どんな家が子どもをのばす? [前編] 全身を使うさまざまな遊びが成長のカギに

子どもが心身ともに健やかに成長し、“できる子”に育つには、住まいの環境作りが大きく影響するそうです。子どもの心や発達について研究している横山洋子先生に、子どもの学びを育むために保護者がどんなことに気をつけたらよいのかについてお話を聞きました。子どもを賢い子に育てるために、住空間に学びのエッセンスを取り入れましょう。

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人間の脳細胞は12歳までにほぼ100%完成する

人間の脳や運動神経の細胞は、5歳までに80%、12歳までにほぼ100%完成するといわれていますので、幼児期の教育は人間の成長に大きな影響を与えます。ですから保護者のみなさんは、できるだけ子どもが幼児のうちから脳を活性化させ、全身を使う運動ができるように心がけましょう。

脳の活性化のためには、子どもが主体的に考える習慣をつけることが有効です。たとえば、遊ぶときでも「○○をして遊びなさい。」ではなく、「あなたは今、何をして遊びたい?」と問いかけるようにします。こうすることで、子どもは自分の頭で考え、決断し行動に移します。この自分で考えて行動する習慣が脳の発達によい影響を与えるのです。

身体面の発達という点では、幼児期はさまざまな遊びを中心に、毎日合計60分以上、楽しく身体を動かすことが望ましいとされています(2012年文部科学省幼児期運動指針より)。

幼児が多くの時間を過ごす家の中に、保護者といっしょに全身を使って遊んだり、床の上でゴロゴロ寝転んで遊べたりする空間があるといいでしょう。ジョギングのような“ 走るだけ”の運動よりも、多様な動きを伴った全身運動のほうが自分の身体をコントロールする運動神経を育て、脳の活性化にも役立ちます。

子どもの自己肯定感(自分は愛されているという気持ち)を育もう

“伸びる子”に育てるには、子どもの自己肯定感を育むことも重要です。自己肯定感というのは「自分は愛されている」と認識することです。子どもは「愛されている」「応援されている」と実感できると、「自分だってやればできる」という気になります。

勉強でもスポーツでも何かをやるための原動力は「がんばればできる」という気持ちで、これが「努力しよう」というやる気につながります。自己肯定感を持つことは、学習面の“やる気”にも関わってきますので、保護者は「いつも○○ちゃんのことを応援しているよ。」という気持ちを伝える言葉をかけて子どもの自己肯定感を育てるとよいでしょう。

自己肯定感を育むには、家の中に子どものための小さな占有空間を作ってあげるのも有効です。たとえば、家の中に自分だけの秘密基地のような場所を作り、そこにお気に入りのおもちゃを持ちこむなどして、その場所は自分で管理させるようにします。

保護者がその空間を大事にしてくれることは、自分の価値を認められていることにつながり、自己肯定感を持てるようになります。

横山先生インタビュー動画

教えてくれたのは…

千葉経済大学短期大学部
こども学科教授
横山洋子先生

富山大学大学院教育学研究科学校教育専攻修了。国立大学附属幼稚園教諭、公立小学校教諭を経て現職。保育者育成にたずさわる。「10歳までに読みたい世界名作」シリーズや『ふしぎがわかるよ!図鑑』( いずれも学研プラス刊)など監修や著作も多数。

株式会社学研エデュケーショナル
出典:「学研教室」会員紙『みどりのなかま』2月号より

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