すると葉が傷んでしまいます。春から秋の終わりにかけての成長期は、好んで水を吸い上げるため、水切れに注意することがポイント。ただし、毎日与えればよいというものでもなく、多湿になると根腐れすることがあるので注意しましょう。土の乾燥状態を見て水やりし、適湿を保ちます。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、直射日光が当たらない半日陰の場所で管理し、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。

冬に休眠したら、水やりは控えめにしてOK。4〜5日に1度を目安に、表土が乾いたら与える程度でよいでしょう。

【庭植え】

植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がってすぐお湯になってしまうので、朝か夕の涼しい時間帯に与えることが大切です。

追肥

Pawel Beres/Shutterstock.com

追肥の適期は生育期の4月下旬〜6月、9月下旬〜11月上旬です。やや苦手とする真夏に肥料を与えると根が傷むので、この時期は肥料を与えないことがポイントです。

【鉢植え】

月に1回を目安に緩効性化成肥料を施し、株の勢いを保ちます。10日に1度を目安に、液体肥料を水やりがわりに与えてもかまいません。

【庭植え】

3月と9月下旬に1度ずつ緩効性化成肥料を株まわりに施して、その後の生育を促します。株の状態を見て勢いがないようであれば、液体肥料を水やりがわりに与えて、様子を見ましょう。

病害虫

Aleksandr Rybalko/Shutterstock.com

多湿の状態が続くと、病気が発生しやすくなるので、水の管理に注意します。葉にイボのような斑点が出ていたら、さび病の疑いあり。発生していたら、まわりに病気を広げないように、ただちに抜き取って処分しましょう。

リンドウにつきやすい虫は、アブラムシ、ヨトウムシ、ネコブセンチュウなど。アブラムシは茎や葉について吸汁し、ヨトウムシは夜に活動して茎や葉を食害する害虫です。アブラムシやヨトウムシは、植え付け時に適応の粒剤を土壌にまいておくと発生を防ぐことが可能です。ネコブセンチュウは土壌に生息し、植物の根につく害虫です。植え替え時、掘り上げた株の根に小さなコブができていたら、ネコブセンチュウが寄生している疑いがあります。薬剤の対処は難しいので、コブのついた根を切り取って植え直すとよいでしょう。

増やし方

Montana Isabella/Shutterstock.com

リンドウは、株分けして増やすことができます。大株に育ったら、株を掘り上げて土を落とし、2〜3芽つけて根を切り分ければ、その分株の数も増えるというわけです。株分けの適期は3〜4月です。大株に育つと、存在感が大きくなりすぎて持て余してしまうこともありますし、株を小分けにすることで、株が若返って再び勢いよく生育するメリットもあります。

また、挿し芽でも増やせます。適期は5月上旬〜6月上旬。春に伸びた若くて勢いのある新しい茎を選んで切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した茎を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理を。発根したら黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し芽で増やすメリットは、採取した株のクローンになることです。

リンドウは、種まきでも増やせます。ただし、発芽まで1カ月、開花まで1〜2年かかることを知っておいてください。秋の開花後にできるサヤが黄色く変色したら、中に入っている粉のように小さな種を採取。密閉容器に入れて保存しておきましょう。翌年の3月下旬〜4月中旬に、種まき用のトレイに園芸用培養土を入れて種をまき、霧吹きで水やりします。発芽後、込んでいる場所があれば間引きましょう。本葉が2〜4枚ついたら、鉢上げのタイミングです。直径6cmの黒ポットに園芸用培養土を入れ、苗を植え付けます。表土には緩効性肥料を置き肥し、最後にたっぷり水やりを。その後は、1〜2週間に1度を目安に液肥を施して育苗します。

リンドウを育てて秋の訪れを楽しもう!

lorenza62/Shutterstock.com

これまで、リンドウの特性や豆知識、育て方まで、さまざまな角度からご紹介してきましたが、身近な存在になってもらえたでしょうか。ガーデニングの花材として、深いブルーの花は種類が少ないもの。特にリンドウの青花は、秋に取れ入れてインパクトを与えるのに重宝します。ぜひ美しい花を咲かせるリンドウを育てて、秋のガーデニングを楽しんでみてはいかがでしょう。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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