家の税金 A to Z【4】生前贈与、どこまでOK?

住まいを購入&リノベーションをするときに気になる、税金のこと。今回は、一般の方からの質問にお答えします。テーマは、ずばり「生前贈与」。両親からのバックアップを受けて土地や住宅を購入しようと思っている方のお悩みにお答えします。

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質問/生前贈与の境界線

【質問】
今度、建売住宅を購入することになり、私の親からある一定の金額の贈与を受けることにしました。
「住宅資金贈与非課税制度」を使おうと思うのですが、ここで相談があります…。
親からもらったお金を、住宅ローンの完済のためではなく、車のローン完済に使いたいのです。
住宅ローンを組むにあたり、その前に抱えていた負債をなんとかしたくて…。
これって、何か問題がありますか?
(東京都・Oさん)

住宅購入のための贈与なら、最大1500万円まで税金がかからない

相談者さんのように、住宅を購入するにあたって自己資金だけでは厳しいので、親から援助を受けるケースは多いと思います。親から何かしらの資金援助を受ける場合でも、一定額以上の贈与を受ける場合には贈与税がかかります。ただし、1年間に贈与を受ける金額が110万円までは、贈与税はかかりません(これを「暦年課税」と呼びます)。

親から資金援助を受ける場合に、もしも、その援助を受ける目的が住宅を購入するためであれば…。

「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」を受けることができます。

これは平成27年12月31日までに住宅の契約を締結した場合、一般の住宅だと1,000万円、省エネ住宅などは1,500万円まで、親から資金援助を受けても贈与税が非課税となる制度です。なおこの制度は、親だけでなく祖父母(これを「直系尊属」といいます)から、住宅購入資金を贈与してもらった場合にも、適用を受けることができます。

家を購入するのであれば、絶対に知っておいた方がよい制度ですね。

詳細を表でチェック!

なお「住宅資金贈与非課税制度」を受けるには、次の要件を満たす必要があります。

①贈与を受ける子の年齢が20歳以上であること
②贈与を受けた翌年の3月15日までに居住していること
③住宅の床面積が、50㎡以上240㎡以下であること
④贈与をした年の翌年3月15日までに贈与税の申告をすること

床面積の広さなど、引っかかりやすいポイントです。しっかりとチェックしておきましょう。

家の購入のためなら、祖父母からの贈与もOK

住宅資金贈与非課税制度は、親だけでなく、祖父母からの贈与であっても大丈夫です。非課税枠の範囲内であれば贈与税がかからないため、非常にメリットがあります。
もうひとつのポイントは、暦年課税制度と併せて使うことも可能なところ。

この制度の背景には、住宅市場の活性化をしたいという意図があると言えるでしょう。住宅を購入する場合、その資金を親からの援助に頼ることも少なくありません。しかし、その際に高額な贈与税がかかってしまうと、親から子への円滑な資金移転が行えませんよね。そのため、親や祖父母から住宅を取得するための資金援助を受けた場合には、贈与税が非課税となる制度が設けられているのです。

とはいえ、親から受けた資金援助のすべてについて贈与税を免除してしまったら…、そもそも相続税を納める人がいなくなってしまいますね。そのため住宅購入に限定して、親や祖父母から資金援助を受けた場合に限り、贈与税を非課税としているのです。

ですから、これを目的外の車のローンの返済などに充てた場合には、当然ながら非課税制度は使えずに、一般の贈与税が課せられます。

車のローン代金がいくらかにもよりますが、暦年課税制度を使えば、110万円までなら相続税はかかりません。同じような状況で悩んでいる方は、この範囲内で納めるように調整してみてはいかがでしょうか?

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鴇田経営税理士事務所は、法人経営に専門特化した税理士事務所です。日本経済は90年代のバブル崩壊以降、景気の低迷が続き企業を取り巻く環境も97年と03年には廃業率…

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