『家具は一生もの』は昔の話なのか?組立家具の引越し問題を真剣に考えてみる

昔(いつごろという定義があるわけではありませんが)は『家具』は引越しと共に新居へ持っていくことが当たり前で、それに対して議論も何もありませんでした。
ライフスタイルが変わり『組立家具』の普及が進みだしてから『家具』の引越問題が話題に上るようになりました。

それもネガティブな内容で。

SNS上では『引越業者さんにIKEA家具を断られた』などに始まり
『IKEA家具は保証の対象外ですと言われた』などなど。
あげくの果てには『スウェーデンは引越しの際に家具は持っていかないからそういう風に作ってない』など他国の常識まで持ち出され、引越時の取り扱いを断られてしまう始末(ちなみにスウェーデンはIKEA発祥地)。
『ここは日本で、運んでほしいのは私、、、』と言いたくなるようなことまで言われたという告白が氾濫する事態にまで発展しています。

しかし、そもそも引越業者さんは『運びのプロ』であって、『施工のプロ』ではありません。
ここで引越業者さんが断ることに関して批判することはお門違いです。
現状エアコン工事のように、引越業者さんのオプション作業としての立ち位置まで届いておりませんが、『組立家具』の取り扱いもゆくゆくは引越業者さんのいちオプション作業として組み込まれる事が望ましいと思います。

なぜなら『組立家具』の構造上の改革(日本の賃貸居住割合に合わせ、今よりもさらに引越しに適した構造に)は進むかもしれませんが、『組立家具』がなくなるということは現状考えづらいからです。
増え続ける『組立家具』への対応について、各引越業者さんが断り続けることはむずかしくなっていくのではないでしょうか。

少々前置きが長くなってしまいましたが、現状の引越し時の『組立家具』に対する取り扱いから、ユーザーにとってどのような選択肢があるのかを見ていきたいと思います。

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『家具』と『組立家具』の違い

では、なぜ引越し業者さんでIKEA家具を解体して、再組立してくれないのか??
それは、引越し業者さんの考える『家具』の定義と『組立家具』の定義に大きな差があるからです。

引越し業者さんの考える『家具』とは大きくて解体をする必要のある家具でも、せいぜいネジ10本ほどの連結部分を外すだけの構造であること(洋服ダンス・ベッド問わず)が条件になります。

上記写真のようにユニット別に分かれる形のものがいわゆる『家具』であって、引越業者さんでも十分に扱える荷物と言えるでしょう。

一方『組立家具』は構造上、組立時においてもフラットパック梱包で届いた全て板状のパーツをつなぎ合わせて作る(大型家具も含め)ものがほとんどで、ベッドはもちろん、洋服ダンス・書棚・TV台なども完成形では運び出しが困難なサイズであることが多くあります。

これは『組立家具』のメリットでもありデメリットにもなりえます。
部屋の中で組立てるので、搬入導線や部屋ごとの間口の大きさにとらわれないサイズの大型家具を家に設置できるので、特に収納家具などにおいては使い勝手が良いものを使用することができます。

しかしデメリットとして部屋から完成形で出すことができず、また『家具』のように引越業者さんでも解体をできるといった簡易な構造でないことから、現状は引越業者さんの訪問見積もり時に取り扱いを断られてしまいます。

では『組立家具』を新居へ引越しの際に持っていく方法はないのでしょうか?
不安に思うユーザー様へ有益な情報をお伝えしていきたいと思います。

引越業者さんの対応(現状)

前項でも触れたとおり、引越業者さんは『運びのプロ』であって、『組立のプロ』ではありません。
訪問見積もりに行く営業さんも全ての家具に精通する『引越のプロ』であって『家具のプロ』ではありませんので、お客様宅の家具を見て即座に『家具』or『組立家具』の判別ができるわけではありません。

判別ができたとすれば、『自社でやるのかやらないのか?』の判断が必要になります。
多くの引越業者さんでは現状『組立家具』に対する専門部隊を抱えているわけではなく、大手の引越業者さんでも各支店・各営業さんに判断をゆだねられているなんて場合もあります。
別ブログにて詳しく説明させていただいてます。

『組立家具』は引越しできないの?

結論から言いますと、できる家具とできない家具がありますが、ボンドを使って接続をしていない組立式の家具は全てが解体し再度組立てることが可能です。
ボンドを使用してない『組立家具』の代名詞と言えば【IKEA家具】ですが(あまり存じ上げない方のほうが多いかもしれませんがIKEA家具は組立にボンドを使用していません)IKEA家具に関しては100%引越しで新居へ持っていくことが可能です!

しかし解体/再組立には専門のスキルを必要とするものもあり(釘の抜き差しや説明書を逆走すればいいわけではないパーツもある)、また時間や手間の問題から引越業者さんに頼もうとも引き受けてもらえないことが多く、現状カグッコシ!のように『組立家具』の解体/再組立を専門に取り扱う業者もほとんどいないため、ユーザー様が頼みようがないという問題もあります。

『組立家具』はリサイクルできるの?

ここはあいまいなのですが、基準が1つあります。
リサイクルショップで買取をしてもらうという前提で言いますと、買い取ってもらえる可能性があるもの【完成品で運べる家具】、可能性が低いもの【複数パーツに分かれた家具】に分けることができるでしょう。

【完成品で運べる家具】

完成品で家から運び出せて、新たな購入者様の家にもそのまま搬入できるとなると、家の各間口(玄関/各部屋)のサイズ、廊下のサイズ(天井高も含め)以内におさまっていることが大前提!
平均的には高さ190cm×幅80cm×奥行50cm以内(TV台などでは横向きでこの3辺以内)であれば大概のご家庭への搬入はクリアできるのではないかと思います。
(例)
書棚、置き型TV台、キッチンワゴン、勉強机、お子様用洋服ダンス、整理ダンスなど

【複数パーツに分かれた家具】

完成品のままでは家から搬出することができないサイズ、そのまま運ぶと強度が持たないであろう家具は買取の可能性が下がります。
また壁に宙づり仕様で使う棚なども買取が難しくなります。

理由としてはリサイクルショップなどはスチール製オフィス家具などに対しての組立サービスが常設されている店舗は多いですが、『組立家具』の施工には対応していない場合が多く、上記の家具を買い取っても購入者様自身での組立作業が要求されるためなかなか売れないという事情もあるようです。
(例)
ベッド全て、洋服ダンス、食器棚、吊戸棚式壁面収納など

ネットオークション・フリマアプリなどの活用

ネットオークションやメルカリなどのフリマアプリを活用することで、少しでもお金にするという方法がありますが、家具のデメリットとして大型配送となるため配送費のコストがかなりかかるということ。
モノによっては配送費のほうが高くついてしまうなんてことも。

また梱包などの問題も関わってきます(梱包が緩いせいで配送先で開梱した際に破損していた場合の責任の所在など)のでハードルは高いかもしれません。

有効活用できるとすれば、オークションなどでもよく見かける(取りに来ていただける方限定)などの表記を出しておくことでとても興味を引くのではないでしょうか。
そうすることによって、完成品の出品に加えパーツに解体した家具の譲り渡しも可能になります。
ご自身での手間もかかる分、家具を持っていかないと決めて売りに出す場合1番高く売れるのはこの方法です。

『組立家具』を捨てるにはいくらかかるの?

家具を廃棄するためにはいくつかの方法があります。

自治体の回収に頼む

1番のメリットとしてはダントツに安いんです。
大型家具の2人掛けのソファでも東京都杉並区における処理手数料は¥2000。
収集を頼む場合(指定場所までの運び出しは必要)は上記料金となり、指定場所への持ち込みが可能な方は、何と一律¥400となっております。
市町村によって金額は異なりますので、お住まいの自治体HPにて確認してください。

廃棄回収業者に頼む

1番のメリットとしては全て任せることができる。
全てとは、家具の解体/搬出~清掃までを任せることができ、業者さんによっては料金設定が家具1点いくらというものとは別に、軽トラック1台まるごとでいくらなどもあり、引越し退去時などで家具以外にも不用品が多く出て困っているなどの方にはとても安くつくかもしれません。

個々の家具1点づつの基準は業者間にて大きな差があり、自治体引取で例に挙げたソファなども¥3000~15000やタンス・本棚も¥3000~7000など、家具によっては解体作業が必要になるものもありますし、搬出までも含んだ料金となるので ご自身の時間/手間を天秤にかけて選んでいただくのがお得になる近道です。

引越時に引越業者さんで引き取ってくれるサービス

引越時に出た家具、その他について作業時に引取りや買取りに応じてくれる引越業者さんへ依頼する方法です。
無料引取をしてくれる業者さん、家具だけではなく貴金属などまでを査定し買取をしてくれる業者さんと、さまざまな依頼方法があるので不用品を多く抱えた引越しになる方にとっては、そんなオプションも業者選定基準の1つになるのではないでしょうか?

まとめ

『組立家具』は安かろう悪かろうの時代は終わり、各メーカーは精度の高い商品を出し続けています。
当然物持ちもよくなっている中で、1つの家具を5年10年と使い続けることができたなら、おそらく1度は引越しを経験することになるでしょう。
例えば、IKEA PAXワードローブシステム(IKEAの売れ筋衣類収納シリーズ)であれば商品の保障期間が10年設けられています。
そう考えると『組立家具』も、お気に入りを長く使うことが求められてくることが考えられます。

そうなった場合の選択肢をいろいろと見てきましたが、ライフスタイルに合わせて家具を買う方もいらっしゃるでしょうし、家具にライフスタイルが合ってくる方もいると思います。

前者の場合、引越しを機に家具を買い替えるということも1つの手段であるかもしれません。
後者の場合、例えば収納家具にしまわれているモノ(衣類・食器など)は家具に合わせて買ったり捨てたりしているのではないでしょうか?

そんな方が家具を持っていかない選択をした場合、しまわれているモノにも影響が出ます。
IKEA収納家具(PAXワードローブシステム)などは国産メーカーに比べ、サイズに比例して収納力も高くオプションの収納用パーツ(ハンガーポールや引出・ズボンハンガー)なども豊富で、自分の持ち物に合わせたカスタマイズが売りの大型収納家具です。

なのでいざ買い替えとなった場合、代替品を探すのも一苦労。。。

今の家具を新居へ持っていける選択肢が無かったら、、、

かつては夏の暑さしのぎは扇風機であった時代からエアコンに変わり、エアコンも初期のお引越時取り外し取り付け対応は、引越業者さんへのワンストップ依頼ではなかったところから、現在はどの引越業者さんでもオプションとして扱っています。

エアコンは電気工事士免許なども絡んできますので、同じ土俵で話を進めるのは違うのかもしれませんが、引越しご依頼者様にとっては取り扱うことが困難な荷物であることが事実です。

お持ちの『組立家具』を新居へ持っていくかの判断をするのはユーザー様ご自身です。
その中で様々な選択肢があることをご紹介させていただきましたが、現在引越しを控えた方が1番初めに頼るのが引越業者さんです。
カグッコシ!でも徐々に引越業者さんとも提携を進め、『組立家具』を使っているユーザー様がワンストップでご依頼できる環境を整えていきたいと思っております。

現在はHPにて引越時を含め様々な『組立家具』の困ったにお答えするLINE@相談窓口を設置しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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