クリニックのリノベーションは、診療科目や来院層の特徴を押さえることがポイント

リノベーションによって、既存のクリニック・医院を改修するケースが増えています。単なるリニューアルにとどまらず、次世代への引き継ぎや新規開業の場合でも、リノベーション済の建物を使う例の方が新築よりも多いぐらいです。しかし、いざ実際にリノベーションを考えると何から先に手をつけて良いかわからないことも多いでしょう。そこで今回は、クリニックのリノベーションについてお話しましょう。一般の住宅などと異なる特徴や、クリニックならではの注意点などをあらかじめ押さえておき、クリニックの改装計画にお役立てください。

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クリニックリノベーションの特徴

一般住宅のリノベーションであれば、家族の住みやすさや好みだけを考えて改修ができますが、クリニックのリノベーションではそうはいきません。来院する患者さんに安心して利用してもらえる医院とすることが最大の目的になります。そんな、クリニックリノベーション独自の特徴を紹介していきましょう。

診療科目の違いで求められる雰囲気が異なる

クリニックは、内科や外科などの診療科目によってさらに分類されます。クリニックをリノベーションする場合にも、それらの診療科目によって求められる院内の雰囲気やイメージは異なります。

たとえば、小児科であれば子供が安心でき、楽しくなるようなカラフルで明るい雰囲気が理想的ですし、レディースクリニックなら女性の気分を上げるといわれるピンク色を基調とした柔らかい雰囲気が良いといわれます。診療内容や、対象とする患者さんの年齢や性別なども意識したコンセプト作りが大切です。

来院する患者さんの層も見極めよう

診療科目から推測される患者さんの年齢や性別だけではなく、立地や環境条件などでクリニックに来院する年代や職業などの層に特色が見られる場合もあります。たとえば、高校や大学の近くにある整形外科であればスポーツをしている学生層が多くなりますから、リノベーションでもカジュアルで気軽に通える雰囲気を優先するなどです。あるいは、オフィス街のビルテナントのクリニックなら30~40代のビジネスマン中心になるため、整然とした雰囲気の中にちょっとした癒しの要素を設ける、といった具合になるでしょう。

また、郊外や地方都市の内科医院などの場合、ともすれば待合室がご近所さんだらけになることもあるでしょう。そうなると、患者さん同士や患者さんと職員がコミュニケーションしやすい温かみのある雰囲気を大切にする工夫などが大事になってくるかもしれません。

移動のしやすさや区画のわかりやすさは損なわずに

清潔感などのイメージにこだわることも大切ですが、患者さんが実際に利用しやすく、通院するにもできるだけ負担が少なくなるよう院内の構造に配慮することは最も大切です。どんなに整然として居心地の良い空間が実現できたとしても、動線などが使いにくかったり、患者さんがたびたび道に迷ってしまったりするようではいけません。

特に、廊下の視界が開けていることはクリニックにとっては重要です。院内がよく見渡せて、どの扉がどこの入口であるかわかりやすくすることで、通院する患者さんの安心感も増すでしょう。また、玄関から院内に入った時に、受付やトイレなど誰もが立ち寄る箇所がひと目で見てわかりやすい場所にあることもメリットになるはずです。

クリニックリノベーションの注意点

クリニックのリノベーションでは、実際の工事から施工内容まで注意する点がいくつかあります。計画段階で押さえておくべきポイントばかりですから、これらに留意のうえ準備を開始しましょう。

工事に伴う休診日をできるだけ少なくする工夫をする

リノベーション工事に入ってしまうと、やむを得ず休診日を設けなければならないこともあります。休診期間はできるだけ短く済むよう工夫をしましょう。具体的には、ある程度工期を長くかけても段階的に改修を行うようにし、院内で使えなくなる箇所をできるだけ少なくしながら工事を進めてもらうなどの方法が有効です。

設備などは清潔感を重視してできるだけ入れ替えよう

クリニックにも高度情報化の波はやってきていますから、移り変わる診療環境に対応するために改修を考えている医院さんも多いはずです。設備を新しくすることは、現代の医療に対応する目的はもちろん、患者さんに清潔感をアピールできる効果もあります。入れ替えられる設備は、なるべく新しいものにすることで患者さんに安心感を与えられる効果もあります。

建築確認申請が必要かどうか準備段階で確認しておく

クリニックのリノベーション事例

クリニックのリノベーションも、住居や店舗の場合と同じく、増築を伴う場合は立地によっては建築確認申請が必要になります。また、気をつけたいのが用途変更を行ってクリニックにする場合も建築確認が要ることです。また、改修に伴ってエレベーターを新設するなどの場合も要建築確認となる場合があります。また、クリニックの場合はそれらにとどまらず、消防法や医療法などの法律に則って改修することが必要になる箇所が出るかもしれません。必ずプランの段階で法規制を受ける箇所などを明らかにしておき、対策をしておきましょう。

それでは、実際にクリニックをリノベーションした事例をご紹介しましょう。

【事例】空きテナントの元事務所をリノベーション。都会の中の癒されるレディースクリニックに

事務所として使われていたビルの一角の空きテナント物件を、レディースクリニックにリノベーションした事例です。仕切りが特になかった室内の大きなスペースを壁で区切り、診察室や待合室を造ります。ただ区切るだけではなく、移動のしやすさにも配慮。特に、患者さん同士が顔を合わせずに行き来できる部屋の配置を心がけた点がポイントです。

受付のカウンターや待合室のソファなどは、女性好みの明るい北欧調のインテリアで統一。木目調の家具を使うなど、落ち着いてくつろげるホテルのロビーのような院内空間を実現しました。トイレは既存の状態では一度ビルの廊下に出なければ利用できない造りになっていましたが、間仕切りを一部取り去ることでクリニックからも利用できるようにしています。

おわりに

クリニックのリノベーションは、残す箇所と変える箇所のバランスが大切です。「ここは大事に残したい」と思う箇所と「これは新しいものに交換しなくては!」と思う箇所がどちらも多いはずですから、どれを捨ててどれを残すかは最小限でもリノベーション前に決めておきたいものです。お悩みがある方は、まずリノベーション相談から始めてはいかがでしょうか?

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