【子どものミライ】Mr.都市伝説・関暁夫 ~子どもの悩みを聞けているか?

子どもたちのミライを考える、KIDSNA編集部の連載企画『子どものミライ』。今回はスピンオフ企画特別連載としては、Mr.都市伝説・関暁夫氏にインタビュー。第一弾「人はなぜ生まれたのか」に続き、第二弾では「子どもの悩みを聞けているか?」をテーマに親が持つべき意識、家族のあるべき姿を紐解いていく。

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子どもたちのミライを考える、KIDSNA編集部の連載企画『子どものミライ』。今回はスピンオフ企画特別連載としては、Mr.都市伝説・関暁夫氏にインタビュー。第一弾「人はなぜ生まれたのか」に続き、第二弾では「子どもの悩みを聞けているか?」をテーマに親が持つべき意識、家族のあるべき姿を紐解いていく。

子どもたちのミライを考える、KIDSNA編集部の連載企画『子どものミライ』。

関暁夫氏が「子どものミライ」を考えたとき、まずビッグテーマとして挙げられたのが、第一弾でエピソード1、エピソード2、エピソード3と3つのエピソードにわたり紹介した「人はなぜ生まれてきたのか!!」だった。

そしてもう一つ、重要なテーマとして語られたのは「子どもの悩みを聞けているか?」。

話したい時に話ができる家庭は、親子ともども理想の姿のはずだ。その理想とされる家庭とはどのようにつくられるものなのか。関暁夫氏はその疑問をベースに、親が持つべき意識について深く熱く語ってくれた。

忖度する力が家族のミライをつくる

「子どもの悩み、聞けてないでしょ?」と関暁夫氏は切り出す。聞けていない、なぜなら子どもが話そうとしないから。そう返したくなる親御さんも多いだろう。子どもが話さない、それはなぜなのか。

悩みは具現化し課題化しろ

子どもは成長とともに口をつぐむようになりがちだ。無理に聞き出そうとすれば、余計に嫌がられるだろう。親は子どもの秘めた悩みに、どのように対処すべきなのか。

「そもそも親は子どもの悩み、聞けていないんじゃない。聞いていないんだよ。子どもの不満も聞いていない。

なぜか。まず親は、自分の悩みを子どもに聞かせているんだよ。無意識に、都合よく。子どもの悩みや不満を聞かないのは、親が自分の悩みで既にキャパシティオーバーだから。

こうなると、親の悩みが解決してからじゃないと、子どもの悩みは解決しないわけじゃない。悲しいと思うかもしれないけど、これが今の現状でしょ?

悩みがワーッとあるよね。模索して、そこで時を止めている。でもね、口に出して話している悩みは、実は本当の悩みじゃないの。人は本当に悩んでいることは自分にしか言えないから。そしてその悩みを解決しないと、子どもの悩みは聞けないわけ。

じゃあどうするか。自分が悩んでいることを、すべて紙に書き出しなさい。書いて具現化した瞬間、悩んでいたこと自体が過去になる。そして悩みは課題に切り替わるから。

課題になったら、後はどう克服するか、対処するかを考えるだけ。それさえしっかりできればいい。

子どもの悩みも、同じようにしてみるといいよ。子どもは純粋に全部書いてくれるよ。それで子どもの悩みがわかったら、どうしようかと親も一緒に悩んでちゃダメ。課題として家庭でどう取り組むかを考える。

こうしたポジティブなやり方をすると、創造性を持ったうえでの成長がある。マイナスの世界に向かってしまっていた子どもでも、ポジティブな世界に切り替えることができるわけ。子どもが書き終わったら『悩んでいたことは過去、悩みは課題』とちゃんと教えてあげてね。

親自身の悩みも、全部書き出してみて。書けば書くほど自分の課題にどうやって対処するかを考えて、悩みではなくなるわけ。心に余裕ができるよね。そうすれば、子どもの話を聞く余裕ができるでしょ」

相手の話を聞くことからスタートしろ

「子どもが悩みを話さないもう一つの原因は、コミュニケーションに悩むからだよね。子どもだけじゃなく、親も悩んでいる。

『厳しさを教えなさい』という話をしたけど、大人もどうやってそれを教えたらいいのかわかっていない。だから子どもが悪いことをしたとき、まず真っ先に子どもを『怒る』。感情的にね。なぜやったのかも聞かずに。それじゃ、子どもとの信用も信頼も生まれないまま、家庭崩壊に繋がりますよ。

どんな時もまず、相手の話を聞くこと。そこから始めなきゃ。相手の話に耳を傾けるから、相手の心に余裕が生まれて、こちらの話も聞いてくれるようになるんです。

『怒る』じゃなくて『叱る』もそう。悪いことをしたその行為に対して、なぜやったのかをちゃんと問うてあげる。そのうえで『叱り』とされるやり方で話をすれば、本質をちゃんと伝えられますよ」

子どもが幼いと、なぜやったのかを聞いても的を得ず、余計にイライラしてしまう場合もあるだろう。

「これは感覚だからね。子どもを通して、読み取り方を親は勉強するんです。親なら子どもと繋がりなさい。子どもからのアクションを待っていないで、親が率先してコミュニケーションを取りなさい。

これは外の世界に出た時にも言える。親が外に出てどんどん友達をつくるタイプじゃないと、子どもは何を見本にすればいいのかわからないじゃない。『うちの子はコミュニケーションが取れなくて』と悩む前に、自分が動きなさい」

家族と共に在るミライを描け

関暁夫氏のいる現場には、子連れでやってくる母親も多いという。その時の対応を見て思うところもあるようだ。

「現場にいろいろな人たちが来てくれるのは嬉しい。だけどその中で、子連れのお母さんは大概の場合『子どもが関さんのことが好きで』って言うの。

そうじゃないでしょ。何で子どもを利用するの?自分が興味あるから来てくれているんでしょ。嘘つくなって話。子どものせいにするなよってこと。子どもは絶対、考えてるよ。『お母さん、私も好きって、なんで言えないの?』って。『なんで僕を利用するの?』って。

そういう無意識な行動が、小さな我が子に響いているんですよ。

『私も子どもも好きで、写真撮ってください』ならいいの。この意識には、母親と子どもが一緒に入ってる。ミライに一緒にいる姿を予測しているわけでしょ。

自分のミライに、相手を入れないと。入れられていない側は、絶対に気が付いているんです。家庭の中で、あなたのミライ、お母さんならお母さんのミライに子どももお父さんも入っていますか?お父さんもそう。描いているミライに、ちゃんと家族全員が入っているか。

そして子どもが成長したとき、そのミライにちゃんと親は入っているか。確認してごらん。

みんながイメージするミライに家族みんなが入っていなければ、ミライに一緒にいないのは当たり前だよね」

幼い子どもは、その日にあった出来事を無邪気に話してくれる。その話を大人は、しっかり聞けているだろうか。子どもを叱る時、子どもの主張に耳を傾けられているだろうか。子どもを盾に言い訳をしていないだろうか。自分だけの都合の良いミライを夢見ていないだろうか。

一つずつのことに対し真っすぐ向き合えていたら、年頃になった我が子が「ママ、聞いて」と相談を投げかけてくれる姿と出会えるかもしれない。

第六感を研ぎ澄ませているか?

子どもは幼いころから、親を中心とした自分を取り巻く環境からさまざまなことを敏感に感じ取っている。日々積み重ねられる「感じ取ったもの」に子どもが押しつぶされないように、親ができることとは。

子どもの所感にアンテナを張れ

第一弾に続き、関暁夫氏がここまで子どもの心理を真っすぐに捉え、熱を持って語ってくれるのには、彼なりの理由があった。

「僕の両親、離婚しているんですよ。だから、厳しい環境の中で子どもを育てている親たちがいっぱいいることはよくわかる。でもその中で、愛が欠損した子どもたちが叫んでいる気持ちにも、すごく共感できる。

幼いころに家庭という組織が崩壊する様を見てきたし、人の表裏を見てしまう環境にあった。だからこそ、アットホームとは何かをすごく考えている子どもだった。

この、『子どもが考えている』ということをただ受け止めるのではなく、その奥に『感じた結果考えている』という事実があることを、大人は忘れないでほしい。

だから僕が言いたいのは、親は、子どもが何を感じているのか、まずそこにアンテナを張れ!ということ。

結果だけを見て考えているわけではないからね。事の経緯を子どもはしっかり見ている。そこで何を感じているかにアンテナを張ってほしい。体感したこと子どもは話すんだから、そこからもしっかり感じ取ってほしい。

でも、感覚的な部分である第六感とされるものを、世の中は否定してきた。科学的論文として選ばれていないだけで、生命体として生きている限り確実に存在しているのに、それを認めない時代だった。だからみんな、感覚が鈍っている。

子どもが第六感的な感覚を発していても、親が第六感を研ぎ澄ますことができていないから受け取れない。五感の範囲で終わっちゃってるでしょ?

五感を超えた六感性、インスピレーション的なもので、子どもと親はつながるはずなの。赤ちゃんが言葉を話さなくても、考えていることを読み取るでしょ?一種のテレパシーと同じ。

それを今はデバイス含めた機械に頼ったりするが故に、親子のコミュニケーションの絆というものが根本から生まれていないわけでしょ?裕福になりすぎた結果、すべての感覚が失われている。気をつけなさいよ」

厳しさの愛情で子どもを満たせ

確かに、裕福な世の中になったが故に失われたものは多い、という話は、子育て以外の場面でも耳にする。子育てにフォーカスすると、どのような観点になってくるのだろうか。

「そもそも平和に対する観点が、日本人はちょっとズレていると思う。

水道をひねれば水が出る。冷蔵庫を開けば食材が入っている。トイレの水もちゃんと流れるでしょ。エアコンがあって床暖があって、ベッドに行けば毛布も羽毛布団もある。なんなら飼っているペットに洋服まで着せたりするでしょ。

これ以上何に満たされたら納得するんですか?

今の人は他人を満たさない。周りの環境を満たさないから自分が満たされなくて、次々に求める。本当に自分を満たすためには相手を満たさないといけないと知ったとき、初めてステージが変わるの。

これは、子どもに対しても同じことが言えるよね。子どもを満たしてあげる結果において、子どもは笑顔を出してくれる。その笑顔を見たいから、親はなんでもやってあげる。だけど、これは甘い。

家庭内においてアメとムチを使い分ける場合ならいいです。でも基本は、厳しさを教えること。厳しさの教えから逃げるなって言ったでしょ?これが結局、親ができる最大の愛情ですから。そこの線引きを、ちゃんとしてください」

子どもの根に愛を注ぎ、実りある大木に育てろ

生活が満たされることと精神が満たされること、優先すべきはもちろん後者だ。第一弾からずっと話している「親ができる厳しい教え」。これこそが、ミライをつくる人としての根本なのだ。

「そう、根本。地中にあるものは目で見て確認することはできないけど、ちゃんと芽が出たものは選ばれていく。子育ての根本は、この地中に埋まっている種をどう育て芽吹かせるか、ということ。

木も花も同じだよね。愛情をどれだけ注ぐかによって、咲く花が変わってくる。実る果実の量だって変わりますよ。0から1が種となる生命の誕生なら、1から100に育てていくのは、周りの大人の役目。しっかりとした根を張らせるところから始めないと。

でもみんな、根を張らせる方法がわからないから、隣の大木を羨ましがりマネをする。でも根っこがしっかりしていないから、すぐにすべてが崩れるの。それが今の家庭じゃない?

根を張らせる作業をちゃんとやって、愛情を注ぎ、実りある大木に育てて社会に出す。

今こうやって僕が人に話していることも、自分に言い聞かせているようなもので、他人の成長が自分の成長にもつながるんだよ。ともにある成長。こうやってたくましく成長した木の周りに新しい木が育ち、2人いたら林になり、3人いたら森になるんです。

利己的なことだけを求めていたら、ただの一本の木のまま。森になるから動物が、万物が集まるわけですよ。森羅万象がそこにある。

森羅万象というと壮大すぎるように感じるかもしれないけど、もう既にみなさん、それくらい開けた宇宙の中に存在しているわけですよ。宇宙時代が来てますよって話したでしょ?

人にどれだけ愛情を与えられるか考えなさい。愛がなければ、これからの世の中、やっていけないですよ。

その愛は、自分の肉親だけじゃないぞ。他人、生活、社会。関わるすべての人、すべてのことに愛をもったうえでの責任ある行動をしていきなさい。そしてあなた自身も、愛を感じなさい」

愛はバトンなのだ。親から受け取った、親だからこそ与えられる厳しい愛情を、次の世代や愛を必要としている人たちへと渡していく。進化による物理的なミライはデバイス、AI、ロボットとどこか冷たい印象を持つが、人類のミライは心が繋がった、絶対的に温かいものであると信じたい。

新たな選択肢を生み出し、動き続ける人間であれ

ここまでの約3時間、ほぼノンストップで語ってくれた「子どものミライ」。最後に話してくれたのは、近未来的な要素など含まない、人として極めてシンプルな考えだった。

「今、こうしてこの記事を読んでいる人っていうのは、少なからずデバイスかパソコンが身近にある環境にいる。だけどね、本当に苦労している人というのは、これすら見れる環境にいないんです。これを見ているということは、どこかに余裕がある家庭だということ。

ということは、世の中を改善できる余地が必ずある。だから、ミライを考えてほしい。

ミライを考えることすらできない、余裕を失ってしまっている人たちが世界にはたくさんいる。その人たちを救うことを考えないと。金銭的な援助までやらなくても、愛が届かない人たちのところへ何か届けられないか、考えてみたらいかがでしょうか?

例えば断捨離が一つの機会。家には欲を満たすために集めた物があふれていて、それら全部、自分のインスピレーションでトキメキを感じたから手にしたんでしょ。でも流行や価値観とズレてきたら簡単にポイと捨てるでしょ。それをやっていたら、あなたも簡単に捨てられますよ。

でも捨てざるを得ないことはある。それなら、せっかくトキメいて愛を感じた物なんだから、捨てるんじゃなくてミライへ繋がるところへ送り出しなさい。

そうやってミライへ繋がる行動を続けることで、新しい選択肢が生まれてくるから。選択肢が生まれると、自分がやるべきタスクに次々と気づく。それをこなすことに必死になっていれば、もう悩んでいる暇なんてなくなるんです。

悩みが生まれる原因のほとんどは、暇だから。

子育てに対してすごい悩んだりしても、自分がやるべきことを新しくどんどん見つけていたら、悩んでいる暇がないから改善策しか考えなくなる。改善策を考えるということは、課題化されているってこと。これでやっと、子どもの悩みも聞けるようになるね。

そうやって生きる大人の背中を見て、子どもはマネるでしょ。熱く生きることしかやらない親だったら、子どもも熱く生きることしか考えなくなるの。

何で関暁夫にそんなこと言われなきゃいけないんだとか、お前に何がわかるんだって、生意気に感じる人もいるでしょう。だけどそれは、関暁夫が社会的に見て若手芸人の範疇だからでしょ。冷静に考えてみてよ。もう44歳のおじさんなんだから。

44歳のおじさんがね、真剣に現実と向き合って話しているわけです。不器用ながら伝えたいわけです。この話の中から、本質は何かを見抜いてほしい。

ミライへ繋がる選択肢を生み出し、課題解決に動けば子どもの悩みに耳を傾ける余裕ができる。コミュニケーションを通じて厳しい愛情を子どもの根に注ぎ、子どもはミライをつくっていく。これぞ、人が生まれた意味なんです」

編集後記

関暁夫氏本人も話していたとおり、まさかここまで熱く「子どものミライ」について語ってくれるとは思ってもみなかった。インタビュアーが質問を投げかける間もないほど、約3時間の間、延々と語りつくしてくれた。

取材前から、これは想定を超えるものとなると考えて望んでいたが、それすらをも超える超想定外の話を聞くことができた。

取材中、母親である私はここ何年も向き合うことのなかった心の深いところまでたどりつくことができ、目の前で話をきくライブ感に体が熱くなった。

耳に痛い話もあったが、極めてシンプルで本質的な話に加え、必ずポジティブな見解で締めてくれる。「子どものミライ」を誰よりも真剣に考えているのは、関暁夫氏本人かもしれない。

この展開、この内容の濃さ、この熱さ、これこそが関暁夫氏らしさだと痛感する取材だった。

次回:【子どものミライ】Mr.都市伝説・関暁夫のミライ予測 (5月31日(金)公開予定)

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