セキュリティデザインを楽しむ-6   ■「抑止」と「防御」

住宅においても防犯は、防雨防風同様、必須の条件となりつつあります。防犯は犯人との「知恵比べ」。積極的に防犯を受け止め、楽しみながら家づくりに生かしていきましょう。

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■「抑止」と「防御」
 空き巣には、私たちが普通に考える「住宅窃盗犯」というタイプとは別に「住宅強盗犯」とでもいうべきタイプがいます。こっそり入り気づかれずに盗むのではなく、力尽くで入り込み盗み尽くすというタイプです。ここで、家=巣のもつ「抑止」と「防御」という2つの構造とを照らし合わせると、興味深いことがわかります。
 「住宅窃盗犯」の職人タイプに対しては「抑止」が大いに効果を発揮します。いわば、設計者+住み手vs犯人の知恵比べです。
 一方、「住宅強盗犯」の凶暴種に対しては、もはや知恵比べは通用せず、力比べをするしかありません。盗難対策以前に自分の命を守らねばならず、家の中に最終避難室=パニックルームをつくることまで視野に入れた防御が必要となります。予算・面積共にゆとりがないと難しいですが、狙われるのも裕福な層に限られます。両者の防御はまったく異質であり、分けて考える必要があるわけです。
 家づくりにあたっては、出会う確率の高い職人タイプに対応しつつ、凶暴種への防御グレードについては建主と相談しつつ決めていくのが現実的です。誰もが考えなければならない職人タイプへの対応について、次に作戦を立てていきます。(つづく)

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東京の建築家です。「人間の内面と呼応する建築空間」をテーマに、設計活動を行っています。住宅においては、建主の夢や希望を出発点に、住み手の内面が豊かに育まれるよう…

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