どんな家が子どもをのばす? [後編] 家族みんなで楽しみながら成長できる仕掛けを
前編に引き続いて、子どもの学びを育むために保護者がどんなことに気をつけたらよいのか、横山洋子先生にお聞きしました。子どもを賢い子に育てるための住まいの環境作りには、大人も楽しめる要素を盛り込むことが大切。家族みんなで楽しく成長していきましょう。
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低学年の子どもの学習には大人の見守りが必要
子どもが低学年のうちは個室ではなく、保護者の目の届く場所で勉強できる空間を作ることが大切だと考えます。小学校1年生が夏休みの宿題を全部自分でやる割合は39.7%という調査結果があります(学研教育総合研究所2016年調査より)。
意外に低いと思うかもしれませんが、このデータは、小学校低学年の学習に大人の見守りがいかに必要かということを示しています。たとえば、子どもが宿題をやり終えたら、保護者が中身を見て「ここまでできたんだね、えらいね。」とほめたり、もし、できていない箇所があったら、「あれ、ここはどうかな?」と声をかけたりしましょう。そのためにも保護者が子どもの学習を見守れる環境作りは欠かせません。
保護者が家庭で仕事や趣味を楽しむ姿を見せる
0~5歳児を持つ保護者のアンケート調査によると、「コミュニケーションが足りていない。」と感じる保護者が76%もいるというデータがあります(パナソニック ホームズ2018年調査より)。共働き世帯も多く、子育て世代は仕事など社会で活躍している方が多く、多忙のため、なかなか子どもとゆっくり話す時間がないのは仕方がないかもしれません。
でも、親子のコミュニケーションは、時間の多さではなく中身です。短時間でも子どもの心が満たされることが大切です。ときには、家で仕事をしている姿を見せるのもよいのではないでしょうか。または、仕事をしている方は「お母さん、こんなお仕事をしているよ。」と自分の話をすると、たとえ短時間のコミュニケーションでも子どもの理解を得られるものです。
仕事に限らず、保護者が手芸など趣味や習い事に夢中になっている姿を見るだけでも子どもの心は満たされます。人生を楽しんでいる大人を見て、子どもは「生きることは楽しい。」と学びます。子どもが宿題をしている横で保護者がパソコンで仕事をしている、そしてお互いがしていることについて話し合う。家庭の中にそんな空間があることで家族はコミュニケーションを築くことができるはずです。
家族みんなが読書を楽しめる空間が子どもを読書好きにする
子どもの学力には、読み聞かせや読書が深く関わっています(平成25年度学力調査を活用した専門的な課題分析に対する調査研究より)。実際に「子どもが小さいころ絵本の読み聞かせをした。」という家庭ほど、子どもの学力が高いという相関関係がわかっています。
読書は、語いの獲得や読解力アップに直結しますし、読書から得られる思考力は、物事を考えるときの基盤になり、視野を広げるきっかけにもなります。また、幼児や低学年にとって本の読み聞かせは、保護者との有意義なコミュニケーションの時間にもなるでしょう。
子どもが読書好きになるには、まず、家の中のすぐ手にとれる場所に本があることが重要です。また、保護者自身が楽しく読書をしている姿を子どもが日常的に目にするだけでも子どもが読書に関心を持つきっかけになります。子どもだけでなく大人も家の中で読書を楽しめる空間があることが、読書好きな子どもを育てるためには欠かせないと思います。
家は、子どもが保護者の姿を見て学ぶ場所でもあります。保護者が家の中で読書や趣味など自分の時間を楽しんでいる姿を見れば、子どもも「ああなりたい。」と人生を描くことができます。“できる子”に育ってほしいと願うなら、保護者自身が家で読書をしたり、調べものをしたりするなど知的活動ができるワーキングスペースを作るといいでしょう。大人も子どもも学びながら成長できる家で、子育てを楽しんでいただきたいと思います。
教えてくれたのは…
千葉経済大学短期大学部
こども学科教授
横山洋子先生
富山大学大学院教育学研究科学校教育専攻修了。国立大学附属幼稚園教諭、公立小学校教諭を経て現職。保育者育成にたずさわる。「10歳までに読みたい世界名作」シリーズや『ふしぎがわかるよ!図鑑』( いずれも学研プラス刊)など監修や著作も多数。
株式会社学研エデュケーショナル
出典:「学研教室」会員紙『みどりのなかま』2月号より
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