ハウスメーカーの建築士ってどんな人? 注文住宅の設計士に家づくりのコツ聞きました!

設計士はどんなお仕事をしている人? その疑問を解決すべく、アイダ設計の建築士 森田 安昭さんに突撃インタビュー!前編では、ハウスメーカーの設計士さんのお仕事についてお話をうかがってきました!

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夢のマイホーム、注文住宅をハウスメーカーに依頼したら、どんな人が我が家を設計してくれるのかな?

一生に一度の大きな買い物、気になりますよね。そんな疑問にお答えするべく、ieny編集部は、普段あまり表にでてくることがないハウスメーカーの建築士さんに会いに行ってきました!

注文住宅を設計する際のこだわりは? 納得の我が家を建てるために大切なこととは? これからマイホームを建てる上で、ぜひとも知っておきたいポイント満載のインタビュー前後編です。

前編では、ハウスメーカーでの注文住宅の設計の流れから、間取りの詳しい設計方法まで、ハウスメーカーの建築士さんのお仕事について大解剖!

ハウスメーカーでの注文住宅設計の流れとは?

―夢のマイホーム建築をハウスメーカーさんにお願いしたら、どのように我が家を設計してもらえるのでしょうか? 注文住宅の設計の流れにそって、教えていただけますか?

森田さん:アイダ設計の場合、注文住宅の設計の流れはおおよそ次のとおりです。お客様との打ち合わせは、もちろん初回だけでなく都度、必要に応じておこないます。

お客様との打ち合わせは、基本的には接客担当の営業がおこない、建築士は、設計に関わるパートを担当します。設計担当は、お客様のご要望を具現化した図面について、依頼内容が反映されているか、不具合はないか、法規上の問題はないかなどの確認と調整をおこないます。

打合せでは、営業担当が部屋の内観を立体イメージとして見ることができるアイダ設計専用のソフトウエアを用いて、お客様とモニターを見ながら、その場で窓の位置などの調整をおこなうこともあります。

―図面だけではイメージしにくい場合もありますが、画面で立体で見られるのは分かりやすくていいですね! 法規上の問題というのは、どういったことでしょうか?

森田さん:家を建てるにあたって隣地斜線規制などさまざまな規制がありますので、それら規制にきちんとそっているかの確認です。

―建築士さんチェックの段階で、「もっとこうしたほうが良い」など、より良い住まいづくりのための提案はいただけるのでしょうか? 自分なりに良かれと思ったことでも、暮らす上では必ずしも良いとはいえないケースが結構ありそうです。

森田さん:もちろんです。たとえば、テレビを置く位置を考慮して、この設計だと窓がかぶってしまうので窓の位置を上げましょうとか、ベッドを置くとコンセントが隠れてしまいますなど、設計の側からお伝えしたりします。そういうのって、モノの大きさを知らないとお伝えできないので、結構“モノ”の大きさは勉強していますね。

―コンセントの位置! すごく重要です。図面を見ただけで、脳内でそこまで再現できてるんですね。

森田さん:設計の経験が長いので、できるようになりました。脳内に立ち上がるというか。お客様のお話を聞きながら、頭の中で家をつくってます。

―頼もしいです。図面の検討とあわせて、費用の課題があります。予算の兼ね合いがあり、理想と現実の間で、さじ加減が難しいですね。

森田さん:お客様にとって良いと思う提案は、予算よりも上がってしまっても、お客様に投げかけてみるということをします。価値観は、お客様にありますので、たとえば10万円のものが高いのか安いのかは、おうかがいしてみないと分かりませんから、ひとまず提示させてもらいます。

―図面と金額が決定すると、いよいよ契約ですね。契約がおわると、設計士さんの出番は終わりですか?

森田さん:まだまだ図面の調整等ありますので、引き続き関わっています。大抵の場合、契約後に敷地調査が入ることになるのですが、調査結果によっては図面の変更、たとえば盛り土が必要など、が求められる場合があります。こういった費用もあらかじめ見込んではおきますが、最終的な詳細図面と詳細見積もりが、この段階で確定することになります。

詳細図面が確定して、行政への申請が完了すれば、いよいよ着工です。着工後は、関わっていたものに対して、現場に出たりとか、現場監督との詳細打ち合わせを行ったりします。

実際に建てて立体になったときに、紙ベースの図面では見えてこない、現場で「ここどうなの」ということが出てくる場合があります。その部分を、設計の側からお答えしたりする。

たとえば、「おさまり」です。階段下にトイレや収納をおさめるというのがよくありますが、図面ではおさまっているスペースの高さについて、図面ではこういう表記だけど、現場ではこうスペースがとれる、どっちがいい? というようなことです。

それで、施工完了すれば、お客様へお引渡しということになります。

間取りづくりは、お客様ごとにゼロからスタート

―流れがよくわかりました! それでは、間取りについて、詳しく教えてください。まず間取りは、どのようにして決めていくのでしょうか? ベースになる間取りを、お客様のご要望にあわせて変更していくというようなかたちですか?

森田さん:じつはアイダ設計では、まったくゼロからスタートするんです。自由設計の注文住宅といっても、ハウスメーカーによっては、基本のプランがあってそれをアレンジしていくようなところも多いと思います。でも社名のとおり、設計に強い弊社では、お客様の要望や敷地に合わせて一から間取りをつくっていきます。

やはり、道路の接地状況や敷地の形状、大きさなどが、お客様それぞれに違うので、なかなか同じものをベースにというわけにはいかないんですね。敷地が決まっていない場合でも、予定地ということで進めていきます。

―ゼロからスタートですか! では最初のプランは、どういったところから組み立てていくのでしょうか。

森田さん:お客様のご要望を、どう具現化するかということなんですが、あくまで私個人の場合ですが、私が接客に入った場合は、マニアックかもしれないんですけど、お客様に「何が欲しいか」は、あんまり聞かないですね。

なぜかというと、それを聞いていると、寝室は8畳以上、リビングダイニングは何畳、子供部屋は何畳と積みあがって、家がどんどん大きくなっていくんですね。そして、それをおうかがいしたところで、限られた敷地や予算のなかで、すべてかたちにできるという保証もない。

ですので、私の場合は、「何が欲しいか」ではなく、「どう住みたいか」という聞き方なんです。ライフスタイルを聞いていくんです。

最初のころは、私もお客様に欲しいものを聞いていたんですが、それだと自分自身もお客様も、言われたものに対してアウトプットしているだけなので、それほど感度が出ないというか。

ところがある時、打ち合わせではほとんど世間話しかしなかったお客様に、そのお話をもとに組み立てたプランの家が、お客様にとてもよろこばれたということがあって。

それは、いろいろ楽しくうかがった“世間話”から、お客様の暮らし方とか価値観が見えてきて、結果的にそのお客様のライフスタイルに合った家をつくることができたということだったんですね。その時の打ち合わせが終わった後、「あれ、家のご要望を聞かなかったな……どうしよう」という状態だったんです(笑)。そこから、趣味はアレと言ってたなとか、何が好きと言ってたな、というようなことから展開していったら、とてもよろこんでいただけた設計になった。

それ以来「どう住みたいか」、その中でも特に“こみいった話”を聞くようになりました。

後編へつづく

後編は、“こみいった話”って何? 金言続出の森田さんの設計哲学に迫る! 納得の我が家を建てるために、ぜひ知っておきたいポイントをお届けします。

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