プロの学生リノベーションデザイナーになるには?

株式会社エイブルがデザインアソシエーションNPO制作のTV番組「TOKYO DESIGN WEEK.tv」と連動して行う、若手クリエイターを対象とした「エイブルpresent 第6回 空間デザインコンペティション」の最終選考が、10/24〜11/3まで開催されていたTOKYO DESIGN WEEK 2015のエイブルブースにて10/30(金)に行われました。加えてエイブルは、上位入賞を果たした学生をメンバーとした「エイブルデザインチーム」を発足。学生キャリア支援プログラムに意欲的に取り組むエイブルと未来を担う学生とのコラボレーションからどんな新しい空間演出が生まれるのでしょうか。

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若手を対象とした「エイブル present 第6回 空間デザインコンペティション」から選出

この度行われた「エイブル present 第6回 空間デザインコンペティション」は、エイブルとTOKYO DESIGN WEEK及び、前述のTV番組が中心となって実施しているもの。今年で第6回を数えるこのコンペティション。当該TV番組内のクリエイティブプレゼンテーションコーナー「THE PRESEN」内の上位入賞者が制作した模型&作品に加え、その中の更に上位2組の実物大展示作品をTOKYO DESIGN WEEK 2015 エイブルブースに展示し、一般投票審査を行い、グランプリを選出。今年のテーマは同イベントのメインテーマにも掛けたあった「インタラクティブな部屋」に設定され、審査委員長には2013年度プリツカー賞など多数の受賞歴を持つ世界的建築家の伊東豊雄氏が務めたことでも話題となった、学生及び若手デザイナーにとっては一つの目標となっている登竜門的なコンペティションとなっているもの。

TOKYO DESIGN WEEKエイブルブース内にて実寸大2作品&模型5作品を展示。一般来場者に投票してもらいグランプリを決定した。

受賞した学生が実際の賃貸物件をデザインする意欲的なプログラム「エイブルデザインチーム」

6回目を数える今回、グランプリは「Table palette」というコンセプトを掲げた多摩美大学生組が受賞。受賞式では喜びを分かち合う2人に更に大きなサプライズが! この一組に加え、更に入賞者の2組を加えて3組計6名がメンバーとなる「エイブルデザインチーム」の発足もその場で発表されました。このデザインチームはエイブルが管理する賃貸物件及びオーナーを対象に、学生達がデザインするリノベーションデザインをプレゼンし具現化していく為、エイブルが全面サポートしつつ運営していくいわば「エイブル版インターンシップ」と言える、若手デザイナーの発掘と育成を支援するシステムとのこと。

エイブル代表取締役、平田竜史社長(右から3人目)から直々にエイブルデザインチームに任命されたチームメンバー。

そんなチームメンバーに選出された優秀な学生達のリノベーションデザイン作品は、既存の固定概念から解き放たれた自由闊達なモノばかり。実際、個人的に住んでみたい、と思わせる説得力のある作品もあり、新鮮な目線から生み出されたアイデアには目を奪われました。そんな感性を刺激してくれる、「エイブルデザインチーム」メンバーの受賞作品を紹介していきましょう。

グランプリは前野×原地組制作、大きなテーブルが印象的な「Table palette」

多摩美術大学 環境デザイン学科に通う大学生、前野慧さん(左)と原地千尋さん(右)

グランプリに選出されたのは多摩美術大学に通う学生、前野慧さんと原地千尋さんがデザインした作品。「Table palette」と名付けられ、実物大で再現された部屋の中に入ると、まず目に飛び込んでくるのが螺旋状にデザインされた大きなテーブルです。部屋いっぱいに広がるこのテーブルに、キッチンや本棚、収納、椅子、そしてもちろん机と、様々な家具機能を持たせることでデッドスペースを無くし、24㎡という広さを最大限に活用。加えて部屋の中にいくつかの段差を作り、シチュエーションに合わせた人の居場所を形作る事で「インタラクティブな部屋」を表現しているとのことです。

螺旋状のテーブルを部屋の中央に置くことで様々なシチュエーションでの「居場所」を作る斬新な発想のグランプリ作品。

一見大胆で斬新に見えますが、その実、非常に理詰めな発想からこの形を構築した前野&原地ペア。「家具の持つ機能が人の行動を制限しないで、部屋の中に沢山の人の居場所を作ることはできないだろうか」という疑問から、家具を大きくすれば自然とその周りに人の居場所が増える。それなら一つの大きな家具、例えばテーブルに様々な家具機能を持たせればいいのでは、というアイデアに行き着いたそうです。しかし、テーブルをそのまま大きくしたのではデッドスペースが増えてしまう、ということで渦巻き状のテーブルレイアウトで行動範囲を拡げ、なおかつ床段差を付けてそのテーブルに様々な使われ方を与える事で自由な発想で家具として活用でき、スペースを最大限有効活用できるこの形が出来上がったそうです。

入り口から続くテーブルの導入にはキッチンを設置。
部屋の中心を貫くテーブルが仕切りの役割も果たしており、手前側がリビング、奥側にはベッドなどを設置したパーソナルスペースとなっている。
床に段差を付けてテーブルの機能を変化させる構造。手前のキッチン部分はカウンター、奥側は机の機能を持たせている。また一段上がった床部分には椅子の機能も持たせる。
キッチンの向かいにはバスルームを設置。クローゼットの機能も持たせる。
ボードによるプレゼン資料なども展示し、来場者に大胆なデザインを分かり易く伝えてくれていた点でも評価が高かったのではないでしょうか。

受賞のコメント
前野さん「実際、住んでみたいなんて声もあって自分達が考えていた事が共感して頂けたのが嬉しかったですね。今回、初めて人に使ってもらう、ということを前提にデザインさせていただけたのが凄く面白くて、それを続けていけるチャンスを与えてくださるエイブルさんに非常に感謝しています。この機会を活かして結果を出せるように全力で頑張っていきたいと思います」。

原地さん「グランプリを穫れたのも嬉しいんですけど、来場者さんのリアルな声が本当に嬉しかったです。ここめっちゃ住みたい!とか自分だったらこう使うな、というような生の声が頂けたのが凄く有り難かったです。自分のデザインを実寸で作ったのは初めてで、実際に使えるのか自分達では不安だった部分があったので。抱負としては、地域や場所柄に根差したようなデザインができればいいな、と思っています」。

受賞&任命式での前野×原地組。チームメンバーとしてやる気に満ちあふれていたのが印象的でした。

準グランプリは石塚×北爪組制作、部屋機能を島状に「部屋と紡ぐ」

日本女子大学大学院の家政学研究科の大学生、石塚真菜(左)さんと北爪鈴夏さん(右)の作品が準グランプリを獲得。

準グランプリを受賞したのは日本女子大学大学院の学生、石塚真菜さんと北爪鈴夏さんによる作品「部屋と紡ぐ」。インタラクティブな部屋、というテーマに対し、住む人と部屋がお互いに与え合う事のできるデザインといのがコンセプトだそう。キッチンやベッドなど、部屋の機能ごとに島状に分割させる事で、自分で自由に変化させ作り込んでいける部屋を目指したそうです。

ベッドやキッチン、クローゼットなど部屋の機能を分割し島状に設置。この島状のユニットを土間をフロアにすることで自由にレイアウトする事ができるデザイン。

フロアを土間にし、それぞれ島状に分割された生活空間に靴を脱いであがる、というこれまた斬新な発想のデザインは、24㎡というサイズ以上の広さを感じるような、箱庭のような空間演出が特徴的でした。また、ベッドを高くして下部に収納スペースを設けるなど、平面で考えるのではなく常に立体で考える事で空間を有効活用している点もポイントが高かったようです。このデザインはこれが完成形ではなく、住む人の環境、嗜好の変化に応じて変化、成長させていくことが可能、という「人と部屋が共に影響し成長していく」というコンセプトを見事に体現している作品でした。

ベッドを高く設定し、下部に収納スペースを設置することでスペース効率もアップさせる。
本棚やクローゼットも分割式で組み替えが自由に行える設定となっている。
バスルームももちろんユニット化されている。
受賞&任命式でのお二人。

模型のみの出品3作品のうち1組もデザインチームに参加

模型のみの出品となったが、デザインチームに任命された東京芸術大学大学院美術研究科建築専攻の学生、五条萌さんと吉尾眞香さんの作品がこちら。

上位2組の実寸大作品の他、模型のみでの参加も5作品展示されていました。その中の一作品「ぶらぶらHanging Room」を制作した東京芸術大学大学院の学生、五条萌さんと吉尾眞香さんもデザインチームメンバーとして選出されました。こちらも部屋機能を全て吊るすという非常に個性豊かな発想が印象的な作品でした。

模型のみ出品の、その他の2作品はこちら

壁に相互作用の機能を持たせ、ルームシェア的ワンルームという発想のリール建築大学の学生、ジュリボヴェさんの作品「インタラクティブ・ウォール」。
森をイメージし、家具を木のように部屋に設置した、多摩美術大学 美術学部環境デザイン学科の学生、西原 海さんの作品「Forest」。

将来を担う学生にこのようなチャンスの場を作ってくれたエイブルの試みも素晴らしいですが、その期待に応えようと今持てる自分達の力を十二分に発揮し、作品を作り上げた学生デザイナー達の今後の活躍に大いに期待したいですね。

Photo:木下誠 & 小久保直宣
Text:藤川経雄

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