老舗惣菜店が作った和の高級食パンがすごい!噂の店舗で実食レポート

東京・大田区の平和島駅から徒歩5分の住宅地に、4月24日〔題名のないパン屋〕がオープンしました。〔考えた人すごいわ〕や〔午後の食パン これ半端ないって!〕などのさまざまな異業種オーナーのベーカリーを手がけた岸本拓也さんのプロデュースとあって、開店前から話題沸騰。今回はどんなパンが生まれたのでしょうか。実際にお店に出向いて実食してきました。

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敏腕プロデューサーと老舗惣菜店がタッグを組んで生まれた、全く新しい食パン

Photo by:題名のないパン屋

〔題名のないパン屋〕をオープンしたのは、創業135年の惣菜店〔佃浅商店〕。関東圏の百貨店や商業施設で、和惣菜を販売している老舗です。惣菜店がなぜパンを? とみなが抱く疑問について、〔佃浅商店〕七代目社長・杉原健司さん(写真右)は次のように答えてくれました。

Photo by:河辺さや香

「きっかけは、子供の頃食べた卯の花パン。私の母が工場で余った卯の花を家に持ち帰り、パンに乗せて食べさせてくれたんです。それがおいしくて。当時から和惣菜とパンはなんとなく合うだろうという気がしていましたが、今回岸本さんとの出会いを通じて、本気で和惣菜に合うパンを作ってみようと思い立ちました」(杉原さん)

ベーカリープロデューサーの岸本拓也さん(写真左)はこう続けます。

「日本のパン文化は独自の発展を遂げていて、パンの吸水性や粉の配分などは欧米のそれとは違う配合になっているんです。和惣菜とパンが合うことはわかっていましたが、実際にそれをどうやっておいしいものにするか、いろいろと工夫しました。今回のキーワードは“ごはんの代わりになるパン”です」(岸本さん)

また、コンセプトの1つとして〔佃浅商店〕の歴史に名を刻んでいきたいという思いがあったそう。そのため、店舗は〔佃浅商店〕の惣菜工場の一角を改装してオープンすることに。地域の方々とのコミュニケーションを大切にするため、あえて対面販売にしたそうです。

味噌を練り込んだパンに、レーズン入り!? 果たしてお味は

Photo by:河辺さや香

さて、実際にどんなパンが生み出されたのでしょうか。〔題名のないパン屋〕では、3種類の食パンが販売されています。実際に食べてみました。

《無題の熟成》2斤/800円(税別)

Photo by:題名のないパン屋

もっちりふんわりとした食感が特徴の、キメの細かい食パン。口溶けがよく、なめらかで食べやすいので、“日常のどんなシーンにも合う”というのが印象です。私は焼き立てをトーストせずに生食でいただきました。バターの香りとほのかな甘みが上品で、幸せな気分になるおいしさ。これぞ毎日食べたいパンだな、と思いました。

《無の極み“味噌”》2斤/840円(税別)

Photo by:題名のないパン屋

〔佃浅商店〕で惣菜作りに代々使われてきた《江戸味噌》を、直接中に練り込んで焼き上げた食パン。甘い味噌の風味がパン全体に広がり、やさしい味わいです。保湿性のある《江戸味噌》の効果でパンがみずみずしく仕上がっており、その食感は口のなかでほどけてなくなってしまうほどソフト。耳も《無題の熟成》よりさらにやわらかくしっとりしているので、まさに“いつの間にかなくなっている”という感覚でした。

この日特別に用意されていた《江戸味噌》を、厚めにスライスしたパンに乗せて食べてみました。そもそもパンの耳自体から味噌の甘みを感じるので、味噌そのものが合わないわけがありません。

Photo by:河辺さや香

さらに、〔佃浅商店〕の惣菜を乗せてみました。パンに水分があるので、惣菜の邪魔をすることなく、相互の旨味がまろやかに重なり合いました。和惣菜ってパンに合うんだ、いや、パンって和惣菜に合うんだと発見した初めての体験です(※惣菜は商品ではありません)。

《無の極み“ぶどう”》2斤/980円(税別)

Photo by:題名のないパン屋

《無の極み“味噌”》も十分衝撃的だったのですが、さらに驚いたのが《江戸味噌》とレーズンを使った《無の極み“ぶどう”》です。和の甘みのある味噌と、甘酸っぱいサンマスカットレーズンとのペアリングが絶妙! レーズンと合わさることで、一層味噌の風味が引き立っていました。これまでに経験したことない組み合わせですが、癖になる味わいです。パン自体は《無の極み“味噌”》と同じくほどけるような食感で、いくらでも食べられそうな気がしてきます。

〔題名のないパン屋〕に込められたメッセージ

Photo by:河辺さや香

ところで、ベーカリープロデューサーの岸本さんが手掛けるお店は、一度聞いたら忘れられない独特の店名も注目の的。今回の〔題名のないパン屋〕は、“おいしいに言葉やストーリーはいらない。ただ現実に素直に感じる美味しさを届ければそこからストーリーが始まる”という思いが込められているそうです。店舗側面の壁やパンの袋には「無題」の文字、またショッパーには「渾身」「継承」と、力強いメッセージが入っています。

Photo by:河辺さや香

パンも、立地も、そして佇まいもかなり個性的ですが、それだけにいろいろと衝撃が詰まったお店でした。当日分のパンが売り切れ次第閉店で、特別仕様の《無の極み“味噌”》と《無の極み“ぶどう”》はさらに数量限定なので、ぜひ早めの時間に訪れることをおすすめします。

高級食パン専門店〔題名のないパン屋〕

●住所:東京都大田区大森東1-12-4
●TEL:03-3761-3036
●アクセス:京急・平和島駅より徒歩5分
●営業時間:10:00〜18:30
●定休日:月曜日
※売り切れ次第閉店

●ライター 河辺さや香

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