カフェ内装工事の現場日記

東京、明治神宮前・原宿にオープンしたライブラリー・カフェが完成するまでの様子を、現場日記としてまとめてご紹介です。

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明治神宮前のカフェ/OnJapan CAFE

Library CAFE in Harajuku

東京を象徴する発信地である原宿は、国内外問わず旅行客に人気の地域です。
そんな地域にありながら、表通りの喧噪から一歩離れた、ゆったりと過ごせる
ライブラリー・カフェを計画しました。

キャットストリートから1本入った裏路地なので
ほんの少し隠れ家的なカフェだからこそ
ゆったりとくつろげるカフェになっています。

現況調査

原宿にあるキャットストリートの真裏に計画したプロジェクトです。
テナントが二転三転するも無事に決まりました。

まさか、こんな人気スポットでお仕事ができるなんて
高校生の時の自分は想像だにしませんでした。
嬉しいです、そして楽しいです!

そして、ななな、なんとっ!
以前にこのテナントで営業していた美容室は
僕が通っていたサロンだったのです!!
なんという偶然!!!これはもうご縁です!!!

図面の製本

原宿にあるキャットストリートのすぐ真裏で始まった
飲食店のプロジェクトが、無事に工事契約となったので
早速、図面を製本することにしました。

今回は「蝶のように、蜂のように」製本してみました。
まだ厨房が最終決定していないので、後から付け加えます。

超人気エリアということで、テナントの家賃も相当な金額です。
設計期間も施工期間も短期間でまとめなくてはならないので
色々な事がタイトな状態で進んでゆきます。

今回は用途変更が不要ですが
消防署と保健所の許可は必須です。
まさか渋谷のファイヤーストリートにある渋谷消防署に
行くことになろうとは、高校生の時は想像だにしませんでした。

現場打合せ

まだ未決定だった厨房の打合せを現場で行い、計画を詰めました。
オーナー会社の担当者の方と、厨房担当の方、厨房屋さんと工務店さんと
賑やかな打合せになりました。

その後、東京電力の電気開通に立ち会い
さらには、今回で初のコラボレーションとなるアーティストさんと
久し振りに現場で再会しました。(残念ながら実現しませんでした。)

非常にスケジュールがタイトな物件ですが
様々な調整が天こ盛りです。

この後、養生が始まり
午後からは床の下地処理工事が始まりました。

養生工事

スケルトン状態のテナントで、窓や空調設備はそのまま利用するので
傷や汚れ防止のために、まずは養生を施しました。
次に既存のコンクリート床を、研磨して不陸(凸凹)を整える工事行いました。

防水工事

厨房部分を先行して施工しました。
まずはコンクリートブロックを所定の位置に積んで
アスファルトで防水を施します。
その後、調理で出たクズや油脂を公共下水に流さぬようにするために
グリース阻集器という器具を施工しました。

設備配管工事

厨房の防水工事が完了し、次に配管工事が行われました。
厨房と水回りを先行して工事を行っています。

トイレの給排水工事です。建物の排水位置は変えられないので
もちろん事前に排水経路を確認しています。

土間工事

厨房機器の搬入と、オープン前にオペレーションの確認を
行わなければならないので、厨房部分を優先して施工を進めます。
厨房部分の配管工事が終わったら、モルタルを流し込んで土間に仕上げました。
どんどんと工事が進められており、日に日に要すが変わってゆきます。

壁下地工事

厨房やバックスペース、トイレなどを仕切る壁の下地工事です。
今回のプロジェクトでは、壁は多くありませんが
建物の既存部分と調整を図りながら進められています。

給排水工事

今回の物件は、カフェという形態をとっていますが
本格的なお料理も提供するということで
厨房機器も、本格的なものが準備されています。
そのため、しっかりと給気と排気の計算を行い
それに見合った給排気工事を行いました。

天井下地工事

厨房内の排気ダクト工事が完了すると共に
天井の下地工事が行われました。
急ピッチで進められていたので
どんどんと現場の様子が変わってゆきます。

電気設備工事

客席の電気配線工事です。
様々なイベントが開催される予定なので
照明器具が適宜移動できるように
配線ダクト(ライティング・レール)を採用しました。

客席の天井は、躯体の表し(構造の床そのまま)にするので
電気配線が、そのまま露出しないように
鋼製電線管を使用して、配線を行いました。
遊び(余裕)を最小限にするために
丁寧な施工を行っていただきました。

間仕切り工事

間仕切壁には石膏ボードという防火材料を使用しています。
工事の後半に搬入される制作家具と壁の仕上がり面との
取り合いなどを確認しながら工事が進められました。

厨房内は、石膏ボードではなく
珪酸カルシウム板という防火材料を使用しています。
適材適所で建材を使い分けています。

床仕上げ材料

現場には大量の床材が搬入されました。
製品として仕上がったフローリングを使用するのではなく
今回は経年変化を感じられる板材を選定しました。

塗装工事

厨房の火気周りにはステンレスを張り回していますが
それ以外の壁や天井を塗装仕上げとしました。
塗装する色は、カフェの厨房担当の方と相談をして決定しました。

日塗工(日本塗装工業会)の塗装用標準色という色見本を
利用して色を選定して現場へ指示をします。
その後、現場で実際に塗料の色を確認しました。

ダクト工事

テナントのオーナーさんと事前相談を行い
厨房の排気を屋上まで引っ張ることが決定していました。
そのため、外部には一部足場を設置してダクト配管工事が行われました。
ダクトの管径は、厨房の排気計算により決定しています。
厨房のスペックが高いので、大きなダクトを使用しました。

照明器具

客席の照明器具は電気業者さんに制作していただきました。
裸電球が規則正しく沢山並べるというデザインにしています。
今回はポップに仕上げたいと思い、コード部分に赤色を採用しました。

また、よく見ないと気がつかれないかもしれませんが
コードが編み上げてあるタイプを使用しています。
小さなこだわりですが、是非とも実際に実物をご覧ください。
お店の大きさに比べると微々たるデザインですが、とても可愛らしいですよ!

衛生設備工事

便器や手洗器など、衛生設備が設置されました。
トイレ内の床は、唯一タイル仕上げとなっており
壁と天井は濃紺に塗装し、シックに仕上げています。

床造作工事

床材の一部を円形に切り欠きました。
この後、玉砂利など敷き詰めて坪庭として仕上げます。
段差が少ないとはいえ、つまずくと危険なので
端材をかけて、安全に配慮しています。

厨房工事

厨房機器が搬入されました。
厨房の配管工事に先立ち、厨房機器の図面を確認しているので
厨房機器と配管の接続工事もバッチリでした。
今回の厨房機器は全て新品のものを使用しています。
壁のステンレスともマッチしてピッカピカの厨房です。

金物工事

竣工に向けて、細々とした金物も設置されてきました。
写真は、カウンターの上部に取り付けられたワイングラスを
吊り下げるための金物です。

カウンターの上部に、当初計画していた以上に
棚を設けていただいて、収納量を増やしました。

厨房機器

厨房以外にドリンクカウンターを設けているので
そのエリアにも、厨房機器の搬入が行われました。
カウンター下にも、ぴったりと冷蔵庫が設置されました。
コンセントはもちろん、水抜きのための配水管もしっかりと設けられています。
カウンター下にも、収納板を追加しました。

スイング・ドア

飲食店では、保健所の指導により厨房と客席部分を仕切らなければなりません。
そのため、一般的にはスイングドアがよく採用されています。
こちらのプロジェクトでも、例に漏れず取り付けられました。
ドリンクカウンター内の目隠しとしても、少し役立てられています。

塗装のお手伝い

制作家具の搬入も完了して、床の塗装が行われました。
人手が足りず、現場監督さん以外にも電気屋さんや
カフェスタッフの方々にお手伝いいただきました。
もちろん、僕もかり出されました・・・

看板工事

看板が取り付けられました。竣工に向けてもう一歩です。
光源はLEDが使用されています。

黒板塗装

店内の一部には黒板塗装が施されました。
カウンター上部の垂れ壁には、いずれメニューなどを記載したり
廊下部分にアーティストさんなどにデザインをしていただきたいという
オーナーさんのご希望にデザインされました。

現場監督さんの勘違いにより、当初黒い黒板塗装になってしまいましたが
後日、緑色に塗り直していただきました。
トイレやバックスペースに通じる廊下部分の壁や天井が
黒板塗装に塗り込められたスペースになっています。

オープンした現在では、廊下の突き当たりに観葉植物が置かれており
緑色の空間とマッチしています。

シロッコファン

厨房の排気設備として建物の屋上にはシロッコファンという機械が設置されました。
テナントの大家さんの意向で、設置後にいくつか変更を行いました。

オープンも近づき、店内ではオペレーションの練習などが行われています。
もちろん厨房も稼働していますが、この時点でトラブルが発生しました。
ちゃんと給排気の計算を行っていたにもかかわらず、上手く換気が行われていない様子でした。
そこで設備屋さんと共に、屋上へ上り機械の確認を行ったところ
なんと・・・・・風向きの設定が反対になっており、排気が逆流していることが判明しました。
オープン前に気が付けたので大事にはいたりませんでした。

備品搬入

オープンが近づき、工事と平行して機器や備品が数多く搬入されてきました。
職人さんの他にも、カフェスタッフの方も増えてきているので
現場が賑やかになってきました。
そわそわもしてしまいますが、活気のある現場は楽しいです。

サイン工事

トイレやバックスペースの表示です。
オーナーさんがお気に入りのフォントで仕上げました。
黒板塗装なので、白いサインが栄えます。

制作家具

大きいテーブルと2人がけのテーブル、その他にもハイカウンターは
家具工場で制作していただいてから、現場へと搬入していただきました。
とても綺麗な仕上がりになっています。

椅子は色違いや種類違いでバラバラにしていますが
全体的にポップな印象です。
一部の椅子が大手商社さんのミスで予定日に搬入されないという
アクシデントがあり、少々焦りましたが、無事にオープンまでには間に合いました。

鋼材の黒皮(酸化皮膜)をそのまま活かしたテーブルの脚を制作しました。
使い込んだ家具のような味わいがあり、空間と調和しています。

本棚の整理

オープンが近づき、制作した本棚に数百冊の洋書がディスプレイされました。
日本を紹介した洋書で揃えられており、とても見応えのある書架になっており
このカフェの1つの大きな魅力になっています。
販売はされておりませんが、自由に手にとって見ることができます。

植栽工事

店内の坪庭に植樹が行われ、雰囲気がグッと良くなりました。
コッテリではなく、さりげなく和の雰囲気を取り入れています。
外構部分にも、植物が綺麗に配置されました。

レセプション・パーティ

少々残工事や是正工事が残っていましたが
プレ・オープンに向けてレセプション・パーティが開催されました。

現場監督さんや職人さんと共に、僕も参加させていただきました。
お店の仕上がりについては、オーナーさんからも喜んでいただき嬉しかったです。

お料理は酒粕を使用したものなど、「旨味」をコンセプトにした
美味しいものばかりでした。

後日、事務所からお祝いのお花を贈らせていただきました。
TVドラマ にも少し見切れていました。

竣工写真の撮影

無事に引渡を行い、お時間をいただき竣工写真を撮影させていただきました。
早朝から撮影しました。
夜間の照明を付けると、雰囲気が変わります。

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建築士・建築デザイナー

高田博章が主宰する一級建築士事務所。略歴'78: 東京都生まれ '00: 東京理科大学卒業'02: 同大学院修士課程修了'02-'07: EDH遠藤設計室'07…

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