知らない人は損!?生命保険料控除について学ぼう!

インターネットでも気軽に保険に加入できる時代、何かしらの保険に加入されている方も多いのではないでしょうか?今回は、年間で支払った保険料で税金の負担を軽くする生命保険料控除について、ファイナンシャルプランナーの坂本卓也(所属:ブロードマインド株式会社)が解説いたします。...

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インターネットでも気軽に保険に加入できる時代、何かしらの保険に加入されている方も多いのではないでしょうか?今回は、年間で支払った保険料で税金の負担を軽くする生命保険料控除について、ファイナンシャルプランナーの坂本卓也(所属:ブロードマインド株式会社)が解説いたします。

■そもそも生命保険料控除とは?

生命保険料控除とは、「社会保険料控除」や「扶養控除」などと同じ所得控除のひとつであり、1年間に支払った生命保険料に応じて、一定の金額をその年の所得から控除し、所得税・住民税を軽減してくれるものです。同じ収入でも家族を養っているかどうかや医療費がかかっているかどうかなど、各納税者の個人的事情を加味して税負担を軽減してくれるものが「控除」であり、生命保険料の支払いに対しても生活上必要な経費として所得控除の対象となります。

■ 控除の対象となる保険の種類

生命保険料控除は、以下の3種類の控除枠のいずれかに分類される保険が対象となります。

① 一般生命保険料控除(死亡保険等) 
② 介護医療保険料控除(医療保険・ガン保険・特定疾病保険・介護保険等) 
③ 個人年金保険料控除

基本的には身体に対してかけられる保険は保険料控除の対象となり、モノに対してかけられる保険(火災保険・自動車保険など)は保険料控除の対象となりません。また、保険期間が5年未満の生命保険などの中には、控除の対象外となるものもあります。また、上記の3種類についても、それぞれ控除の対象となるための条件があります。特に年金保険などは契約時に設定を誤ってしまうと、「個人年金保険料控除」の対象とならずに「一般生命保険料控除」の対象となり、あとで変更がきかないため注意が必要です。

【一般生命保険料控除・介護医療保険料控除】
保険金受取人が、契約者あるいは配偶者、その他の親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)である保険契約

【個人年金保険料控除】

・年金受取人が契約者またはその配偶者のいずれかである契約
・年金受取人=被保険者である契約
・保険料払込期間が10年以上であり、年金受取開始年齢が60歳以上、年金受取期間10年以上である契約
・「個人年金保険料税制適格特約」が付帯されている契約

ご自身の契約がどの項目に該当するのかどうかは、保険会社から送付される「生命保険料控除証明書」で確認することが可能です。共済や大手保険会社の保険商品のように、一つの契約に死亡保険や医療保険がセットで付加されている契約の場合は、「一般生命保険料控除」と「介護医療保険料控除」のそれぞれの枠で控除証明書が発行されます。

■ 新旧の生命保険料控除について

旧制度(2011年12月31日以前に加入した保険契約)と新制度(2012年1月1日以降に加入した保険契約)で、保険料控除の対象が変わります。旧制度で加入した保険契約は、一般生命保険料控除、個人年金保険料控除の2枠で、合計で所得税に対して最大10万円、住民税に対して最大7万円の所得控除を受けることができます。

新制度で加入した保険契約は、一般生命保険料控除 、介護医療保険料控除 、個人年金保険料控除の3枠で、所得税に対して最大12万円、住民税に対して最大7万円の所得控除が受けられます。

【各制度における所得控除限度額】

※住民税は3枠すべて利用できても最大7万円までとなります。

また、新制度と旧制度を並行して利用する場合は、新制度と旧制度の合計額が申告額となり、限度額は新制度と同様所得税12万円、住民税7万円となります。

■控除額を計算をしてみよう!

保険料控除の計算は、旧制度・新制度で年間の支払保険料によって計算式が異なります。

【旧制度での生命保険料控除】※契約日が2011年12月31日以前

【新制度での生命保険料控除】※契約日が2012年1月1日以降

では、下記内容で保険に加入しているケースで生命保険料控除を算出してみましょう。

◆いずれも2018年に加入(新制度の控除枠)

<STEP①:各保険会社の保険種類に応じて控除枠ごとの支払保険料を計算する>

A社:一般生命保険料→支払保険料40,000円
B社・C社:介護医療保険料→支払保険料60,000円
D社:個人年金保険料→支払保険料120,000円

<STEP②:控除枠ごとの控除額を計算する>

所得税については下記の計算となります。

一方、住民税は下記の計算となります。

<STEP③:それぞれの控除額を合計する>

所得税について、それぞれの控除枠を合計すると、30,000円+35,000円+40,000円=105,000円となりますので、所得税に対する控除額は105,000円となります。一方、住民税については、24,000円+28,000円+28,000円=80,000円となりますが、住民税の控除の限度額が70,000円のため、このケースでの住民税に対する控除額は70,000円となります。

以上より、所得税について105,000円、住民税について70,000円の所得控除を受けることができます。

■実際、所得税と住民税はいくら還付されるの?

上記で生命保険料控除を算出しましたが、これはあくまで「所得控除額」となります。実際に源泉徴収や確定申告で還付される金額とは異なります。それでは生命保険料控除によって、どの程度所得税と住民税が軽減されるのか見ていきましょう。

年収500万円の独身の方の場合、所得控除と課税所得は下記となります。

※所得控除の合計=社会保険料控除(72万円)+基礎控除(38万円)=110万円

所得控除が社会保険料控除と基礎控除のみの場合、課税所得金額は236万円となり、この場合の所得税の税率は10%(控除額97,500円)、住民税の税率は10%ですので、税額は下記のように計算されます。
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所得税=236万円×10%-97500円=138,500円
住民税=236万円×10%=236,000円
合計=138,500円+236,000円=374,500円
----------
上記の所得控除に、先ほど算出した生命保険料控除が加わると、所得税・住民税の課税所得金額はそれぞれ下記のようになります。
----------
所得税の課税所得金額=236万円-105,000円=2,255,000円
住民税の課税所得金額=236万円-70,000円=2,290,000円
----------
よって、所得税・住民税は下記の金額となります。
----------
所得税=2,255,000円×10%-97,500円=128,000円
住民税=2,290,000円×10%=229,000円
合計=128,000円+229,000円=357,000円
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所得税と住民税の合計が357,000円となり、生命保険料控除がない場合(374,500円)と比べて17,500円の税額軽減効果となります。所得税は所得が高ければ高いほど税率が上がるため、所得の高い方ほど所得税の軽減額は大きくなります。また、住宅ローン控除などで所得税はすべて還付されているという方も、住民税だけでも控除することはできるので、忘れずに生命保険料控除の申請をしましょう。

■ 保険料控除の申請に欠かせない「保険料控除証明書」

生命保険料控除の適用を受けるために大切な「保険料控除証明書」ですが、いつ保険料を払ったかによって保険会社からの発送時期が異なります。

基本的には9月までに払い込み分の「保険料控除証明書」が毎年10月に発送されます。半年払い・年払い契約で契約月が10月~12月となる契約については、「保険料控除証明書」の発送が払込月の翌月末の発送となるため、10月頃に控除証明書に先立って「保険料控除申告書」(※保険会社によって名称は異なる)が発送されます。お勤め先で年末調整を行う場合、年末が契約月となる保険契約では「保険料控除証明書」の到着が年末調整に間に合わないため、「保険料控除申告書」で控除の申請が可能です。月払い契約の場合は、9月までの支払い分が「控除証明書」欄に記載され、10~12月分の保険料も含めた年間保険料が「控除申告予定額」に記載されます。年末調整の記載には、「控除申告予定額」に記載されている金額を記入して問題ありません。「控除証明書」をなくしてしまった際は、いつでも再発行は可能です。

■ 年末調整・確定申告に生命保険料控除を記入してみよう!

年末調整では生命保険料控除の計算はご自身で計算する必要があります。年末調整の書類へ保険料控除の計算式が載っているので、計算式の通りに記入していけば問題ありません。1つの保険で年間保険料が8万円(旧制度の契約は10万円)を超えていれば、同種類の他の保険が複数あったとしても、保険料控除の上限を超えているため記入する必要はありません。

※例:一般生命保険料控除枠でA社年20万円、B社年5万円、C社年3万円で加入している場合はA社のみの記入でOK

一方、確定申告では各保険会社の控除証明書に記載の保険料を該当の項目へ入力するのみで、あとは自動で控除額を計算してくれます。こちらも先ほど同様、1つの保険で年間保険料が8万円(旧制度の契約は10万円)を超えていれば、超えている1社分のみの入力で大丈夫です。

いかがでしたでしょうか?所得控除の利用できる資産運用として、確定拠出年金(iDeCo)の加入者が非常に増えていますが、生命保険料控除を利用した資産運用も根強い人気です。ご自身の所得控除も考えながら資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。

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